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【FUJI ROCK FESTIVAL ’26 GENRE DIAGRAM】それぞれの音楽の可視化。ラインナップをジャンルで見る。

2026.07.11 Sat

新たな世界基準としてのロックフェスへ。ギターロックの回帰とジャンルの越境。進化を続けるフジロックでしか実現しない多様性のあるラインナップ。

 世界のフェスシーンがポップの時代へと移行していくなかで、フジロックが選んだのは、世界標準のポップフェスを目指す道ではない。ロックフェスであり続けながら、内側から更新していく。その姿勢が、2026年のヘッドライナーの並びに色濃く出ている。 The xx、KHRUANGBIN、MASSIVE ATTACK。3組に共通するのは、大合唱で盛り上げるタイプではなく、音の質感で空間を支配するタイプだということだ。派手な祝祭感で押し切るのではなく、ミニマルな余白、深いグルーヴ、低重心のサウンドで観客を包み込み、フェス全体の空気ごと書き換えていく。いまのフジロックが守ろうとしている美意識は、まさにこの手触りの部分にある。

 2026年のラインナップは、「ギターロック回帰」と「ジャンル越境」を同時に進めている。大型フェスがポップスターやラッパーを頂点に据える流れを強めるなか、苗場ではバンドサウンドを軸に、ヒップホップ、ジャズ、ワールド、ダンスミュージックが有機的に共存する。

 初日はThe xx、Hi-STANDARD、ASIAN KUNG-FU GENERATION、TURNSTILE、SNAIL MAILらを軸に、エモ、ハードコア、インディが交差する「感情の揺れ」の日。

 2日目はKHRUANGBIN、Kroi、cero、BADBADNOTGOOD、KOKOROKOが並ぶ「グルーヴの日」で、ファンク、ソウル、ジャズ、アフロが緩やかにつながっていくなかにBASEMENT JAXX、TOMORAなど踊れる本丸が控える。

 最終日はMASSIVE ATTACK、MOGWAI、AMERICAN FOOTBALLを軸に、ポストロック、エモ、トリップホップが交わる「音響の総決算」だ。

 最後に個人的見どころを。砂漠のブルースを運ぶTINARIWEN、濃密なインスト・ファンクで押すLETTUCE、ラテンとレトロソウルの洒脱な混交を鳴らすLA LOM、微分音でロックを逸脱させるANGINE DE POITRINE、ソウルジャズ的な粘りを湛えたTHE BREAKSまで。ロックの周囲にワールド、ファンク、ラテン、実験音楽が自然に混ざり合う。この越境感こそが2026年のフジロックの奥行きだ。観客自身の音楽地図を書き換えていくロックフェス―それが2026年の苗場である。

(※4月3日に発表された第2弾ラインナップまでのダイアグラムです)

〈Text by Hideki Hayasaka  Construction by Hideki Hayasaka、editorial staff〉




 

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