• カルチャー

フェスから生ゴミを無くせ。「森、道、市場」で試みられる堆肥プロジェクト。

2024.05.23 Thu

菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ

 人がいて、そこで時間を過ごす。食べて飲んでという生きていくサイクルのなかでは、どうしてもゴミが出てしまう。フェスではなるべくそのゴミを少なくしようと、マイボトルやマイ食器の利用が呼びかけられ、ゴミの分別が行われている。毎日の暮らしのなかでのゴミ分別よりも、フェスのゴミ分別のほうが細かく分かれていたという人も少なくないだろう。それだけフェスではゴミは大きな課題のひとつでもある。

 フェスでの飲食に関しては、「できる限り残さないこと」を自分に課してきた。残飯を出さずに全て食べること。ひとりひとりがそれを心がけていたら生ゴミは少なくなる。けれど、メニューを作っている段階で、どうしても生ゴミは出てしまう。何万人もの人が「食べて、飲む」フェスであればその量は膨大になる。

 昨年の「森、道、市場」から、フェスで出てしまった生ゴミを堆肥にするプロジェクトがスタートした。2年目の今年は「森道堆肥セッション」となって、音楽のセッションのように楽しみながら生ごみを回収するプロジェクトになる。昨年は、会場でおよそ2トンの生ゴミが回収され、7,000リットルの堆肥が完成したという。

 調理することで出てしまう野菜クズなどを、ゴミとなって捨てられるのではなく、微生物とミミズの力を借りてコンポスト化(=堆肥化)させる。その堆肥は次なる植物の成長を助ける。今年は出店者に生ゴミ回収袋と「森道ソイル」が渡される。「森道ソイル」とは森道でのコンポストを使った培養土のこと。生ゴミがオーガニックな堆肥になり、それを使って栽培したものが翌年の森道の糧になる。オーガニック堆肥で育った野菜は美味しくないわけがない。

「森道堆肥セッション」を主催しているのがBLUE COMPOST。フェスやマルシェなどでの「堆肥化セッション」のほか、「堆肥スクール」なども行なっている。秋には森道コンポストを使った実際の畑での野菜栽培を見学し、味わえるコンポストイベントが計画されている。

 野菜クズもゴミにはしない。そしてそれが循環されていく。それがフェスというみんなが楽しむ場で、みんなの力で行われる。

森、道、市場 2024
開催日:5月26日(金)~28日(日)
会場:ラグーナビーチ&ラグナシア(愛知県蒲郡市)
出演:THA BLUE HERB、never young beach、折坂悠太(band)、CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN、踊ってばかりの国、カネコアヤノ、どんぐりず、ほか

森道堆肥セッション

BLUE COMPOST

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