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7000の島々から厳選!「行けない島」のガイドブック。『秘島図鑑』

(2015.09.24)

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「本邦初の“行けない島”のガイドブック」と銘打たれた本書に登場するのは、33の離島の物語。

 日本最南端の「沖ノ鳥島」、日本最東端の「南鳥島」、激戦地として知られる「硫黄島」など、歴史上重要な役割を果たしながら定期航路がなくなった島や、今では一般人が上陸できなくなってしまった島々、「絶海の孤島」というフレーズにぴったりの島々が紹介されている。

 しかし、ページをめくっていくうちに、八丈島の隣に浮かぶ「八丈小島」や岩国市の「続島」など、定期航路こそないもののちょいと足を伸ばせば上陸できそうな島も登場。さらに読み進めば、地図まで作られながらも実在しなかったことで有名な「中ノ鳥島」まで「秘島」として紹介されている。

 果たして、秘島とはなんなのか。

 ここで著者による「秘島」の定義を読んでみよう。

・リモート感がある
・孤島感がある
・もの言いたげな佇まい
・行けない。島へのアクセスがない
・住民がいない
・知られざる歴史を秘めている

 どうやら「秘島」になれる条件は最後の「知られざる歴史を秘めている」ことが大きなウェイトを占めているようだ。本土からの距離感や行きづらさに加えて、思いを馳せられる場所、思いでしか行けない場所であることも「秘島」の重要な要素なのだ。

 海のただ中に人と関わらない島があっても、それではただの大きな岩の塊。そこに人の歴史があってこそ、「遠くにありて思う」秘島になれる、ということなのだろう。

 そんなわけで、本の後半では「本籍を移す」「漂流記を読む」「Google Earthでバーチャル上陸」など、作者が考えだした「行けない島」に思いを馳せる方策が多数紹介されている。

 私たちが忙しく生活に追われる今も、日本の国土の涯で波に洗われている秘島。慌ただしい日常を離れて、ふっと遠くに思いを馳せるための場所。そんな妄想島旅のお供にどうぞ!

 

■ 秘島図鑑
清水浩史
河出書房新社 ¥1,600

http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309276151/

01.南硫黄島 孤高の島 東京都小笠原村
02.北硫黄島 古代遺跡のロマン島 東京都小笠原村
03.沖大東島(ラサ島) 企業所有の射爆撃場 沖縄県島尻郡北大東村
04.横当島 秘境トカラの中の秘境 鹿児島県鹿児島郡十島村
05.硫黄鳥島 噴火を繰り返した島 沖縄県島尻郡久米島町
06.沖ノ鳥島 日本最南端 東京都小笠原村
07.南鳥島 日本最東端 東京都小笠原村
08.沖ノ島 神聖さナンバー1 福岡県宗像市
09.鳥島 漂流物語ナンバー1 東京都八丈支庁
10.西之島 スクスク育つ島 東京都小笠原村
11.硫黄島 激戦の歴史 東京都小笠原村
12.馬毛島 開発に揺れる島 鹿児島県西之表市
13.鳥島 射爆撃場の哀感島 沖縄県島尻郡久米島町
14.横島 水没し岩礁になった炭鉱島 長崎県長崎市香焼町
15.臥蛇島 無人化した共同体の島 鹿児島県鹿児島郡十島村
16.八丈小島 全島民離島の歴史 東京都八丈島八丈町
17.屋嘉比島 無人化した銅採掘島 沖縄県島尻郡座間味村
18.入砂島 渡名喜島に近い射爆撃場 沖縄県島尻郡渡名喜村
19.昭和硫黄島 溶岩だらけのハダカ島 鹿児島県鹿児島郡三島村
20.続島 戦艦「陸奥」爆沈の火葬島 山口県岩国市
21.男岩 沈思黙考の岩 沖縄県島尻郡座間味村
22.大野原島 寄り添う三本嶽 東京都三宅島三宅村
23.ベヨネース列岩 「異国情緒」漂う岩礁 東京都八丈支庁
24.須美寿島 孤高の壁岩 東京都八丈支庁
25.孀婦岩 水平線上の感嘆符 東京都八丈支庁
26.奇岩 今にも折れそうなキノコ岩 沖縄県宮古島市
27.南波照間島 波照間島沖の〝幻の島〟
28.中ノ鳥島 地図に38年間記載された、存在しなかった島
29.小祝島 祝島を見守る無人島 山口県熊毛郡上関町
30.肥前鳥島 3つの岩から3つの島へ 長崎県五島市
31.北方四島・竹島・尖閣諸島 〝揺れる〟 島々

 
 
ライター
Akimama編集部
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