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大反響のフジロック2020。エバーグリーンを映像で追体験するDAY2の5時間。忌野清志郎、エド・シーラン、SIA…。
2020.08.22 Sat
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ
FUJI ROCK FESTIVAL'20 LIVE ON YOUTUBE DAY1の3時間。ライブ映像だけではなく、フジロックで多くの人が楽しんでいる光景も映し出された。あの空間に、あの時間に戻りたいと思った人も多かったに違いない。1999年のHi-STANDARD@グリーン、2000年のTHA BLUE HERB@ホワイトからは、同じようでどこかが違う20年前のフェスの姿が見えてきた。過去の映像ではあるけれど、新たなクリエイションとなっていろんな思いをもたらしてくれた。
LIVE ON YOUTUBEは今日も行なわれる。3日間の中で、もっとも長く、もっとも多くのバンドがラインナップされているのが2日目だ。
2000年にシアターブルックのドラマーとしてフジロックでライブしてから、2019年まで連続して出演しているのが沼澤尚さん。80年代から90年代にかけてLAに在住し、チャカ・カーンやシーラEのバンドにも在籍するなど、世界的なドラマーだ。
「世界からやってくるバンドの今を見る絶好の機会。これだけ世界各国からミュージシャンが集まるフェスって日本のみならず世界でも他にないですから。自分がそこに毎年出演させてもらえているのは光栄なことです。再び見たいのがLCD SoundsystemとOne Day As A Lion。LCD Soundsystemは2010年でも復活した2017年でも、どちらも強く印象に残っています。2010年は『今日で終わりです』とジェフ・マーフィーがステージからメッセージを投げかけて、その後にレッドマーキーでマーフィーがDJをしてパーティーのようになったことを覚えています。復活した2017年はライティングチームなども引き連れて、しっかりとしたプロダクションで見せてくれた。レーベルのメンバーもステージに上がって、復活を祝っていたのが印象的です。
One Day As A Lionは、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのザックよりもドラムのジョン・セオドア。マーズ・ヴォルタの時にも見ていて、この人のドラムって人間技ではないと思った。ビートもパワーもエネルギーも人間を超えている。まさに類人猿。そのプレイを間近で見たくなって、いつもPAの近くで見ているのですけど、レールの近くまで行って。そこで聞いた生音もすごかったです」
高校を卒業し、大学に入学した年の2006年に初めてフジロック・デビューしたのが、フェスティバルライフの津田昌太朗さん。世界のフェスをめぐるフェスジャンキーとして、昨年には『THE WORLD FESTIVAL GUIDE 海外の音楽フェス完全ガイド』を上梓した。
「現場では見逃してしまったものを見たいじゃないですか。フジロックではどうしても見たいものが重なってしまう。去年、SIAは見ていないんです。フジロックに向かっている最中に映像で見ていました。2012年のEd Sheeranも興味深いですね。さらっとフジロックにラインナップされていたという事実がすごいと思うんです。その時に見ていて、数年後にグラストンベリーのヘッドライナーになるなんて思った人っていないでしょうから。日本人では清志郎さんはもちろんですけど、D.A.N.。2015年のルーキーに出て、翌年のアフタームービーに楽曲が使われた。一気にフジロックバンドに成長していった。そのサクセスストーリーの一端を見られるかもしれないですね」
FUJI ROCK LEGENDSとしてコーナーがある忌野清志郎さんの映像に思いを寄せているのは、長谷部敦さんと宇宙大使☆スターさん。
「清志郎さんはフジロックにとって特別。そして自分にとって必須」とスターさん。
「清志郎さんはフジロックの象徴。世代的にはRCサクセションと同時代ではないのですけど、清志郎さんには特別な思い入れがあります。メンフィス録音のソウルっぽさが満ちているアルバムも好きですし、こういう機会でないと清志郎さんのフジロックでの足跡なんて見られない」と長谷部さん。
2004年からフィールドオブヘブンで出店を続けているのがプライマルの植村正秀さん。飲食の出店ということもあり、他のステージに行ってライブを見るということはほとんどできない。
「2日目のGreensky Bluegrassや3日目のThundercatはもう一回見たいですね。実際には見ていないんですけど、レッドツェッペリン好きの自分としては、ジョン・ポールジ・ョーンズが在籍しているThem Crooked Vulturesも見逃せません」
タワーレコードの坂本幸隆さんは違った視点で、2日目の配信を見たいという。
「個人的に2日目は楽しみなアーテイストが多すぎます。その中でもVAUDOU GAMEとKAMASI WASHINGTON。個人的にフジの楽しみはルーツ系のアーティストを見ることなんです。今回の配信はメインステージのライブが多めになるとは思いますが、ぜひ、フジロックの多様性がわかるようなアーティスも見てほしいと思います」
2日目の配信は、まさにフジロックの多様性を感じられる5時間になるだろう。
FUJI ROCK FESTIVAL'20 LIVE ON YOUTUBE DAY2がスタートする前の16時半からは、『The Atomic Cafe LIVE&TALK~Spin-out 幻のFUJI ROCK FES.‘20編~ “気候クライシスとコロナ後の世界”』をリモートライブ配信で開催される。こちらもチェック!
(写真=宇宙大使☆スター)
FUJI ROCK FESTIVAL'20 LIVE ON YOUTUBE DAY2
8月22日(土)18:00〜(約5時間)
8月23日(日) 7:00〜 ※リピート配信
The Atomic Cafe LIVE&TALK 気候クライシスとコロナ後の世界
8月22日(土) 16:30〜19:00
配信チケット:2000円
ライブゲスト:巻上公一/大島花子/細美武士
トークゲスト:斎藤幸平/巻上公一/細美武士