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3年の空白を経て復活する宮古島ロックフェス。開催は10月14日

2023.09.02 Sat

“離島の子どもたちに本物の音楽を聴かせることで、大きな夢を与えたい。そして、宮古島のすばらしい自然を、音楽を通じてたくさんの人たちに見てもらい、そこからかけがえのない地球の大切さを知ってもらいたい”

 これが、宮古島ロックフェスが立ち上げ当初から掲げてきた目標だった。スローガンは“SAVE THE SEA, SAVE THE SKY 海に優しく、空に優しい、南の島のロックフェス”である。初回の開催は2005年のこと。いまからもう18年も前にさかのぼる。2005年の夏、宮古島に住むひとりの若者の熱い想いに、多くの仲間とアーティストたちが賛同し、このイベントはスタートした。

 とはいえ、離島であるが故の開催のむずかしさがあった。当時、“ひとりの若者とその仲間たち”であった事務局のメンバーは、イベントに関してはほぼまったくの素人の集まりだった。それぞれが島内で別の仕事をこなしつつ、掛け持ちでイベントづくりに奔走していた。

 輸送コストや宿泊施設の不足など、離島が抱える多くの問題が生じるなか、まさに手探りではじまった宮古島ロックフェス。それでも試行錯誤を繰り返しながらも、敢行すること15年。宮古島の魅力と、多くの島民や観客たちの想いに支えられ、いつしか沖縄を代表する夏フェスへと成長する。しかし、2020年。新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミックによって状況は一変。さらにスタートから15年という年月は、宮古島とイベントを取り巻く環境を大きく変化させてしまった。

 当時の子どもたちは大きく成長し、観光客もスタート時と比べ大幅に増加、多くの人たちに宮古島の自然の大切さを伝えられたなど、一定の目標を達成することはできたが、その一方で、島の開発は加速、海岸線にはホテルが立ち並び、自然豊かな宮古島の景観は急速に失われつつある。フェス会場も今後に向け大幅な調整が必要になるなど、あらたな課題も生まれ、これからの方向性についてさまざまな議論がかわされ、それぞれに葛藤があった。こうした状況でのコロナ禍は、事務局メンバーにとってあまりにも大きなできごとで、目標を見失い、「このまま終わってしまう」という危機にも陥った。

 でも….本当にそれでいいのか。コロナ禍に加え、ロシアによるウクライナ進攻、世界各地で頻発する自然災害など、地球環境は未だ不安な状況が続き、何かと生き辛い世の中だからこそ、いま一度、音楽の力を借り、ひとりでも 多くの人たちに笑顔と安らぎを与えたいという想いが強く芽生えた。何度も何度も協議を重ねた上で、今回の開催を決定するに至っている。

 3年間という空白のときを経て、2023年10月に”15th anniversary”として、宮古島ロックフェスが宮古島に帰ってくる。5月開催だったころの“日本一早い夏フェス”ではなく、10月開催となって、今年の“夏を締め括るフェス”として。それは、事務局メンバーがいままで培ってきたものの集大成であり、新たな担い手にバトンを繋いでいくための仕事でもあり、2005年のフェス立ち上げ当時から長きにわたりこのイベントを応援してくれたたくさんの“宮ロック・ファン”への感謝と恩返しの想いが詰まった、とても大切なイベントとなる。

 彼らのこの熱い想いを、見逃すわけにもいくまい。夢のある手づくりのこのフェスが完成するのは、やはり来島するオーディエンスたちの笑顔があってこそ。イベントの開催はもう来月の半ばである。


◻︎15th anniversary MIYAKO ISLAND ROCK FESTIVAL 2023
開催日:2023年10月14日(土)
開催場所:宮古島コースタルリゾートヒララ トゥリバー地区内ヘッドランド特設会場
出演アーティスト:新しい学校のリーダーズ / HY / ELLEGARDEN / かりゆし58 / ザ・クロマニヨンズ / サンボマスター / 湘南乃風 / HEY-SMITH / 緑黄色社会ほか


◻︎往復航空券+キャンプサイト+ホテル前後泊
開催がひと月後ということもあり、いまからチケットを抑えるなら、イベントチケットもセットになったツアーがお得で便利。沖縄ツーリストでは、キャンプサイト泊とホテル泊がセットになったパッケージもある。

今年もメイン会場からいちばん近い寝所、キャンプサイトがオープン。レンタルテントや設営・撤収不要のらくらくテントもあるので、ぜひ利用してほしい。なお、キャンプサイト券には、宮ロックオリジナルのクリーンカンティーン/パイントカップがもれなく付いてくる!

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