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紅葉シーズン目前。登山計画書もしっかり準備しよう。

(2016.09.17)

登山のTOP

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 過去最高に暑いといわれた2016年の夏も終わり、秋の足音がそこまできている。書店に並ぶ山雑誌の表紙も、鮮やかな紅葉一色。紅葉シーズンに向けて、登山計画を立てている人も多いことだろう。

 もうすぐ9月27日。63人の犠牲者を出した御嶽山噴火から2年が経とうとしている。行方不明者5人を残したまま、昨年8月に捜索は打ち切られた。無念の決断だったろう。紅葉、週末、晴天、昼どき。さまざまな要素が重なり、御嶽山噴火はとても大きな惨事となってしまった。いまなお行方不明となっている方々をふくめ犠牲となった63人のご冥福をあらためて、ここで祈りたい。

木曽駒ヶ岳からのぞむ、御嶽山。

 その日、600人ほどの人が訪れていたというが実際は、さだかではない。噴火がおきてからまもなく、役場には登山者の家族から多くの問い合わせが寄せられたというが、安否の確認は困難を極めた。それは、大半は登山届を出していなかったからだ。死亡行方不明者63人のうち、登山届を出していたのはわずか11人だったという。あらためて登山届の重要性がクローズアップされ、御嶽山噴火の教訓を活かそう、と登山計画書の提出を義務化する地域も出てきている。長野県では、登山安全条例が制定され、今年7月1日から登山計画書の提出が必要な指定登山道を定めた。

登山者におなじみの、昭文社山と高原地図のハンドブック巻末には、登山計画書のフォーマットがついている。

 近年は未組織の登山者の増加からも、登山届を出したことがないという人もいるかもしれない。いまいちど、登山計画書の役割について考えてみよう。

 登山届は、これから山を登ろうとする人が自らの登山計画を明記し、周囲に知らせるもの。登山計画書には、パーティ全員の氏名、年齢、性別、電話番号、緊急連絡先にはじまり、いつ、どこの登山口から入り、どこを通って、いつどこから下山するのかという登山ルート、そして装備は何を持っているのか、携行している食糧にいたるまでことこまかに書かれている。さらに、予定のルートがかなわなかった場合のエスケープルートなど、パーティについて隅々まで把握できるような内容だ。

 登山計画書に決まったフォーマットはないが、以上のような項目が書かれていることが望ましい。地域によっては、登山口に登山届用のポストや記入用計画書が用意されていることもある。

日本山岳ガイド協会が運営するウェブサイト、Compass。ネット上で登山計画書を作成でき、そのまま警察署に提出もできる。

 登山計画書は、最低3枚用意する。1枚は自らが持ち、1枚は山域を管轄する警察署に提出、もう1枚は帰りを待つ家族や山岳会に渡しておく。もし、登山者本人からなんの連絡もなく、予定の下山日を過ぎれば、家族や山岳会から警察に通報が入る。また山中でケガなどで身動きが取れなくなるなど、登山者本人が警察に通報することも考えられるだろう。通報を受けた警察は、提出されている登山計画書を元に救助・捜索の準備に入るのだ。登山計画書は、遭難者を捜す唯一の手がかり。

 登山計画を明らかにする理由は、もしものときに見つけてもらうためという自分自身に向けたものでもあるが、周囲のためでもある。もし、登山届がなかったとしたら、救助・捜索のために山に入る人びとは、広い山を手がかりもなく捜すことになるだろう。それは、救助に当たる人びとを長時間危険にさらすことでもあるのだ。迅速な救助・捜索には、確かな情報が求められる。だからこそ、登山計画書の提出は重要になってくる。

 これからはじまる紅葉シーズン。装備の準備はもちろん、計画書も丹念に作成して山にのぞみたい。いまはCompassなど、便利なウェブサイトも登場しているので利用しよう。

 
 
ライター
Akimama編集部
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