緊急事態宣言が、19の都道府県で9月末まで延長になった。内閣官房からはイベントなどの開催について「催物（イベント等）は、都道府県が設定する人数上限5000人かつ収容率50％などの規模要件に沿った開催を行うとともに、開催は21時までとしてください。併せて、開催に当たっては、業種別ガイドラインの遵守を徹底し、催物前後の『三つの密』や飲食を回避するための方策を徹底してください」とお願いが提出されている。7月後半から8月中旬までの感染者拡大によって、9月に入っても、LOCAL GREEN FES（横浜市）、JOIN ALIVE（北海道）、ハイライフ八ヶ岳（山梨県）、ワイルドバンチ（山口県）、THE SOLAR BUDOKAN（山梨県）など、多くのフェスが中止や延期、あるいはオンラインのみの開催という判断をくだしている。秋のキャンプインフェスを代表する存在の朝霧JAMも、開催見送りを発表した。

17LIVEで当日に無料配信されることが決定した。

　そんな状況のなかで、開催に向かっているフェスも少なくない。今週末に予定されているのが群馬県水上で開催されるキャンプインフェスのNew Acoustic Camp（ニューアコ）と、都市型フェスのSUPERSONIC。SUPERSONICは大阪での開催を断念し、千葉のみで行われる。コロナ禍になってはじめて海外からのアーティストが出演するフェスでもある。9月25日〜26日は長野県のキャンプ場でEACH STORYが開催される予定だ。

　ニューアコは昨年秋も開催され、コロナ禍においてどうすればフェスという場をみんなで作りあげられるのかを実践していた。数日間というフェスを、ソーシャルディスタンスを守って、ひとりひとりが安心して楽しめる時間にするのか。参加するファンはもちろんのこと、フェスの会場となる地元の人にとっても、多くの人が訪れることに対して、どう負の要素を払拭して安心を届けられるのか。それが2021年の秋フェスのメインテーマだろう。いつ収束するか見えないコロナという現実があるなかでの開催。新しいライフスタイルを模索し、自分たちで共有するための一歩として、今年の秋フェスがあるように思っている。フェスというものにコロナ禍ではネガティブなイメージを持つ人が多くなったけれど、ひとつひとつのフェスが丁寧に開催していくことで、そのイメージをいかに払拭していくのか。

　自分だけではなく、他者に対しても思いやりを持つこと。その他者とは、人だけではなく自然も含まれている。フェスは参加するひとりひとりの思いと行動によって作られていく。そんな核にありすぎて忘れがちなことを、改めて確認する機会になる。新しいライフスタイルの中でのフェスは、人と自然の関係を深く考える時間になるはずだ。

群馬県の緊急事態宣言の延長によって、タイムテーブルは変更。昨年までは２日間の開催だったけれど、今年は３日間に。それだけライブなどのコンテンツはゆったり構成されている。

New Acoustic Camp 2021
開催日：9月18日（土）～20日（月・祝）
会場：水上高原リゾート200（群馬県みなかみ町）
出演：OAU、ACIDMAN、石崎ひゅーい、G-FREAK FACTORY、NakamuraEmi、LOVE PSYCHEDELICO、MONOEYES、CHAI、GLIM SPANKY（Acoustic set）、ほか

SUPERSONIC
開催日：9月18日（土） 9月19日（日）
会場：ZOZOマリンスタジアム （千葉県千葉市）
出演：ZEDD、ALAN WALKER、石野卓球、CLEAN BANDIT（DJ SET）、STEVE AOKI、Perfume、R3HAB、DIGITALISM 、ほか