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まだまだ間に合う! 登山家・秩父宮殿下が愛した、富士山と桜の豪華な絶景コラボを見に行く

(2018.03.27)

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 こんにちは! 御殿場市在住のライター・芳地直美(ホウチナオミ)です。

 今年は開花が例年よりも少し早いようで、都内では、もうすでに、お花見宴会気分突入といったところですが、標高の高いここ、御殿場の春はもう少し遅いので大丈夫。見ごろは4月初旬も過ぎてからが本番といった感じでしょうか。なので、都会でうかうかしていて、すっかり桜の季節を逃してしまったという人でもまだまだ季節を取り戻すことができます。
ソメイヨシノ、枝垂れ桜、御殿場桜、八重桜など約1000本の桜が咲き誇る平和公園から見る桜と富士山

 桜の木が多く植えられ、白く雪を被った富士山とピンクの桜がともに見られる御殿場の風景は、これぞまさに日本の春! 

 桜が満開の時期に、東山地区の桜並木の道をランニングすれば、花吹雪で前が見えないほど……、そうして顔をあげると、雪を被った白い富士山がドカンと、街のどこからも望むことができます。そんな日本の絶景とも呼べる桜と富士山のコラボレーションは、訪れる外国人観光客にも人気です。
わが家の近所にある東山地区の桜並木。この道を走るのは気持ちいい☆

 なかでも、「日本の歴史公園100選」「美しい日本の歩きたくなる道500選」に選ばれている秩父宮記念公園は、御殿場屈指の桜の名所。園内の樹齢130年余りのしだれ桜は誰をも魅了し、築290年余りの母屋の佇まいとあいまって、荘厳な雰囲気を楽しむことができます。

 そんななか、秩父宮記念公園がメイン会場となり、4月7日(土)、8日(日)、14日(土)、15日(日)には、「第16回御殿場桜祭り」が開催されます。当日は、さくら茶会、和装展示、地元グルメなどが出店し、ライトアップされた桜も楽しめます。

下記はドローンで撮影された昨年の桜祭りの映像です。

 ところで、秩父宮記念公園は、昭和16年8月から約10年間、昭和天皇の弟君にあたる秩父宮雍仁親王(ちちぶのみや やすひとしんのう)が実際にお住まいになられていた別邸で、妃殿下の遺言により御殿場市に寄贈されたものです。敷地面積は東京ドームの1.5倍、標高500mにある庭園は、殿下が愛された山野草を始め四季折々の花々を楽しむことができます。
母屋としだれ桜 享保8年(1723年)に建てられた茅葺の母屋は御殿場市指定文化財。樹齢130年あまりのしだれ桜は圧巻

 アキママを読んでくれている読者の皆さんは、ご存知かもしれませんが、秩父宮殿下は、英国留学中にマッターホルン(4478m)を登ったこともある登山家でした。

 殿下は、エッセイ「英国の思い出」の中にこう書かれています。

「テニスとか野球は私がいるとすぐに見物人が集まってくる。その点、登山なら山の中だ。人が押し寄せる心配はないから、私も自由に楽しむことができる」

 秩父宮殿下が登山を好きになった理由には、おそらく皇子という束縛された世界から解放されるところにもあったのではないかな、とも思います。殿下という立場を忘れ、ひとりの山男として歩けた自然の中はとても自由だったのでしょう。マッターホルン登山中、殿下は誰の助けも借りず、重い荷物を持って仲間と、厳しい岩壁を登攀し、頂上にたどりつきました。

「マッターホルン登頂のときが、生涯の中でもっとも思い出深いものだった」

と、療養生活を送った御殿場の地で、殿下は何度も言っていたといいます。

 そんなストーリーを思いながら秩父宮記念公園の桜を見ていると、美しさの中にもなんだか切なさを感じます。人生も桜の花が咲く時間も短い、でも一瞬だからこそ美しいのかな……とも。

昭和天皇より送られた登山服姿の銅像を見る秩父宮殿下と勢津子妃

 桜祭りの会場・秩父宮記念公園にある殿下の銅像は、桜と富士山を眺めています。御殿場の遅い春を見に来てください。秩父宮が愛した富士山と桜を見に、もう一度、春を追いかけてみるのも悪くはないかもしれません。
(*写真提供=御殿場観光協会)
秩父宮記念公園では夜桜がライトアップされる。夜桜のライトアップは、4月6~15日(日没~20:30)まで

秩父宮記念公園 「第16回御殿場桜まつり」
日程:4月7日(土)、8日(日)、14日(土)、15日(日)
TEL:0550-82-5110
住所:御殿場市東田中1507-7
 
●ほかにも御殿場市には桜の見どころがいっぱい!

■平和公園
ソメイヨシノ、枝垂れ桜、御殿場桜、八重桜など約1000本の桜が咲き誇る。

■東山湖
スポーツフィッシングのメッカであるとともに、富士山、桜、湖を見ることのできる絶好のビュースポットでもある。

■東山観音堂
赤塗りのお堂の両脇に咲き誇る2本の枝垂れ桜が圧巻。東山湖をつくった大阪屋長右衛門が祀られている。

富士見といっしょに楽しめる御殿場の絶景お花見スポットはコチラ

 
 
ライター
Hochi Naomi

年間150日は野外で過ごす元祖・肉食系自然派ライター。シーカヤック歴は23年、世界一周ヨットに3年連続便乗取材中。狩猟免許と看護師免許を持ち、最近はトレイルランニングにもはまっている。著書に「タムタムアフリカ」(山と溪谷社)ほか。

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