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アウトドアガイド・寺田匡志「あらゆる道具は内面の力を実現する手段としてある」

(2015.05.27)

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アウトドアガイド・寺田匡志「あらゆる道具は内面の力を実現する手段としてある」
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春には上高地から残雪の涸沢カールを目指すツアーに。まずは林道をハイクすることからスタート。

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極上のザラメ雪を狙いながらも、細かくルートや日程を調整していく。「安全を確保した上で、日程や天気に合わせて、クライアントの最大幸福を追求するのがガイドの役目です」

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奥伊勢の、カヤックでしか到達できない場所を巡る。パシフィックリムスポーツのツアーの中でも特別に楽しいプランには、Akimamaでもおなじみのアウトドアコーディネイター・小雀陣二がアシスタントガイドとして参加。ツアー中の食事すべてを仕切ってくれるという点も嬉しい。

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雲ノ平縦走ではこんなに開放的な景色の中を歩く。5日間に渡って風景と歩くことを堪能する。そのためには、フィットのいいバックパックが欠かせない。

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愛用のデナリ。75ℓには見えないまとまり感のあるボディが、重い荷物をしっかりまとめてくれる。「ガイドがいろんなことに対応しようとするから、どうしても削れない道具がでてきます。それをきれいにまとめて、快適に運ぶことができるんです。ものすごく地味な性能なんですが、本質に迫る大事な性能だと思います」

アウトドアガイド寺田匡志さんのガイディングは、
サービス精神に溢れている。
その考え方を養ったバックグラウンドと
ガイドとしてのマインドをうかがった。

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ラガーマン、アウトドアに目覚める

「大学までラグビーをやっていたこともあって、卒業旅行ではラグビーの聖地とも言えるニュージーランドに行ったんです。当時単純にスポーツは身体を強く大きくして皆で勝利に向かうものだと思ってました。だけど、そこで出会ったのはカヤックやトレッキングなど自由な形で自然を楽しむ人たちでした。
向こうでたまたまトレッキングをする機会があったんですが、その時のガイドが失礼ながら見た目普通のおばさんだったんですね(笑)。いざ歩き始めるとピークを目指すのではなくシダの森の中を散策して、休憩時には手作りのパウンドケーキと紅茶を出してくれる。アウトドアで過ごす時間はこんなにも豊かで楽しいものなんだ、というのが驚きであり、衝撃でした。
そこからはアウトドアの楽しさにはまってしまって、就職してからの休みはすべて山か海にという生活でした。会社には5年勤めたんですが、オフィスの中で仕事なんかしてる場合じゃないって思ってしまって。我慢できなくなってアラスカからバンクーバーまで、気に入ったところでアウトドアスポーツを満喫するというマウンテンバイク放浪の旅に出ました」

 

自然には切れ目がない

「その旅の途中、アラスカのジュノーでのことです。ダグラスアイランドという島の周辺を2週間かけてシーカヤックで回ろうっていうことになりました。情報を求めていろいろ調べている時に知り合ったガイドさんがいたんです。その人は海を目の前にした家に住んでいて、山岳ガイドもしているんです。海の状態だけでなく、いろんなことを幅広く教えてくれました。ずいぶん物知りな人だと思ってたら、本業は弁護士だったんです。だけど自然が好きだからアラスカに移住してガイドもライフワークとしてやっている人でした。教養があって、優しく穏やかで思慮深い。それでいてスキルを積んでいて、海も山も境目なく楽しんでいる。自分はそれまで、ガイドというと専門性を突きつめて山なら山、海なら海、とストイックにフィールドを区切るものだと思っていました。だけど考えたら、海も山も自然は繋がっているんですよね。
ニュージーランドの森の中で紅茶を出してもらったことが種になって、アラスカからバンクーバーまでの旅で芽が出たのかもしれないです。切れ目なく続く大きな自然の中で、誰かにゆったりとした喜びを提供することができたら幸せだろうなと思って。旅が終わったらこういう仕事を目指してみたいって思うようになりました」

 

ガイドの本質と道具の役目

「仕事の本質は何でも同じだと思います。基本的には誰かのしあわせのためにある。誰かに喜んでもらうことで自分という存在が認識できて、充足感を得られる。自分が良いと思っていることをフィールドで同じように喜んでもらえたら、それはすごく嬉しいことです。
そのためには安全が第一です。その安全を担保するのは人間力だと思っています。相手の立場になって考えれば安全は当然ながら最優先されます。自分がどれだけ臨機応変に対応できるか。クライアントが何を望んでいるのかを感じ取って、人間力という優しさや思いやりを持って対応できるか。それは自分自身にとっての課題そのものです。
ガイドは厳しい環境の中でも強い人間性や、相手の立場に立って考える余力が求められます。あらゆる道具は、その内面の力を実現する手段としてある。決して道具ありきではない。人間力に例えられるようなマインドを持って使って初めて、道具は生きてくると思っています」

 

デナリという道具

「雲ノ平(黒部川源流部)や後立山連峰などを5日間かけてテント泊で縦走するツアーを組んでいますが、その時にはデナリを愛用しています。
いくらテントや寝袋が軽量化していきてると言っても、5日分の装備をすべて背負うとなればそれなりの重量です。やはりデナリくらいガッチリしたウエストベルトやショルダーベルトの造りのものが必要になると思っています。
デナリの特筆すべき点はフィッティングの良さです。これはダイレクトに身体への負担を減らしてくれる部分です。体力や精神力の余裕に繋がって、全体の安全性を高めることにもなってきます。75ℓのバックパックとなると大きいし重いし、トラックのようなイメージかもしれません。けれど重心がスッと腰に乗ってくれることで、フットワークは思っている以上に軽いんですよ。荷物が運べて、長い距離を歩くことも楽しめる。
またスキーマウンテニアリングやテクニカルな登山への応用もできるなど汎用性の高さも見逃せません。僕にとってのデナリは、ラフに使ってもへこたれず、スポーツとしてのパフォーマンスも楽しめる。例えて言えば、カリフォルニアあたりで重宝されている軽快なピックアップトラックのような存在かもしれないですね」

 

Plofile
寺田匡志(てらだただし)/夏も冬も、海も山も。神奈川県・三浦半島をベースに、自然の中で安全に豊かな喜びを提供することを信条にガイド業を展開。日本山岳ガイド協会認定山岳ガイドステージⅠ、日本雪崩ネットワーク 雪崩業務従事者Level 2 他

PACIFICRIM SPORTS mountain & ocean guiding

 

 



¥43,000+税

容量:75ℓ
重量:2.78Kg
トルソ:46〜51㎝
(上記スペックはMサイズ)

 
 
ライター
Akimama編集部
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