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岩場に持って行くならこれでしょ。クライマーにオススメな一枚。パタゴニアのPFCフリーなレインウェア「スレート ・スカイ・ジャケット」

2022.07.15 Fri

河津慶祐 アウトドアライター、編集者

 関東圏でいえば湯河原幕岩や瑞牆、小川山、関西圏でいえば烏帽子岩や六甲山など、メジャーなクライミング・ボルダリングエリアはアプローチが数分から30分ほどと、近い場所が多い。むしろアプローチが近いから人が増え、代表的な岩場になったともいえる。

 クライマーのみなさま、そんなアプローチ極近の岩場へ行くとき、レインウェアは持って行っているだろうか!?

 筆者は湯河原幕岩のような、駐車場から整備された道ですぐ、のような岩場では持たずに行ってしまっていた……。だって走れば数分で戻れるし、と言い訳をしてみる。もちろん瑞牆や小川山のような、アプローチは近くとも山岳地帯で踏み跡を辿るような場所では携帯している。

「持たずに行ってしまっていた」と過去形で書いたのは、先日、これではいかんと新たなレインウェアを購入し、常に携帯するようにしているからだ。

 購入したのはパタゴニア(Patagonia)に今期あたらしくラインナップした「スレート・スカイ・ジャケット」。

パタゴニア Patagonia PFCフリー レインウェア スレート ・スカイ・ジャケット ネットプラス

 近くだからいいや、と持たなくなってしまう原因の主たるものは重さ、そして大きさではないだろうか。基本的に重さと大きさは比例する。

 この「メンズ・スレート・スカイ・ジャケット」の重量は295g(M)。比較として、パタゴニアで定番の「メンズ・トレントシェル 3L・ジャケット」は394gと、100gも重い。たかが100gとも思えるかもしれないが、クライマーなら、この100gを削ることがどれだけ大変かお分かりだろう。

 以前、販売していたパタゴニアの「アルパイン・フーディニ・ジャケット」は200gを切っていた。これは、裏地を簡略化し、生地を「表地=メンブレン」の2層にしているためである。生地を1枚省いている分、2層のレインウェアは軽量化できるのだが、肌にベタつきやすく着心地があまり良くない。

パタゴニア Patagonia PFCフリー レインウェア スレート ・スカイ・ジャケット ネットプラス

 その点、「スレート・スカイ・ジャケット」は3層となっており着心地は抜群だ。裏地はジャージー生地を採用しており、さらりとした滑らかさが特徴的。汗ばんでいる素肌のうえから羽織っても不快感がない。

 シルエットは一般的なジャケットよりもかなりスリムフィット。これは、クライミングやボルダリングでの使用を想定しているからだろう。まだ試してはいないが、ダボつかず、生地にストレッチ性も有しているため、着用しながらの登攀にも向いているのだろう。

 この「着心地」でいちばん気に入ったのは、じつはポケット。スリムフィットなのもあってか、ポケットはそれほど大きくはない。手首ほどまで入るポケットが多いなか、この「スレート・スカイ・ジャケット」は、こぶし大の大きさほどしかない。そして、かなりタイトだ。こう書くと良くないように感じるが、ポケット内にストレッチメッシュが使用されており、タイトさがありつつも、こぶしを包み込むようなフィット感を持ち合わせ、なんだか、ずっとポケットに手を入れておきたくなる心地良さがあるのだ。これはぜひ着用して試してみて欲しい。

パタゴニア Patagonia PFCフリー レインウェア スレート ・スカイ・ジャケット ネットプラス

 さらに、「スレート・スカイ・ジャケット」はパタゴニアが力を入れている環境保護にも特徴がある。まず表地の素材はネットプラス・ポストコンシューマーリサイクル・ナイロンを100%使用している。「ネットプラス」とは、昨今、問題となっている海洋プラスチックのなかでも、もっとも有害といわれている “漁網” をリサイクルする取り組みのこと。
※ネットプラスについての詳細はパタゴニアHPにて⇒

 表地に施される撥水加工は、環境や人体に深刻な影響を与える可能性のある “PFC” と呼ばれる過フッ素化合物を使用しない、PFCフリーDWR(耐久撥水)加工が、パタゴニアではじめて採用されている。PFCフリーDWRの性能については、さまざまな意見があるだろうが、暴風雨や吹雪のなかといったハードなシチュエーションを想定していない「スレート・スカイ・ジャケット」なら問題はないであろう。

パタゴニア Patagonia PFCフリー レインウェア スレート ・スカイ・ジャケット ネットプラス

 山で遊ぶ者として、クライミングやボルダリングといったアプローチが短いアクティビティにも、安全対策としてレインウェアを必ず携帯して行って欲しい。その際、どんなウェアでもいい、とは思わずに、自分たちが “遊ばせてもらっている” 自然に配慮していて、さらに機能も着心地も申し分ない、この「スレート・スカイ・ジャケット」を選んでみるのはどうだろうか。

 ちなみに筆者は街着としても愛用中。しなやかさに、シンプルでスリムなデザインが、ふだん使いにフィットしている。

パタゴニア Patagonia PFCフリー レインウェア スレート ・スカイ・ジャケット ネットプラス ■パタゴニア/メンズ・スレート・スカイ・ジャケット
重量:295g(M)
サイズ:XS、S、M、L、XL
カラー:Cloudberry Orange、Basin Green、Smolder Blue
素材:H2Noパフォーマンス・スタンダード・シェル、ネットプラス・ポストコンシューマーリサイクル・ナイロン100%、PFCフリーDWR加工
価格:26,400円(税込)


パタゴニア Patagonia PFCフリー レインウェア スレート ・スカイ・ジャケット ネットプラス ■パタゴニア/ウィメンズ・スレート・スカイ・ジャケット
重量:275g(S)
サイズ:XS、S、M、L
カラー:Sedge Green、Dusky Brown、Smolder Blue
素材:H2Noパフォーマンス・スタンダード・シェル、ネットプラス・ポストコンシューマーリサイクル・ナイロン100%、PFCフリーDWR加工
価格:26,400円(税込)

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