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【A&F ALL STORIES】息を吹き返した伝説のバックパック。アウトドア界のレジェンド、デイナ・グリーソンが作る「ミステリーランチ」

(2018.02.14)

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高次元のフィット感とユニークで使いやすいデザイン、質実剛健なものづくりが、ユーザーの心を鷲掴みにする。
 アメリカ・モンタナ州ボーズマンで生まれ、世界中のフィールドで愛されるバックパック「ミステリーランチ(MYSTERY RANCH)」。類を見ない合理的なギミックと堅牢な作りで、山岳ガイドをはじめミリタリーやハンティング、森林消防隊ものづくりといった過酷な現場で活動する人々から絶大な支持を集めているバックパックだ。

 創設者はアウトドア界のレジェンド、デイナ・グリーソン。かつて伝説的なバックパック「デイナデザイン(DANA DESIGN)」を世に送り出したデザイナーといえば、ピンとくる人も多いだろう。

 2013年からディストリビューターとなったA&Fの赤津孝夫会長はミステリーランチとの出会いをこう振り返る。

「OR(アウトドアリーテイラーショー)やショット・ショーで顔を会わせていたから、デイナのことはよく知っていました。バックパックを新たに輸入するなら、職人として、人間として魅力的な背景がきちんとあるデイナのミステリーランチしか考えられませんでしたね。1995年、デイナはデイナデザインを売却し、バックパック製作からいったん退きました。そして、2000年に再び奮起してミステリーランチを立ち上げた。ブランドこそまだ20年弱だけど、パック製作のノウハウは40年以上積み重ねてきた実績があります」

 3大バックパックブランドといえば、このミステリーランチに加え、いずれも米国の「グレゴリー(GREGORY)」と「オスプレー(OSPREY)」。グレゴリーの創設者、ウェイン・グレゴリーとも親交が深い赤津会長は、デイナとウェインの人柄について、こう話す。

「職人気質でモノづくりにこだわるってところは、すごく共通していますよね。ベルトを縫い付けてループをつくるデイジーチェーンをデイナがはじめて採用すると、ウェインもすぐに新しい機能を開発するといった具合に、お互い刺激しあいながら作っていたんじゃないですか。ものすごく仲がいいんだけど、ライバル視もしていたと思いますよ。以前、雑誌の対談で“ミステリーランチっていいよね”って言ったら、ウェインが“いや”ってムキになったことを覚えていますよ。ウエストベルトのスタビライザーがなくても簡単に体にフィットさせるシステムは、ミステリーランチの真骨頂。あれのことを言ったんですけど。ライバル視するということは、いいものを作ろうという姿勢の現れですから、ふたりはよい関係だと思いました」
デイナデザインに続き、アウトドアバックパック業界を牽引するミスタリーランチを立ち上げたデイナ・グリーソン。バックパック界の巨人だ。
 1995年、デイナは世界中のアウトドアズマンに愛されたデイナデザインをK2グループに売却した。その後、モノづくりから離れ、世界各地を飛び回って、スキー三昧。そんななか、娘のアリスに「わたしのパックを作って」と頼まれ、数年ぶりにミシンを踏むことに。

 使い手のことを頭に浮かべて作ったウエストパック。それを手にした娘アリスのひと言で、デイナの第二の人生が歩きはじめた。

「これステキじゃない!」

 これがミステリーランチのはじまりだ。

 だが、問題がひとつあった。デイナデザインを売却したときの契約書に一定期間アウトドア用のバックパックを作ってはいけないとの規約があったのだ。ヤキモキした気持ちを抑えるべく、フィールドに出向いてはユーザーから意見を聞き、彼らの使い方を研究しては、新しいバックパックのアイデアを温めていった。

 現場でユーザーと触れ合ううちに、優れた機能を搭載しても使いこなせていない人が実に多いと感じた。ここから、ミステリーランチの十八番となる「シンプルな調整で、誰もが満足のいくフィット感を得られるバックパック」を作ろうと思いついたのだ。

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ライター
Akimama編集部
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