line_box_head

【A&F ALL STORIES】「チコバッグ」が提案する使い捨てのゴミを少なくするための方法

(2018.09.03)

道具のTOP

icon

アメリカのスーパーでは、果物や野菜だけではなく、パスタやナッツなども量り売りしている店が少なくない。左は店から家での保存袋として使えるバッグ。右はリサイクルされたポリエステルを使ったオリジナル(¥864)。
 11年前の2007年。アメリカ西海岸のサンフランシスコで、ビニール製のレジ袋の使用が禁止になった。その波は、ロスアンゼルス、ポートランド、東海岸のボストン、ハワイのホノルルなどアメリカ国内で広がっている。

 ゴミ処理場に集められた大量の使い捨てビニール袋に衝撃を受けたオーナーのアンディ・ケラーさんが、その帰り道で立ち寄ったリサイクルショップでミシンを購入し、2005年に創業されたのがチコバッグ(Chico Bag )。同社は使い捨てのビニールバッグを減らすことをミッションにしている。

 チコバッグのホームタウンは、カリフォルニアのチコタウン。同じく、環境意識の高い、ステンレスボトルのブランド、クリーンカンティーンもこの小さな町にある。ゴミを減らすという志を同じにしたふたつの会社は、ORショーでは一緒のブースで出展していた。

「ORでブースに寄ったときにおもしろい会社だと思いましたね。リサイクルペットボトルを素材に使っていることはもちろん、そこにいた人間に興味を持ったんです。バックモンスターと言って、つなぎにゴミ袋をこれでもかっていうくらい縫い付けて、それを着ている。ゴミを少なくしたいという本気の思いがそこに現れていましたから」とA&Fの赤津孝夫会長は話してくれた。
バックモンスターとなったオーナーのアンディ・ケラー。ORショーでも、このスタイルでブースに立っていることが多い。
 このバッグモンスターは、チコバッグのホームページのトップ画像にも出てくる。チコバッグがあるカリフォルニア州では、2016年11月8日に行われた住民投票によって、ビニール製のレジ袋の使用禁止が決まった。ちなみにこの日は大統領選挙の日でもあり、地球環境問題に後ろ向きなトランプが勝利してしまった。

「一歩一歩前進はしているけれど、まだ戦いは終わっていない。そんなことをオーナーは言っていましたね。彼らの本気度って、会社に行くとよくわかるんです。Bコーポレーションに認証されていることはもちろんなんですけど、ゴミ箱が7種類くらいに分別されていました。会社で豚と鶏も飼っていて、多くの会社員がお弁当を持ってくるんですけど、食べ残しのものを彼らの餌にするというんです。豚と鶏が大きくなったらいただくとも。これも地球本来のサイクルですよね。トイレには名前の書いたタオルがズラーッと並んでいる。紙を使わないようにしているんですね」

 Bコーポレーションとは環境や社会に配慮した活動をし、公益のために存在する会社に与えらえる認証。正式にはパブリック・ベネフィット・コーポレーション。Bのベネフィット(利益)は、経済的な利益ではなく環境や地球などの利益を指しているという。

 そんな地球にも優しい活動をしているチコバッグは、カトラリーブランドのトゥーゴーウェア(To-Go Ware)を2015年に買収。トゥーゴーウェアは、持続可能な解決策と廃プラスチックの代替手段としての製品を提供することにより、使い捨ての考え方を無くし前向きな再利用を提案することを目的に、ふたりの女性によって設立された。チコバッグもトゥーゴーウェアも、日常生活からの気づきを、生み出された製品に託していると言っていいだろう。
竹で作られたトゥーゴーウェアのカトラリーセット(左¥2,160 右¥1,728)。左の大人用には、アメリカの会社にもかかわらず、箸もラインナップされているところがポイント。
 トゥーゴーウェアの特徴はバンブー素材であることと、ケースもすべてリサイクル素材でできていることだと赤津会長。

「日本でもスーパーマーケットではレジ袋は無料ではなくお金を払うところが多くなっています。アメリカのスターバックスは、プラスチックのストローを全廃することを発表した。これまで以上にマイバッグやお箸などをいつも持つことが普通になるし、そういう時代になっていくと思います。ふたつのブランドとも、創業以来、ほとんどアイテムが変化していません。どんな商品がいいのか、アイデアを出すことも私たちA&Fの役目だと思っています」

 日本で使われているビニール製ゴミ袋は年間で300億枚を超える。生産過程と焼却過程で、かなりの二酸化炭素が排出されるし、自然に還らないビニール袋は海や山の環境も悪化させている。少しでもゴミを少なくする。地球を愛し、地球を大切にする。アウトドア・スタイルの核を、チコバッグもトゥーゴーウェアは持ち続けている。



 
 
ライター
菊地崇 a.k.a.フェスおじさん

フェス、オーガニック、アウトドアといったカウンターカルチャーを起因とする文化をこよなく愛する。フェスおじさんの愛称でも親しまれている。

line_box_foot