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街の魅力を知る街なかフェス、街なかマルシェ。結い市は今年8回目の開催
2017.10.05 Thu
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ
茨城県西部にある結城市。この町の伝統産業である結城紬は、2010年にユネスコの無形文化遺産に登録された。鎌倉時代から城下町の基礎が形成され、古い蔵なども残っている。けれどこの歴史ある街でも、後継者不足などで空き店舗が目立つようになっている。
結城市の魅力とは何かのか。地域資源とは何かのか。それをもう一度考え、街に活力を戻し、他からも遊びに来る街をめざし、街を活用するイベントとしてマーケットをメインにした「結い市」がスタートした。2010年のことだ。
「『結い市』の特徴は、なんといっても結城市の北部市街地が会場となっているところです。結城ならではの歴史的な見世蔵・酒蔵・結城紬の問屋などから商店街の空き店舗までさまざまな店舗を出展会場として活用しています。またメーン会場の健田須賀神社の神楽殿はステージとなり、さまざまなミュージシャンが出演します。このように中心市街地全体がイベント会場となる『街なか回遊型イベント』を実施することで、たくさんの人にこの街を歩いて『見て・知って』もらい、この街のさまざまな魅力や可能性を感じてもらいたいと思っています」と『結い市』実行委員会の野口純一さん。
今回で8回目の開催となる。100近組近くのさまざまなジャンルの作家が出展する。回数を重ねるごとに来場者は増え、昨年は2日間で延べ2万人が『結い市』を訪れたという。1日1万人という数字は、同じ週末に開催されている秋フェスを代表する『朝霧JAM』とそれほど変わらない。
「首都圏などから、若い方の参加が増えているように実感しています。アートがあり、ライブがあり、フードがある。フェスのような雰囲気があるのも来場者が増えている理由のひとつだと思っています。街の潜在的な魅力と新しい価値観を体感していただくには、ちょうどいい規模感だと思っています」
結城市では春にはライブがメインの「結いのおと」が開催されている。街の魅力は、実際に街を訪れ、そこを歩き、その地の人に接することによってより増していく。「結い市」も「結いのおと」も、結城市という街を好きになる大きな要因となっている。
結い市
開催日:10月8日(日)9日(月・祝)
会場:健田須賀神社ほか市内各所(茨城県結城市)
ライブ:Nabowa、ビューティフルハミングバード、tricolor、ほか