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春の瀬戸内海をシーカヤック旅するなら、マテガイを逃すな!

(2016.05.04)

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 潮干狩りといえばアサリやハマグリ? いやいや、春の瀬戸内海ではマテガイであります。マテガイとは砂地の干潟に生息する二枚貝で、二枚貝とは思えぬ葉巻状の貝殻が特徴。掘るというより「掴み出す」という一風変わった獲り方がおもしろいと評判を呼び(「狩猟」気分を味わえるのでしょうな)、瀬戸内海の一部地域ではここ数年マテガイ掘りがブームになっている。

 このマテガイ、春の瀬戸内海をシーカヤックで旅するなら格好の獲物になる。砂地の干潟があればおおむね生息しているし、掘る道具としてパドルが流用できる。また、砂抜きせずに調理できるので旅の自炊メシ向きだ。

 その旨味たるやアサリよりも濃く、見た目に反してとてもおいしい。とれたてがキャンプの食卓に並べば奪い合いになること必至だろう。なお、マテガイ掘りには塩がたくさん必要なので、カヤックに忍ばせておくことをお忘れなく!
    

~マテガイの獲り方~

①干潟の砂地の表面を削っていく。道具は鍬が一番いいが、パドルやスコップでもなんとかなる。

②そこにマテガイの棲み処があれば、削った砂地にこんな穴が現れる。

③その穴に塩を投入。しばらく待つと……。

④うわーキモ、なんか出てきた! さらに高く飛び出してくるので、すばやく指でつまんで引っこ抜く。躊躇しているとすぐに穴に戻ってしまい、もう出てこない。

⑤でろーん。なんで塩を入れるとマテガイが飛び出してくるのか? じいちゃんや父ちゃんから代々受け継がれてきた方法なので、「そういうもんだ」としか言いようがない……(一説には、塩を入れられたことを「海水が入って来た」、つまり満潮になったと勘違いして穴から出てくるとか)。
     

 獲れたマテガイはかるく干して塩水を抜くといい。いろんな調理方法があるけれど、殻ごと焚火で焼いて、醤油をちょっとたらすのがアウトドアの定番だ。

 殻が開くとややグロい身(その光景は食べるときのお楽しみなので掲載しないのだ)があらわになりますが、どうぞ勇気を持ってパックンチョ。

※食材として馴染みがないだけで、マテガイは日本各地の大きな内海や湾(もちろん東京湾にも)に生息している模様。日本のシーカヤッカーの定番食材になるかも。

 
 
ライター
大村嘉正

四国の瀬戸内海暮らし。仕事は自然・旅系ライター&フォトグラファーで、生きかたはバックパッカーでリバーランナー。著書はラフティングガイドたちの1年を追った『彼らの激流』(築地書館)。

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