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18年目の始動のために。りんご音楽祭が存続のためのクラファンに挑戦中。

2026.02.17 Tue

菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん ライター、編集者、DJ

 コロナ禍以降、わずか数年でフェスの状況が変わってきたように感じている。人気アーティストを数多く集めた都市型フェスの隆盛に対し、キャンプインフェスなど自然の近くで開催されるフェスの不振。複合的な事情があるにせよ、静岡で開催されていた「頂」や長野での「THE CAMP BOOK」などのキャンプインフェスが継続を断念し、30年も続いた福岡の「SUNSET LIVE」も終わりを迎えた。電源をバイオディーゼルで賄っていた「頂」は、春のキャンプインフェスを代表する存在と言っていいだろう。タイパが三省堂の「今年の新語」で大賞に選ばれたのが2022年だったから、フェスにおいてもタイムパフォーマンスが求められるようになったのもこの時期で、より「近くて短い」ことが、フェスで多くの人を集める大きなポイントとなった。

 長野県松本市のアルプス公園を会場に、2009年にスタートした「りんご音楽祭」。今もりんご音楽祭の代表を務める古川陽介さんが、松本の自然を感じることができて「とにかく楽に過ごせるフェス」を目指して立ち上げた。都市型フェスでの逃げ場のなさ、野外フェスでの自然に対しての苦労(準備も含めて)、そのどちらも解放される場所としての「りんご音楽祭」。この古川さんの思いはダイレクトに多くの人に伝わり、ラインナップの豪華さも含めて、秋フェスを代表する存在になるまでにはそれほど時間がかからなかった。

 りんご音楽祭は、コロナ禍においても毎年開催を続けてきた数少ないフェスでもある。来場者が10分の1まで減ってしまったなかでの継続。コロナ禍は過ぎ去ったけれど、それでも一度落ちてしまった数字は、フェスにおける状況の変化とともに、コロナ前には戻ってきていない。物価高騰による運営費の増加もあって、コロナ禍以降の累積赤字は5000万円を超えているという。

「松本の街でりんご音楽祭を続けたい」。そんな熱い思いのもと、りんご音楽祭存続をかけたクラウドファンディングが実施されている。クラファンのページでは、入場者数などの具体的な数字も明かされている。一度無くなってしまったら、復活させるのはさらに大きなエネルギーが必要になるのは間違いない。楽しい場所をみんなで守る。みんなで継続させる。継続することは、その地域にとっても大きな力になる。そしてその継続を支えるのは、フェスを愛するひとりひとりに他ならない。


 
【りんご音楽祭の存続をかけたクラウドファンディング】
目標:360万円 / 期間:2月28日まで

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