いよいよ2025年のフジロックが近づいてきた。土曜のチケットがソールドアウト。ソールドアウトになるのって、何年ぶりになるのだろうか。ボブ・ディラン、ケンドリック・ラマー、N.E.R.Dがヘッドライナーだった2018年とケミカル・ブラザース、シーア、ザ・キュアーがヘッドライナーだった2019年と2年連続してソールドアウトになっていたような記憶があるけれど、コロナ以降ではこれが初だ。
　今年も、世界から苗場にアーティストがやってくる。ヨーロッパ、アメリカといった「ロック」の先進国だけではなく、アジアやアフリカからも。この多様性がフジロックの魅力でもある。今年のおすすめアーティストを５つピックアップ。

MDOU MOCTAR／エムドゥ・モクター（ニジェール）
July 25 (Fri) 15:50-16:50 WHITE STAGE

　アフリカ大陸のサハラ砂漠西部を中心に居住するトゥアレグ族をルーツとするエムドゥ・モクター。自らのバックボーンに根ざした独特なリズムとグルーヴ感が、なんといっても特徴だ。2019年にリリースしたアルバム『Afrique Victime』で世界的にブレイクした。最新作は今年2月に発表された『Tears of Injustice』。いよいよ初来日し、その唯一無二の音楽性を苗場で現す。

FERMIN MUGURUZA／フェルミン・ムグルサ（スペイン・バスク）
July 25 (Fri) 25:30-26:15 CRYSTAL PALACE TENT
July 26 (Sat) 12:10-13:00 WHITE STAGE

　バスクが生んだレベルミュージック・アーティストのフェルミン・ムグルサ。プロフィールには「革命家」と記載されることもある。ロック、パンク、スカ、レゲエなどのストリートミュージックをミックスさせたストレートな音楽に、バスクの独立問題やパレスチナ問題や資本主義社会への痛烈な批判といったメッセージをバスク語で歌う。そんなフェルミンが大規模なワールドツアーから引退することを24年に発表。今年のフジロックは引退ツアーの一環としてステージに立つ。

VULFPECK／ヴルフペック（アメリカ）
July 26 (Sat) 21:10-22:40 GREEN STAGE

　今年のアーティスト発表で、もっとも驚いて、もっとも上がったのがヴルフペックのヘッドライナーとしてのフジロック登場だった。インディペンデントで活動を続けながらもニューヨークMSGでのライブをソールドアウトにするなど、アメリカでは圧倒的な人気を誇っているが、日本盤のセールスがいいわけではなく、日本には「合わない」バンドであり、日本では見ることがないバンドだと思っていた。グリーンで、彼らのファンクがどう響くのか、どんなステージングを見せてくれるのか。興味は尽きない。

ROBERT RANDOLPH／ロバート・ランドルフ （アメリカ）
July 27 (Sun) 19:00-20:10 FIELD OF HEAVEN

「スティール・ギター界のジミ・ヘンドリックス」と称されるロバート・ランドルフ。ペダル・スティールを自在に操り、ジャムバンド・シーンでも注目を集めてきたアーティストだ。ライブでは自身のルーツにあるR&Bソウルやファンク、ゴスペルといったブラックミュージックをベースに、ロック〜ジャムの熱さを加えていく。ペダル・スティールの概念を一掃してくれるプレイは、ロバート・ランドルフだけのもの。6月に新作アルバムをリリースした直後のフジロック登場になる。

GALACTIC／ギャラクティック（アメリカ）
July 27 (Sun) 21:00-22:30 FIELD OF HEAVEN

　ニューオーリンズを拠点に活動するギャラクティック。90年代後半のジャムバンド・シーンや2000年代に入ってからのアメリカのフェス・シーンにおいて、「今のニューオーリング・ファンク」を体現するバンドとして光を放ってきた。来日ツアーも多く、初回の朝霧ジャムをはじめ、フジロックにも数多く出演を果たしている。ロバート・ランドルフ〜ギャラクティックという最終日の流れは、かつてのヘブンの雰囲気を存分に感じさせてくれるはずだ。

FUJI ROCK FESTIVAL’25
日時：2025年7月25日(金)～27(日)
会場：新潟県湯沢町苗場スキー場
https://www.fujirockfestival.com/

※明日のフジロックはこう歩け！
今年もキャンプよろず相談所前にて、木曜金曜土曜の深夜にトークイベント「フジロックコンシェルジュ」を開催します。

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