- フェス
愛と平和が満ちた場所へ。フジロック・フィールドオブヘブンの住人に聞く、今年のヘブンの風景。
2022.07.21 Thu
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ
フジロックの風景をイメージするとき、ティピが立ち並ぶフィールドオブヘブンを思い浮かべる人も多いだろう。ステージでのライブと、オーガニックな様々なブースと、そこにいるファンとによって構成される「天国の地」は、フェスの自由を感じる場所であり、フェスカルチャーの根幹にあるラブ&ピースが底辺に流れているエリアだ。LITTE EAGLE / SLOW TURTLEは、フジロックが苗場に移った1999年から、フィールドオブヘブンに出店している。
ティピが立ち並ぶヘブンの風景。今年は3年ぶりに、このヘブンが戻ってくる。PHOTO = 宇宙大使☆スター
「若い頃にカウンターカルチャーに憧れがあって、90年代前半にアメリカに渡ったんですね。インディアンウォークに参加したり、ヒッピーの人たちが住んでいるコミューンに行ったり。グレイトフル・デッドのショーも体験したし、ウッドストックから繋がっているようなフェスにも行って。日本に帰ってきてから、『苗場にフジロックが移ることになって、ヘブンという場所を作るんだけど、ティピが並んでいるような場所にしたい』っていうような相談があったんです。アメリカのフェスで感じたような自由な雰囲気のフェスが日本にもあったらいいなって思っていたこともあって、ヘブンでロータスカフェを出しているマキさんとともに、ティピを立てて出店することをふたつ返事でオーケーしたんです」とSLOW TURTLEの山口晴康さん。
SLOW TURTLEの山口晴康さん。88年に開催された「いのちの祭り」に参加したことをきっかけに、インディアンカルチャーに深く入っていったという、
山口さんは、1999年の初参加以降、毎年のようにその年のヘブンをイメージしたり、社会へのメッセージを表すようなTシャツを作ってきている。
「デッドのショーに行くと、パーキングロット(駐車場)でオフィシャルではないけど味のあるTシャツが売っているんですよね。愛が込められたTシャツ。今年はどういうヘブンであってほしいか。そんなことを思いながらデザインしているんですね。自分もアメリカで感じたような何かをヘブンで感じてもらえたらなって」
LITTE EAGLE / SLOW TURTLEは、今年3年ぶりにヘブンに戻ってくる。2022年という年へのメッセージも込めたTシャツも、もちろん制作されている。
「平和ってこうなんだみたいなことを感じられるようなTシャツにしたいなって思っています。ウッドストックが『3 DAYS of PEACE & MUSIC』を掲げ開催されたのはベトナム戦争時代。あの時代と同じように、今年は本当にピースミュージックの場が必要だと思うし、ラブ&ピースを表現したいなって思っています」
山口さんによる今年のヘブンT。平和へのメッセージが込められている。毎年購入するヘブンスタッフも多いとか。
去年のヘブンのブースは、ライブペインティングをしていたGRAVITYFREEのひとつだけだった。いつもとは違うヘブンの風景に、ちょっと寂しさを感じたヘブンファンも多かっただろう。音楽だけではなく、様々なものが一堂に会することで、フェスというカルチャーが形成されていく。それをヘブンは20年以上にも渡って伝え続けてきた。今年のフィールドオブヘブンには、あらためて愛と自由と音楽が満ちた空間が創造されることは間違いない。
チケット購入方法はこちら⇒