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宇宙大使⭐︎スターの見たFESTIVAL SCENE──あの場所へ帰る理由

2025.07.05 Sat

未来へと続くフェスとともに
──写真でたどる、過去と未来の輪郭──

 2003年、朝霧JAMにたまたま行ったことがきっかけで、フジロックの公式カメラマンを務めるなど、世界各地のフェスを撮影するフェス写真家として活躍する宇宙大使☆スターによる画報。世界のフェスティバルシーンを撮影してきたなか、印象に残る光景を自らの文章と作品で振り返りながら、フェスの未来を見つめる。
Fuji Rock Festival(FRF)2021


始まりと試練FRF 2007
まだ「夏フェス」なんて言葉も、
あまり馴染んでいなかったあのころ。
ただ、音楽が鳴る場所へと惹かれた人たちが集まり、
大雨に打たれながら、泥まみれで肩を組んだ。
誰が主役でもなく、
ただ「いっしょにいる」ことが奇跡かのように。
ここに芽吹いた小さなカルチャーは、
今も息づいている。
Glastonbury 2007


乗り越えてきた時間
FRF 2017
日本に生きるということは、
自然と向き合うということでもある。
新潟県中越地震、東日本大震災、
そして、新型コロナウイルス……。
何度も立ち止まりながら、それでも僕たちは、
毎年この地へ帰ってきた。
雨と泥の中で鳴った音と笑い声が、
〝やめなかった〞 記憶となり、
未来を押し出す力になる。
FRF 2021


光と音とテクノロジー
Rock in Japan 2015
スマホの光が星座を描き、
レーザーが雲を裂く。
ステージはあのころよりもずっと未来的だ。
でも、不思議と人と人の距離だけは、変わらない。
音・光・心が混ざり合うこの場所に、
未来はもう静かに到着していたのかもしれない。
Glastonbury 2013


未来を育てる
Glastonbury 2007
肩車の上から子どもが
真剣な眼でステージを見上げる。
かつて観客だった大人は、
今や親としてその背を支える。
楽しむ場はいつしか〝受け渡す〞場へ。
フェスは静かに世代をまたいで続いていく。
FRF 2019


新しい日常、新しいフェス
Japan Jam 2022 
パンデミックは暮らしを一変させた。
マスク越しにしか笑顔が見えない日々。
声は出せなくても、腕は空高く伸びる。
制限の中でも表現をして「まつり」は続く。
変わらず、けれど確かに新しい……
これもひとつの進化の形。
FRF 2021


未来がここにあった
Phish Mondegreen 2024
異なる言葉を話す人たちが同じリズムに揺れ、
抱き合い、笑い合い、ひとつの円を描く。
世界の端と端が、ここで一瞬つながるのだ。
それは、未来が〝どこか遠く〞にあるのではなく、
僕たちの中に、芽吹いているのだと
教えてくれる光景だった。
Burning Man 2011
 この先も、いろんなことがあるだろう。だけど僕は信じている。何度でも、ここから始まる。音楽と人とが出会う場所は、きっと、これからも続いていくと。




〈写真/構成と文 : 宇宙大使☆スター〉


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