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登山ガイド&『冒険小屋』代表・高月弘子 「ガイド中は常に6割。その代わり、休みの日は全開です」

(2015.07.22)

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ロシアのエルブルースに出かけたときのスナップ。高度順応のためのハイキングの最中で、足もとはアイゼン。この時のパックはJ53だが、雪山ではアルピニストやInyoなどの古いモデルを使うこともある。

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『冒険小屋』の前で。この日は朝から掃除、畑仕事をこなしてからパックラフトのガイドに。「好きなんですよね、いろいろやるのが。小屋の女将も山のガイドも川のガイドも、全部大好きで大切な仕事です」

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休みの日はもっぱらクライミング。一ノ倉や子持山獅子岩、小川山などさまざまな場所に出かける。「あちこち行きますけど、いちばん好きな山は間違いなく谷川岳。水上にいるのも、それが大きいと思います」クライミングの時はアルピニストをチョイス。

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北岳山頂。テント泊だったが、テントを残したまま山頂を目指したために装備は身軽。「この時はDIVA 60を使いました。テント泊に必要な荷物をきちんと背負える。フィット感がいいことでパックが安定しているから、長い時間歩いても疲れにくい。ほんとうにありがたいパックです」

女性でも70リットルのパックを背負えるのは
ひとえにフィッティングの妙なのだとか。
山のガイドをしながら宿屋の女将。
そんな生活の中にガイドとしての質を上げることを求める。
全力疾走とは、彼女のためにある言葉だ。

 

 

きっかけはラフティング

「今は水上にある『冒険小屋』というガイドカンパニーの代表です。手がけてるアクティビティーは大きく分けて登山、バックカントリースキー、キャニオニングなどです。
 私自身、今のガイドは山が主ですが、元々ガイド資格を取ったのは川でした。きっかけは京都の大学在籍中に属していた探検部です。そこでラフティングに出会ってからは保津川で川三昧。その後、和歌山の北山川でコマーシャルラフトのガイドトレーニングを積んで、資格を取得しました」

 

旦那さんとの出会いから雪山へ

「もう20年も前の話ですけど。和歌山でリバーガイドのトレーニングをしようと思っていた頃、旦那さんと出会ったんですけどね。彼の影響でスノーボードを始めたんです。旦那さんは実家が北海道だったんで、二人でニセコに行ったときに引きずり込まれるようにして、初めてバックカントリーツアーを体験しました。それから、とりこです。
 そのうちもっと大きな山に行きたい、もっと広い範囲を歩きたいって思い始めて、二人ともテレマークスキー(かかとが上がることで歩行にも適したスキー)に移行しました。
 旦那さんは元々川も雪山もやっていたので、二人で『冒険小屋』を起ちあげたとき、バックカントリーとキャニオニングのふたつをやったのは自然な流れだったと思います」

 

宿屋の女将という仕事

「群馬県のみなかみでガイドカンパニー『冒険小屋』を起ちあげたのは2004年の秋です。
そのうち冬のツアーは朝が早いから電車組の人たちが前泊できたらいいねとか、リピーターさんも増えてきてくれて、講習会をやったりするような自由にできる場所があったらいいねっていう話になって。2011年からは今の場所に移転して、素泊まりの宿も始めて、宿屋の女将も兼任するようになったんです(笑)
 ガイドカンパニーと宿屋、両方をやっているので仕事は尽きません。冬はスタッフは朝6時集合。それまでに宿のストーブをつけて、定点の気象観測をして、雪が降ったら除雪機を動かしてと準備は山盛りです。夏は8時集合ですが、それまでに畑も面倒見るし、お客さんのお世話もあるし。宿のことをやったらガイドに出ますが、多ければ週7日続きます。終われば宿のことをやって、日報を書いて、翌日の天気やツアーのプランを検証して、道具の手入れと準備をして。その頃にはもう、目が白目になるくらい眠い毎日です(笑) 確かにやることは多いですね。でも好きなことばっかりなので苦にはならないかな。それに仕事ばっかりじゃなく友達の家でご飯食べたり、女子会と称して飲んだりもしてますから。言うほど忙しくはありませんよ(笑)」

 

