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未成熟の中国と飽和状態の韓国、日本の課題はブランド認知。アジアのアウトドア・マーケット事情

(2016.02.16)

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 毎年1月から2月は、アウトドアメーカーや輸入代理店が次の秋冬製品の展示会を行なう季節です。展示会は販売店向けに行なわれるもので、販売店は新製品(この時点ではサンプル)を見て、自分の店で取り扱う場合はメーカーや代理店に注文をします。メーカーは受注状況を見て生産。輸入代理店は本国に発注します。海外ブランドのコアな製品なんかだと、この時点で受注が付かずに、日本での取り扱いがなくなってしまう、なんてこともあります。

 受注を取りたいメーカーや輸入代理店はもちろんのこと、販売店のバイヤーも必死です。自分の店で確実に取り扱いたいものは、この時点でオーダーしなくてはいけませんからね。定番アイテムならともかく、ちょっととがった製品だと売れるか売れないかは一か八か、なんていうものもあるでしょう。センスと腕の見せどころであり、真剣勝負の場なんです。

 海外ブランドの場合は、この展示会に合わせてメーカーの担当者が来日することも少なくありません。ジャックウルフスキンの展示会に合わせて来日した、アジア地区シニアマネージャーのクリスチャン・グローシュさんに話を聞くことができました。

Christian Grosche/クリスチャン・グローシュ
ジャックウルフスキンのアジア地区担当シニアマネージャー。「好きなことを仕事にしたい」と転職。ジャックでの仕事は4年目となる。アウトドアならなんでも楽しむが、とくにトレイルランニングとMTB、そしてスノーボード。「この展示会が終わったら、来週はバカンスを取って北海道に行くんだ。いまは毎日天気予報を見てるよ(笑)」。いまごろはきっと雪の上です

−−どんな仕事をしているんですか?
「アジア地区(日本、韓国、中国、モンゴル)全体を統括しています。おおまかに言ってしまうと、各国のディストリビューターと連携して、ジャックウルフスキンを広めていくという仕事です」

−−アジア地区以外では、どんな国に拠点があるんですか?
「アジアの拠点は上海にあります。ほかにロシア、UK、イタリア、スイス、オーストリアにも現地法人を持っています」

−−どういう経緯でアジア担当になられたのですか?
「私は学生時代に上海に留学していました。上海は、いわば第二の故郷なんです。前職ではテキスタイルの貿易に携わっていましたが、ジャックウルフスキンがアジア地区で働く人を募集していると知り、“これぞやりたかった仕事だ”と応募しました。個人的にはトレイルランニングやMTB、スノーボードを趣味にしていて、自分が好きなことを仕事にしたいと思っていたんです。転職はパーフェクトマッチでしたよ(笑)」

−−上海に留学したのはなぜですか?
「16歳のときに父親と上海旅行に行ったのがきっかけです。私が生まれたのはドイツの小さな村だったので、大都会の上海にカルチャーショックを受けました。それが忘れられず、自分の進路を考える年になって、“上海に行こう”と思い立ちました。父親と出かけたのが東京だったら、いまごろ東京にいたかもしれません(笑)」

−−国によってマーケットの状況には差があると思いますが、アジアに来ていちばんの驚いたのはどんなことでしたか?
「現在拠点にしている中国は、たとえばスキー場に行ってもほとんどの人が初心者で、道具も多くの人がレンタルで済ませています。自前のウエアを持っている人さえ少なくて、なかにはジーンズで滑っている人もいます。初めてそれを見たときには驚きましたね。中国のアウトドア・マーケットはまだまだ未成熟で、しかしそのぶん可能性もあります。片やお隣の韓国はドメスティックブランドも多く、マーケットは飽和状態です。現在は経済状況もあまりよくないので、ビジネスは決して安泰ではありません」

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ライター
Akimama編集部
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