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多様性がフジロックの魅力なり。フェスおじさんの26年おすすめアーティスト
2026.07.22 Wed
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ
今年も苗場の熱い夏がやってくる。フジロックには、いろんな楽しみがあるけれど、やっぱり一番の目的は、苗場の自然の中でしか体験できないライブ。今年は180を超えるアーティストがラインナップされている。国も、ジャンルも、バックボーンに抱えている文化も、千差万別のアーティストたち。世界基準で見ても、フジロックは多様性にとんだトップクラスのフェスだと言えるだろう。2026年のフジロックの超おすすめアーティストをピックアップ。
THE BREAKS
July 26 (Sun) 17:10-18:10 FIELD OF HEAVEN
今年のラインナップ発表で、もっとも上がったのがザ・ブレイクスの初来日。ニューマスターズサウンズのエディー・ロバーツ(ギター)、ギャラクティックのスタントン・ムーア(ドラム)に、ロバート・ウォルター(オルガン)が加わったトリオ編成のバンド。ファンクの強者たちが集結して、今年ファーストアルバムがリリースされた。
2000年初頭に起こったジャムのムーブメントで、ファンクバンドとしてそのシーンの中核にいたのが、ギャラクティックであり、ニューマスターサウンズであり、ロバート・ウォルターだった。特にロバートは、ザ・グレイボーイ・オールスターズのメンバーとしてだけではなく、自身の20TH CONGRESSなどで、唯一無二のプレイを聞かせてくれていた。なかなかロバートのプレイを見る機会がなく、「いつか絶対に見たいアーティスト」のひとりだった。そのロバートのオルガンとエディのギターとスタントンのドラムという三角の関係での展開は、ジャムとファンクの高レベルでのハイブリッドになることは間違いない。1時間は、きっとあっという間に過ぎ去っていくはず。
ANTIBALAS
July 24 (Fri) 19:30-20:40 FIELD OF HEAVEN
「砂漠のブルース」と称されるティナリウェンがキャンセルになって、その枠に加えられたのがアンティバラス。マッシヴ・アタックやニーキャップなど、ヨーロッパのリアルなレベルミュージックのアーティストがラインナップされるなか、アメリカからのメッセージも苗場で放出して欲しいと思っていたこともあって、この発表にも気分がかなり上がった。
1998年結成のNYを拠点に活動する、多国籍・多人数編成の現代最高峰アフロビート・ファンク・バンド。初来日は2005年のオーガニックグルーヴ。トランプ政権以前から、グローバリズム、人種差別、ICEなどの権力や特定の政治的腐敗を批判してきた。トランプ政権になってからも、社会の分断や政治体制そのものに反対するスタンスを音楽を通じてさらに明確に表明している。音楽にメッセージを乗せて放出する。フジロックならではのバンドだと言えるだろう。
FRIKO
July 26 (Sun) 18:00-19:00 RED MARQUEE
2024年のフジロックで初来日。残念ながら、フジロックのライブも、その後の秋の来日ツアーも見ていない。今年になってセカンドアルバムをリリース。アメリカでは、「今、世界でもっともライブを見逃してはいけない重要バンド」とさえ言われるようになった。
個人的にフリコに興味を抱いたのは、映画『親愛なる八本脚の友だち』を見たとき。主人公である孤独な日々を送る高齢女性が訪れるギフトショップの店主がデッドヘッズで、そのショップのアルバイトがフリコのTシャツを着ていたし、好きなアーティストとしてフリコをあげていたから。フリコとしてのバックボーンは知らないのだけど、この映画にはカウンターカルチャーのその後の生き方が見えてきたし、その中での小さなエッセンスとして取り上げられるには、それなりの理由があるはず。アメリカの今の世代のヘッズミュージックは? そんな問いかけのひとつの答えがあるように思う。
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