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おなじみの伝統食は、山の肴にもピッタリ。東北産、打ち豆の実力

(2014.10.11)

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生の大豆をただ単に押しつぶして乾燥させた粋な食材、打ち豆。緑の彩りも鮮やかに、山の器にキレイに盛ってみると…店思わず食べたくなっちゃいますよね。今回は、煎る、煮る、揚げるの三手法で山の肴をつくってみました

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使った食材は、福島の物産店で購入した「押豆太郎」。青肌大豆を自然乾燥させた、ズバリ、大豆です。煎って(右上)も、茹で(左下)ても、揚げ(右下)てもうまい。なかなか奥が深い食材ですよ、打ち豆。ごはんといっしょに炊いて、打ち豆ごはんなんてのも、オイシそう

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こちらが、まだ調理の手を加えていない打ち豆。いかにも潰された感が強いですが、この「潰す」という一手間によって、乾燥しやすく、調理もしやすい絶品の保存食が生まれるのです

 元をただせばただせば、ただの豆。でも、大豆の実力が「ただの豆」でないことは、みなさんもご存知の通り。

 味噌にも醤油にも、豆腐にも納豆にもきな粉にもなっちゃう大豆は、タンパク質に脂肪、鉄分、カルシウムも豊富で、栄養バランスのいい食材。とはいえ、大豆はヘルシー食材の代表選手でもあります。とくに効率のよいエネルギー摂取が必要な山の行動食としては、諸手を上げてイチオしできるような食べ物ではありませんが……。

 でも、この押豆太郎は魅力的。コイツの正体がなにかといえば、いわゆる「打ち豆」です。収穫した大豆を生のうちに木槌などで叩いて潰し、平たいカタチにしたものを、乾燥させて保存食とします。日本古来の伝統食のひとつで、東北や北陸の豪雪地帯でその昔から親しまれてきたものです。

 地域によって「打豆」「打ち豆」「押豆」などと、呼び名に違いもありますが、どれもこれも元をただせば、大豆です。なぜ、大豆をわざわざ潰してしまうのかと不思議に思うかもしれませんが、球状のままで保存するよりも、乾燥がしやすく、調理もしやすい(時間がかからない)という利点が生まれるんですね。

 そんな打豆ですが、通常は味噌汁の具になったり、煮物になったり、酢の物になったりと、庶民の台所の心強い味方となります。そうなんです、この乾燥大豆、調理の仕方ひとつで七変化の活躍を見せてくれます。

 その七変化振りをみて、そうだ、これ山で使えるかも、と思いまして。だって、調理の手間なく、味もよし。これなら、行動食としてはおススメできずとも、山食としてはアリですよね。

 今回使ったのは、福島の物産店で手に入れた「押豆太郎」。青大豆がみごとにブチュッと押しつぶされ、カラッカッラに乾燥した状態で売られています。しかも乾燥は、お天道様に照らさされた天然方式。味も栄養素もギュギュッと詰まっています。

 で、この太郎さんをどうやって食べるのかといえば「煎る」「茹でる」「揚げる」の三方式で試してみました。どれもこれも、その目的地は、夜の宴の肴です。

 まず「煎る」ですが、こちらは、カリッとした舌触りでスナックを食べているような具材です。でも、ひと粒ひと粒が濃厚な味を持っているので、塩もコショウも要りません。うまい。

 続いては「茹でる」ですが、こちらはズバリ、枝豆ですね。山形のだだちゃまめとまでは行きませんが、深みのあるこの風味は、一度干しているからこそ味わえるもの。これ、もし都内の居酒屋でメニューになっていたら、大人気商品にもなりそうです。

 そして「揚げる」です。こちらは、ちょっと贅沢にたっぷりのエキストラバージンオイルでジュワジュワと揚げてみました。うん、オリーブの香りが口腔にほのかに広がっていきます。噛み心地は、カリッ、ジュワー、ホクッといった独特のもの。ポイントは、豆の中心までしっかりと火を通すことです。でも、火加減にはご注意を。薄皮が焦げ付きやすいので、バーナーの口は細く開けておく程度がいいと思います。

 アタマのなかは、もうすっかり晩酌モードになっちゃていますが、打ち豆での居酒屋メニューづくりは、テント泊の夜には楽しいコンテンツになること間違いなしですよ。見た目にも鮮やかですし、食欲もそそります。

 もちろん通常の使い方で、味噌汁の具にしてみたり、カレーに投入してもオイシいと思います。

 ただひとつだけ、ご注意を。火を通さずにそのまま食べると、青味が強すぎて苦みがしばらく残っちゃいますので。そういう意味でも、やはり行動食向きではありません。

 でも、山の食材としてはアリ。オススメです。

 

 
 
ライター
Akimama編集部
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