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西荻を愛する人が集まり、発信するフリーフェス。西荻ラバーズフェス、3月20日に初開催!

2016.03.05 Sat

菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ

今年3月20日に東京・西荻窪の公園で初開催される「西荻ラバーズフェス」。その名の通り、西荻を愛する人たちが集い、西荻の魅力を再発見し、提案しようというフリーフェスだ。西荻にゆかりのあるミュージシャンがライブをし、西荻のショップが出店する。フェスを開催することによって、新たなコニュニケーションを構築する。東京23区で開催される地域密着型のフェスは、「西荻ラバーズフェス」が初かもしれない。実行院長の高橋成彰さんに、「西荻ラバーズフェス」の楽しみ方を聞いた。

—— 東京の西荻窪の公園で、フェスを開催しようとしたきっかけを教えてください。

西荻の街でキャンドルナイト(西荻に来て9ヶ月)やイルミネーション(西荻に来て1年)を行っていた際にいただいた、たくさんの喜びの声がすごくうれしくて、また何か違う形でできるコトはないかと考えていた時に、桃井原っぱ公園という大きな公園を通りがかりました。西荻窪から徒歩15分の芝生の公園を見て、「ここでフェス?」と浮かんだんです。それから3日間頭の中で考えているうちに、どうにもワクワクが抑えられなくなり、ある晩、企画書を作ったのがきっかけです。その企画書を近所の顔なじみの人に見てもらうと、1週間で10人の仲間が「やろう」と賛同してくれて、ひとりじゃないならできるかなーと。そこで決心して、企画書を作ってから9日後に最初のミーティングを行いました。

—— その企画書ができたのは、いつだったのですか?

イルミネーションが終わった約3週間後。2015年3月25日に最初の企画書ができました。

—— 「西荻ラバーズフェス」は、その名の通り、西荻という街と密接な関係を持ったフェスだと感じています。西荻とは、どういう街なのでしょうか。

西荻は荻窪と吉祥寺という大きな街に挟まれた小さな街です。大きな企業や大きな建物に街が浸食をされることも少なく、昔から続くお店や、若者による個性的なお店などがバランスよく軒を連ねています。商店街の数も23あり、ひとつひとつの規模も小さなお店が多く、派手さは少なくこだわりは多め、ジャンルの幅や新旧のバランスもとても良い街だと思います。そうした小さな店の並ぶ街に大きな道路が通っていないこともあって、ぶらぶら散歩をするのにぴったりの街です。アーティストや作家の方も多く住んでいる様で、アーバンすぎない心地よいユルさと、ちょっと大人なセンスの良さも魅力と思います。

—— どんな特徴を持ったフェスですか。

とにかく西荻が集まったフェスです。西荻のお店、西荻にゆかりのあるアーティストや文化人、西荻で集めた素材による装飾、西荻らしさの可能な限りの表現など。キャッチコピーが「西荻であいましょう」なのですが、これは西荻のモノやコトや人との出会い、西荻で集合!というふたつの意味を持っています。人との出会い、交流を持っていただくために、相席OKの「こたつ」や「お見合い企画」、だれでも参加OKの「ドーナツ型のミニサッカーコート」などもあります。メイン会場の桃井原っぱ公園だけではなくて、西荻の街もフェス会場となるべくさまざまな企画と連動しています。イベント業者などの外部委託をせず、様々な職種を持った近所の人達による、手作りのフェスです。

