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こいつは事件だ!「SEA TO SUMMIT」が「もう一度本格上陸」。日本の外遊びが大きく変わる、かも!?

(2017.06.26)

道具のTOP

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 Akimama に寄稿してくれている「さかいやスポーツ」の高橋典孝さんをはじめ、最近アウトドアの世界で注目度が高まっているメーカーが「SEA TO SUMMIT(シートゥサミット)」。今シーズンから輸入代理店が変わり、以前より大幅に取り扱いアイテムが増えそうなのだ。

 高橋さんのこちらの記事「軽量、コンパクト、マニアック!いま、シートゥサミットがアツい!」にもある通り、売り場では薄手のドライバッグやモスキートネット、たためる食器のXシリーズなどの小物を目にすることの多かったSEA TO SUMMITだが、実はシェルターやマット、寝袋やバックパック、シーカヤック用品まで手がける総合メーカーだ。

 そして、それらのアイテムのすべてが、余技ではなく本気で作られており(なにせ、頭に被るモスキートネットでさえ3種も作ってしまう会社なのだ)、小物から大物まで、どの分野も細部まで作り込まれたアイテムが揃っている。

 SEA TO SUMMITが丁寧なものづくりを行なうのは、創業者自身が筋金入りの冒険者であったことが影響しているかもしれない。

 SEA TO SUMMITを創立したのは、オーストラリアはパースに暮らすティム・マッカートニー・スネイプとローランド・タイソンの2人。そしてSEA TO SUMMITの会社名は、1990年にティムが行なったエベレストへの無酸素登頂が由来していている。

 クライマーだったティムは、1984年にも新ルートからのエベレスト無酸素登頂に成功させていた。このときの山行の記録映画を撮った監督から、「真のエベレストの登頂は海抜0mからの登頂だ」と示唆されたことをきっかけに、ティムはその6年後、ベンガル湾からエベレスト山頂までを無酸素で歩き通す「SEA TO SUMMIT」遠征に挑戦し、このプロジェクトを成功させる。

 この遠征でティムが使った道具の一部を作っていたのが、クライミングに傾倒して自室で道具を自作するようになっていたガレージメーカーのローランドだった。そして遠征終了後、2人はスリーピングバッグのライナーを最初の商品として、SEA TO SUMMIT社を立ち上げる。

「妥協が許されない状況で道具を使う人」と「そのユーザーに徹底的に応える開発者」の二者が手を組んだことに始まるSEA TO SUMMIT。どのアイテムも細部まで作り込まれているのは、創業者たちの姿勢が貫かれているからだろう。

 そして、SEA TO SUMMITのものづくりのもうひとつの特徴が「網羅的」であること。得意中の得意であるドライバッグやマットレスでは、軽いものから丈夫なものまで、ほとんどのシチュエーションをカバーしている。今シーズンのマットの一部。超軽量モデルから、キャンプ用、ほとんど来客用といえるクオリティのマットまで! 近日、レビューを紹介予定
「もうちょっと軽いのがあればいいのに」
「もっと快適なやつがほしい」
「軽さと快適さを折衷したものがほしい」

 ユーザーの要望は、マットひとつとっても様々だが、キワキワまで軽量化をすすめるULハイカーから、ヘビーデューティー志向の冒険派、ほどよい軽さと使いやすさを求めるユーザーまで、すべての人が納得できるアイテムが揃えられている。

 さらに、ものづくりとはまた別の特徴として、内外価格差がないことにも注目したい。

 日本のサイトがまだできあがっていないので、本国や英語圏のサイトを参照していて気がついたのだが、「SEA TO SUMMIT」のアイテムの価格を日本と英語圏で比べてみたとき、ほとんど価格差がないのだ。

 これはSEA TO SUMMITの社風に加え、SEA TO SUMMITの輸入を行なっている「ロストアロー」の社是が影響しているのかもしれない。ロストアローの扱うメーカーはどこも、国外と比べたときの内外価格差が小さい。

 世界で展開しているアウトドアメーカーのなかには、国内外で驚くほど価格差の大きいメーカーもある。代理店そのものへの卸値が高いために、やむなく価格を上げなくてはいけない場合もあるだろう。しかし、ロストアローの取り扱うメーカーは国内外での価格差が小さい。これにはなんらかの企業努力があるはずだ。

 購入することがその会社への支持の表明なら、私は気持ちよく売ってくれる人の品物を、気持ちよく買いたい。気持ちよく買えることも、道具の魅力のひとつだと私は思っている。

 そして、今期のアイテムで個人的に気になっているのは、バックパックタイプのドライバッグ類。手のひらに収まる軽量モデルから、420デニールの厚手の布地を使ったモデルまで、内容物を濡らさずに快適に背負えるモデルがたくさん揃っている。

 Akimamaでもこれらのアイテムを少しずつ紹介していきますよ!

 
 
ライター
藤原祥弘

採集系野外活動を中心に執筆とワークショップを展開。著書に『海遊び入門』(小学館・共著)ほか。好きな獲物はカンパチとノコギリガザミ。twitterアカウントは@_fomalhaut

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