line_box_head

ターポリンの一枚布を機能的なトートバッグに仕上げるスプーンフルの粋

(2018.07.09)

道具のTOP

icon

 かつて、Akimamaでも「最強のアウトドア用トートバッグ」として紹介したことのあるスプーンフル(Spoonful)に、新しいラインナップが加わった。

 スプーンフルといえば、一枚布の両サイドにファスナーが施され、マチの折り返しをスナップボタンで止めるという一風変わった仕様が特徴のトートバッグだ。でもこの様式が、フィールドではさまざまな可能性を生み出し、ユーザーの想像力を刺激する。
 
 この一枚布を変幻自在にするスプーンフルのシステムはそのままに、素材そのものをターポリンにしているのが今回の新モデル。トートバッグといえば、帆布が当たり前のという考え方に反し、ターポリンを選ぶところにスプーンフルらしさが表れている。

 ターポリンといえば、耐久性はもちろん、なによりも耐候性が高く「濡れ」に対してのポテンシャルがいい。どんなシチュエーションで使うべきなのかと頭を巡らせてみるが、アウトドアでは濡れはつきもの。どこにも当てはまるかなとは思いつつ、濡れといえばやはり海だろうか……と、向かった先は海のラクエン。珊瑚礁に囲まれた南の島でスプーンフルをフル活用してみた。

 碧い海、珊瑚礁、熱帯魚。となれば、フィンとマスクで身支度を整えて波間にドプンッ。潮に全身が洗われるあの独特の感覚は、やはり素潜りならではのもの。宮古島の海は、日本はもちろん、世界でも指折りの海だと思う。みごと、ミノカサゴくんにも遭遇しちゃって、テンションは急上昇。日々の澱を、潮の流れに溶かしこんでいく。
宮古島の海で出会ったミノカサゴ。背鰭には猛毒があるので、要注意! それにしても碧い波間を優雅に漂う姿には思わず(心が)痺れてしまった。
 使ってみたのは、ターポリン一重構造の完全防水モデル。サイズちがいの3タイプだ。#16のリップル(Ripple)、#17のルードムード(Rude Mood)、#18のフリーバード(Free Bird)で、それぞれ大型(バッグ時寸法:W44×H37×D22cm)、超大型(同:W56×H46×D24cm)、超超大型(W66×H54×D30cm)。これだけサイズが大きければ、フィンでもマスクでもブーツでも必要人数分が楽々と収まってしまう。海に行く人数によって、サイズ選びをするのがいい。大物のフィンもPFDもマスクもブーツも、楽々収納。スプーンフルに詰め込んで海岸でフルオープンすれば、中身も一目瞭然。使いやすいこと、この上なし!左から#16のリップル(Ripple)、#17のルードムード(Rude Mood)、#18のフリーバード(Free Bird)。ところで気がつきました? ブランド名も商品名もみんな正統派ロックに紐づいていることを? スプーンフル(Spoonful)といえば、クラプトン率いるクリームの名曲。ルードムード(Rude Mood)はスティービー・レイ・ボーン(SRV)の、フリーバード(Free Bird)はレーナード・スキナードの楽曲です。趣味と仕事が結びつく、この遊び感覚こそ、アウトドアを愛する人の心意気。
 そして、海仕様の場合、上記の「一重構造」というのがポイントとなる。スプーンフルでは同じくターポリンモデルでも、より上位機種となる二重構造のバージョンも発表されているが、海の場合は断然、一重バージョンをお勧めしたい。なぜかといえば。これぞ、一重構造のスプーンフル、究極の使い方!? シートを濡らさずに次の行動が取れるのは、なんとも心強いばかり。一枚布だからこそできる裏技なり。
 海で泳げば、体はビショビショ。でも次のポイントに行くには、車に乗らざるを得ない。そんなときに頭に閃いたのがこの使い方。なるほど、スプーンフルはサイドのファスナーをフルオープンにしてしまえば、ごくごく単純な一枚布に。この一枚布は完全防水なので、座席のシートを濡らしてしまうことはない。広げればかなりの大判なので、安心度は高い。

 しかも取っ手となるハンドルを座席のヘッドレストにヒョイと掛けるだけで、座席の防水対策が完了してしまうのだ。これは、便利。一重構造なので、合わさった布がズレるようなこともなく、すわり心地も完璧。さらに突っ込めば、ハンドルが口の一部だけで取り付けられており、本体の縁のみにしかステッチがないので、水が染み出してしまうようなこともない。

 この一重構造バージョンは、海のためにつくったのではないかと思ってしまうほど。また、一枚に広げてトランクに敷き詰めれば防水シートにもなるし、トートバッグとしての大容量と使い勝手のよさは言うまでもなし。

 デザインのシンプルさがそのまま機能性にもつながっているようで、なるほどアウトドアの現場をよく知る人がつくったものはちがうなぁ、と思わず感心してしまう。

 新生スプーンフル、侮るべからず!

 
 


 

■スプーンフル
#16 リップル(Ripple)
8,500円+税
バッグ時寸法:W44×H37×D22(cm)、展開時寸法:W66×H96(cm)、容量:約35ℓ、カラー:ベージュ、ワサビ、ブラック

#17 ルードムード(Rude Mood)
10,000円+税
バッグ時寸法:W56×H46×D24(cm)、展開時寸法:W80×H116(cm)、容量:約62ℓ、カラー:ベージュ、ワサビ、ブラック

#18 フリーバード(Free Bird)
12,000円+税
バッグ時寸法:W66×H54×D30(cm)、展開時寸法:W96×H138(cm)、容量:約107ℓ、カラー:ベージュ、ワサビ、ブラック
 


 
 
ライター
tetsu

山岳•アウトドア関連の出版社勤務を経て、フリーランスの編集者に。著書に『テントで山に登ってみよう』『ヤマケイ入門&ガイド テント山行』(ともに山と溪谷社)がある。

line_box_foot