—— 個性的なワークショップやショップがラインナップされています。地元の飲食店やショップが多いのですか。

出店する飲食店43店舗、ショップ&ワークショップの33店舗は、ほぼ西荻界隈のお店さんです。それ以外でも西荻にゆかりのある方たちがほとんどです。

—— 参加する方には、ここでどんな時間を過ごしてもらいたいですか。

なるべく長い時間を桃井原っぱ公園で過ごして、普段の西荻と、まだ知らない西荻の、両方に出会っていただきたいです。西荻のお店の食べ物やモノとの出会いであったり、西荻のアーティストによる音楽や芸術であったり、お店の店員さんやボランティアスタッフや会場にいる人たちとの交流、出会いなども。フェス会場は、言わばサテライト西荻の様なものなので、行き帰りに本物の西荻の街に立ち寄っていただきたいです。というわけで西荻の街のマップや、西荻の街で使えるクーポンブックなどを発行します。イラストレーターさん24人の展示を西荻の24店舗で開催したりもします。17時にフェスが終わった後は、西荻の街で一杯飲んで行ってください、と言わんばかりの、「NISHIOGI LOVERS NIGHT」という店舗紹介企画もあり、36店舗が参加していただいています。飲食店もイタリアンからラーメン屋、BAR、スナックなど多様で、昭和元年創業のビリヤード場や、銭湯などもあります。当日配布のマップに記載していますので、フェス後は是非とも西荻の街に歩いて行ってください。

—— 「西荻ラバーズフェス」は、今年が初開催です。一回目が終わってからではないと先が見えてこないかもしれませんが、どんなフェス、どんな祭りに育てていきたいですか。

フェスという名がついていますが、西荻ラバーズフェスは「街のお祭り」だと思っています。これは自分のお店のある商店会のお祭りのお手伝いをしていて思ったことなのですが、お祭りは、近所の商店の人が集まって企画をして、準備をして、当日運営をして近所の住民の人たちとふれあい、また片付けをして、打ち上げをやって、っていう流れで進みます。基本ボランティアです。近所の人たちと顔を会わせたり協力しあったりする機会が多くなることで、顔のみえる風通しの良いご近所付き合いになる気がします。日々、挨拶をする機会も増えますし、いろんな情報も入ります、いざ災害、防災という時にもきっと皆で協力しあえる関係にもなるかと。そういった、当たり前の近所の人との交流というのは、現代の、特に都市部においては薄れているように思います。生まれ育った土地ではない限り、何かの活動に参加したり、なじみのお店がないと、自宅の近所に知り合いはなかなか増えません。自分が住んでいる家の近所に、挨拶をできる人がたくさんいて、知った顔が多いというのは、生活の中で安心感もありますし、ちょっと生活に豊かさがある感じがします。そういう近所の人と人との交流の場としての「街のお祭り」でありたいと思います。

街を構成するお店や、人を知って行くことは、自分の街に愛着を持っていくことに繋がると思っています。今でも、西荻に住んでいる人の多くは西荻のことをとても好いている様に感じますが、自分の街のことを大好きだって思っている人が多い街って、きっといい街になっていくと思うんですよね。祭りをどう育てたいかといえば、やっぱり地域密着です。

まずは3年、ということで始まったこのフェスですが、まだ1回目のフェス開催前なのに、既に2017年の[西荻ラバーズフェス]の準備ははじまっています。来年はもっと大きくしたいとはあまり考えていなくて、たとえ規模が小さくなったとしてももっと質を上げていきたいですね。質というのはこの場において、西荻らしさであったり、街との密なコミュニケーションだったり。今回集まった34人の実行委員は、全員西荻人のボランティアです。当日お手伝いをいただくボランティアスタッフも100名弱となっています。みんな共通して、西荻のことが大好きなんですね。街を好きな人たちが、街のことを、街でやる。東京の23区のなかなのに、村みたいです。やってみて、これってすごくいいなって思いました。

今回の3月のフェスが終わったら、34人の実行委員は一旦解散します。そしてまた2017年度の西荻ラバーズフェス実行委員を作ります。そうして年を重ねて行くうちに、実行委員も、ボランティアも、出店者の方々も、お客様も、街のことに関わる人が増えていって、その結果、今でも素敵すぎるこの街がもっと素敵な街になっていく様な、そんなフェスになっていけば良いなと思います。

西荻ラバーズフェス
開催日時: 3月20日(日)10:00~17:00
会場:杉並区立桃井原っぱ公園
入場料:無料
出演:テニスコーツ、青葉市子、no.9 orchestra、他

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