休みの日こそ、全開のチャンス

「宿をやっている限り、お客さんが入っていれば休みはありませんし、小屋の維持管理、大工仕事、ペンキ塗り、屋根の雪下ろし、庭の木に登ってチェーンソー振り回すこともあるし、経理や外部との会議もあるし。本当に毎日やることはいっぱいです。休みっていう休みはありませんが、最近はスタッフに甘えて休むようにしてます。もっとも、休みと言ってもその日はクライミング行ったりする日なんですけどね。
 ガイドの時は常に6割の力で望むようにしています。そうでないとお客さんの安全に気を配ったりすることはできませんし。だから休みの時こそフルパワーを試すチャンス。自分にとってのチャレンジみたいな感じなんですよね。それもあって、休みの日は必ずどこかにでかけて何かやります。自分自身の冒険も大事にしたいし、スキルを上げることにも繋がりますから。
 それでも年に1日くらい、起きなくてもいい日が欲しいときはあります。なんだか20時間くらいぶっ続けで寝ちゃうときがあるんですよね(笑)。一度、あまりに静かに寝てるんでちゃんと息してるかどうか、スタッフが確かめに来たことがあったみたいです。私は知らずに寝続けてましたけどね」

 

なぜ? 好きだから(笑)

「GREGORYに出会ったのは『冒険小屋』を起ちあげる前ですから、もう愛用歴は15年以上。背負ってみたらフィッティングがものすごく良かったんです。なにしろパック界のロールスロイスですし(笑)、学生の頃から憧れでしたから。
 どんなに重い荷物でもしっかり運べる。背負うんじゃなくて着る。広告で書いてあったとおりのフィーリングに驚いたんですよね。以来、仕事でも遊びでも手放せない道具のひとつです。
 よくバックパックの話をするときにポケットがとか、ここの使い勝手が、っていう話になりますけど、そういうことじゃないんです。ひとえにフィッティング。もう、この背負い心地を愛しちゃってますから。なぜGREGORY?と聞かれたら、好きだから、身体に合うから、としか言いようがありません(笑)」

 

行動で細かく使い分ける

「これまでにGREGORYのバックパックならたぶん15個くらい使ってると思います。理由は行動で細かく使い分けてるからですね。いまでもコンスタントに4~5個のパックを使い分けています。
 たとえば夏ならやっぱりJシリーズですよね。背中が涼しいタイプで、容量としてはJ53が一番多いですね。ルートによってはもう少し小さなJADE 40になることもあります。
 で、縦走やテント泊になるとDEVA 60。やっぱり荷物もそれなりの重さになるんで、ハーネスがしっかりしててくれる大型のものになります。これが冬のテント泊になるとDEVA 70ですね。
 私、身長が156センチなんで、身体に合うのはDEVA 60が限界ないんじゃないかと思ってたんですよ。でも去年DEVA 70を試してみたら、意外に70もフィットすることが分かって。70なんてサイズを背負う機会はそうそうないですけど、冬の装備は重さよりもカサが増えるんです。だから10ℓの余裕ができたっていうのはすごく嬉しいですよね。
 あと、休日のクライミングではアルピニスト。これは腕の動かしやすさが抜群なんですよ。アルピニストだけはユニセックスですけど、あとは全部女性モデルです。こういう、女性の体型を考えてくれてるのも好きなところです。
 ガイド仲間で山に行くとすっごいチビ扱いされて。ヒロはオレ達の1.5倍の歩数歩いてるって言われるんですけどね。荷物は同じだけ持てるよって言いたいじゃないですか。そういう時にムリしないで、ガイドとしての余裕を持ったままパックを背負っていられる。そこがものすごく、私の心をくすぐってくれるんですよね」

 

【プロフィール】
高月弘子(たかつきひろこ)
登山ガイド・トレッキングガイド。2004年、夫の高月泰治氏と共に夫婦でアドベンチャー・ガイド・カンパニー『冒険小屋』を設立。川から夏山、雪山まで幅広くガイドしながら、ゲストハウスも運営する。2012年、泰治氏が谷川岳の雪崩事故で急逝。以降は『冒険小屋』を引き継ぎ、ガイドとガイドカンバニー代表、さらに宿の女将を兼ねる。
JMGA登山ガイドステージⅡ、尾瀬自然ガイド、尾瀬登山ガイド、JAN Level1、SlipStream AdvancedWildenessFirstAid、WMA WildernessFirstResponder、総合旅程管理、博物館学芸員

冒険小屋
http://www.boukengoya.com



GREGORY/ディバ60
¥38,880(税込)
■トルソーサイズ:XS、S、M
■容量:XS=56㍑、S=60㍑、M=64㍑
■重さ:XS=2,120g、S=2,140g、M=2,240g
■カラー:エジプシャンブルー(写真)、ルビークレッド、チャコールグレー

 
 
ライター
Akimama編集部
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