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【連載】日本のロングトレイルを歩くvol.9 シューズ・インプレッション。雨の山道での性能は!?~X ULTRA 3 GORE-TEX

(2018.09.03)

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 ロングトレイルに必要な要素を兼ね備えたシューズとして この連載vol.3 で、ULハイカーのイッセイさんに インプレッションしてもらった「サロモン Xウルトラ3 ゴアテックス」。今回は、雨の金沢トレイルを7時間ハイクした際のインプレッションをイベントに参加した北村がお届けします。

サロモン / X ULTRA 3 GORE-TEX® 15,500円+税 カラー:3色(メンズ、ウィメンズともに) サイズ:25.0-31.0㎝(メンズ)、22.0-25.0㎝(ウィメンズ) 重量:380g(27㎝・片足)

●足入れの感覚・シューズの軽さ

「Xウルトラ」は、日本人の足型にあったラスト(足型)を採用したベストセラーシューズです。そこに今季改良を加えリリースされたのが、今回の私の相棒「サロモン Xウルトラ3 ゴアテックス」。幅広の足の私としては、実際に足入れをするまで半信半疑だったのですが、履いた瞬間にわかりました。つま先の窮屈さを感じないのに、包み込まれるような感覚。これは、今までに出会ったことがないシューズのフィット感でした。

 この一番気になっていたつま先の空間は、指が動かせて踏ん張りがきく。かといって、前後左右にズレるわけでもない。足首のまわりのクションもほどよく効いて安定感がある。シューズ自体の重さも、実際に履いて歩き出してみた感想は、「軽すぎず、重すぎず。絶妙なバランス」と言った感じだ。これは、相性がよさそうだと、歩き始める前に直感したのでした。

●ホールド感・グリップ力

 朝から降り続く雨で、乾いた路面はゼロ。トレイルが舗装道路から里山に入ってから、雨で濡れた山道で軽くダッシュしてみた。

 シューズのちょうどセンターあたりまでは、ソールに柔軟性があって曲がりやすく、パターンの形状も手伝って蹴りやすい。後方のヒールにかけては、ミッドソールに硬めのシャーシが入っており、左右のブレがなく足運びに安定感と反発力があり加速がつく。トレランシューズではないのでランニング向きという感じではないが、トレイルを歩いていても、見通しが良いところでは思わず走り出したくなってしまった。

アウトソールとミッドソールの間に、サロモン独自の軽量・高機能シャーシが配置されている。すぐれた動きの効率性、安定感、反発力は、ここからきているのだ!

 下りでは、どうだろうか?木の根、落ち葉など、あきらかに滑るところは、ゆっくりと行動したが、泥など雨天の状況で避けられない環境で歩いてみた。

 足を地面につく際に捻じれないので、次の一歩が出しやすいのだ。足首周りのクッションも、ほどよく効いている。ただし泥の下りは、やはり体重移動に気をつけないといけない。カカトに重心を落としすぎると、滑って転倒する恐れがあるので、ルートファインディングをして慎重に。

自然相手では、濡れた木の根や泥道の急斜面を歩くこともあるだろう。できるだけ避けたいが、そんな時でも頼りになる一足だ。

 ロングトレイルでのインプレッションということで、舗装道路などでの状況についても少し書いておきたい。街中での使用は、当然のことながら、やはり少し歩きづらいところはある。ただし、このトレイル用に開発されたシューズは、ブーツではないし、ランニングシューズでもない。なので、多少のソールの硬さは感じるが舗装道路でも、もちろん難なく歩ける。

 少し注意して頂きたいのが、今回スタートした金沢城をはじめ、街中やお寺にある石畳や階段、道路上のマンホールの蓋や側溝を塞ぐ金網、イベントで途中通過したコンクリートの長い下りの階段など、表面が硬いところが雨などで濡れている時の歩行だ。このようなシチュエーションを通過する場合は、小股でゆっくり歩いたり、階段の場合は手すりを持つなど、晴天時より足元に注意して歩くことをオススメしたい。

ケースバイケース。ソールが得意な路面もあれば、不得意な路面もある。特性を知って付き合うと最大限のパフォーマンスを発揮してくれる。

●防水性
 まず、このシューズには「GORE-TEX® Performance Comfort Footwear」が採用されている。すなわち、雨天時や泥道にも強さを発揮することは間違いありません。外部の水分や湿気をシャットアウトし、インナーの汗による蒸れも防止するのは、GORE-TEX®の最大の特徴なのは誰もが知るところだ。

 ただし、私は今回大きなミスを犯してしまった。スタート当初の小雨を楽観視していたのだ。その後、強くなった雨の際も、レインパンツ内の蒸れを嫌ってそのまま歩き続けた。結果、脛や足首を伝ってシューズの上から足元に雨を運んでしまった…。なんという、初歩的ミス。それでも、私が覚えている限りでは、7時間行動のうち、5時間はシューズ内に雨は入り込まず快適に歩くことができた。

なんたる失態!せめてレインパンツかゲーター、どちらかを装着すべきでした…。

 登山靴のように、レインパンツとゲーターで雨をシャットアウトできれば、シューズの中には雨は入らず、ゴアテックスの最大の特徴「通浸透性」でシューズ内の蒸れも、外界からの雨も防いでくれたことでしょう。

 今回は、意図せず雨のインプレッションとなりましたが、結果「サロモン Xウルトラ3 ゴアテックス」のポテンシャルが、より明確にわかりました。行動中にレインパンツを装着する際も、クイックレースシステムを搭載しているのでスムーズに行動ができるでしょう。全体的な感想としては、ラストの良さもあり、踏み込みやすく、蹴りやすい。そして、市街地から里山の登山道へと、環境が変わってもスムースに対応できるこのシューズは、まさにロングトレイルハイク向きのオールラウンダーでした。

 ロングトレイルに興味がある方で、シューズの選択に迷われている方、ブーツよりも軽量なシューズを探している方、まずは試着をオススメします。
 

【文=北村哲 写真=古瀬美穂】

 
 

 


 
 
ライター
キタムラ テツ

富士山「絆」フォトコンテスト・ディレクター。アパレル業界を経て、フリーランスへ。アウトドア&スポーツメーカーのアーティストコラボ商品、イベント、カタログなどの企画制作を行う。

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