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「DILL eat,life.」山戸浩介・ユカ 「荷物は多くても、その地で暮らすように旅したい」

(2015.07.28)

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JMTでは標高約3,000m以下までは基本的にどこで焚き火をしてもよい。旅の前半は重くてもおいしい白米を使ったメニューもあったのだそう

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元アウトドア用品の輸入代理店に勤めていた山戸浩介さんと、料理研究家として現在も活動するユカさん。2年前、八ヶ岳の麓に新築した自宅のキッチンを解放するというユニークなスタイルでレストラン「DILL eat,life.」をオープン。休日は登山やMTB、冬はバックカントリースキーなどアウトドアライフをふたり揃って楽しんでいる

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JMTを訪れたのは9〜10月。標高4,000mを超える場所も通るため、食料以外にも防寒などの装備も削れなかったという

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写真左上が21日間の全食糧。中央から左が行動食で、右が朝晩の食材だ。いずれもベアキャニスターに詰めてバックパックにパッキングする。普段からあまり肉は摂らず、野菜中心の食を心がけているため、生野菜だけではなく、業務用フリーズドライの野菜も活用した

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「DILL eat,life.」があるのは、南アルプスが一望できるロケーション。地元農家さんや浩介さんの故郷の愛媛県から届く野菜を中心としたメニューが好評だ。雑貨からグリーンまで店内はふたりが好きなものであふれている

八ヶ岳の山麓でレストラン「DILL eat,life.」を
経営する山戸浩介・ユカ夫妻。
21日間をかけて踏破した米国の
ロングトレイル“ジョン・ミューア・トレイル”で
食にこだわった旅をしたというふたり。
大型バックパックとともにゆく歩く旅とはなにか?

 
 
夫婦で訪れたジョン・ミューア・トレイル
「米国カリフォルニア州にあるヨセミテ国立公園から、マウントホイットニーまでの約340kmを歩くロングトレイル『ジョン・ミューア・トレイル』(以下JMT)。そのトレイルを第2の故郷と呼んでいたバックパッカー加藤則芳さんの影響を受けて、僕らにとってずっとJMTは憧れでした。きっと本当にステキなところなんだろう…って。そんな感じでずっと気持ちを温めていたんですが、3年前、僕が勤めていた会社を辞めて、ユカと八ヶ岳の麓にお店(レストラン「DILL eat,life.」)を出すことになって、その前に歩きに行くことにしたんです」(浩介さん)

長距離を歩いて
「JMTは3週間をかけた旅でした。溪谷を抜けて、草原を歩き、川を渡って、峠を越えて……。毎日めまぐるしく景色が変わました。山のピークをつなぐ日本の縦走も好きですが、JMTはそれよりも遥かに長い距離を、毎日キャンプしながら、しかもどこにテント張ってもいいというすばらしい環境で旅をすることができるんです。単なる山歩きではない、最高の3週間でしたね」(ユカさん)

なるべく普段と変わらない食事を
「3週間歩く旅をするにあたって、僕らのひとつのテーマは『なるべくいつもと変わらない食事をすること』でした。全21日の行動食は僕が担当し、ユカは朝晩の食事を担当。行動食は後半ちょっと不足気味だったんですが(笑)、ユカは料理研究家として1年中料理のことを考えているパートナーだから、食事でもインスタントやドライフードばかり食べているほかのハイカーと比べ、僕らの食事は本当に豊かでした。1度として同じメニューがなかったくらい、彼女の献立計画はパーフェクトだったですね」(浩介さん)

豊かな食が楽しめるかの挑戦
「料理の多くはストーブではなく、落ちている薪を拾って焚き火で作れることもよかったです。小麦粉からパンケーキを焼いたり、粉末の卵を使ってオムライスを作ったり、レンズ豆をベースにしたハンバーグをタネから作ったり……。日持ちする野菜や、乾燥食材、調味料などもほかの人たちと比べて充実していたと思います。補給がほぼできない3週間という長期間の山旅は初めてだったので、アイデアを用いて豊かな食が楽しめるかの挑戦でもありました。軽量装備でロングトレイルに行く人が増えているなか、私たちは逆行するようにひとり25kgを超えるようなウルトラヘビーな荷物(笑)。でもこれが私たちのスタイルなんだと思える旅でしたね」(ユカさん)

大型バックパックの存在
「私たちって、速く軽くというスタイルには興味がないんです。山以外でも、ひとつの街に長く滞在して、そこで暮らすように旅したいと思っています。山旅でも必要最低限の装備で駆け抜けるのではなく、その地の空気感を長く楽しみたい。そうなると荷物は必然的に多くなる。もちろん今から思えば不要なものあったし、JMTにもう一度行くなら荷物は減ると思いますが、かといって半分になるわけではない。大型バックパックにまたたくさんの荷物を詰めて歩くんだと思います」(ユカさん)

「JMTを歩くにあたって、僕はバルトロの75リットル、ユカはディバの70リットルを使いました。旅を振り返って思うのはグレゴリーじゃなければこの重量を背負って踏破できなかったのでは……ということ。25kgを超える荷物の重さをうまく分散させて腰と肩でバランスよく支えることができたことで、朝から夕方まで続く歩行もラクだった。それに、身体をひねるという動作もスムーズなので、歩行のときの身体の動きにバックパックが自然と付いてくる感覚。もし背負い心地に違和感があったら、それがたとえ小さなことでも3週間続くんだから、フィッティングの善し悪しは本当に大きい。加藤さんも愛用されていたグレゴリーの大型モデル・パリセードと最後まで迷ったんですが、僕にはバルトロが合っていたんだと思います」(浩介さん)

ふたたびアメリカへ
「3年ぶりに、来年はまた北米のロングトレイルへ行きたいとふたりで話しています。行き先はコロラド・トレイル。全長800kmもあるので踏破は厳しいとしても、セクションで200kmくらい歩けたらいいなと。そのときも僕らは食を充実させて、大型バックパックで臨むんだと思います。大型バックパックは物理的にものを運ぶギアであると同時に、重さを背負ったときのあの気持ちが引き締まる感覚がいいんですよね。これから旅が始まるという高揚感、衣食住のリアルな重さと自分との一体感……。トレイルに対して姿勢が正しくなるような気もします。それは中型モデルにはない大型ならではの感覚。旅の気分が盛り上がる、大切なギアだと思っています」(浩介さん)

DILL eat,life.

TEL.0551-45-7512
〒408-0032山梨県北杜市長坂町大井ヶ森984-6
営業時間:ランチ11:00AM-3:00PM (Order Stop at 2:30PM)
     ディナー5:30PM-9:00(Order Stop at 8:00PM)
定休日:火、水曜日
アクセス:中央自動車道長坂ICより約15分/小淵沢ICより約10分
駐車場:10台あり

<ふたりが背負ったモデルが今年フルモデルチェンジ>



GREGORY/バルトロ75
¥38,000+税
■トルソーサイズ:S、M、L
■容量:S=71㍑、M=75㍑、L=79㍑
■重さ:S=2.32kg、M=2.42kg、L=2.52kg
■カラー:ニューブルー(写真)、シャドーブラック、スパークレッド

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GREGORY/ディバ70
¥38,000+税
■トルソーサイズ:XS、S、M
■容量:XS=66㍑、S=70㍑、M=74㍑
■重さ:XS=2.22kg、S=2.32kg、M=2.42kg
■カラー:エジプシャンブルー(写真)、ルビークレッド、チャコールグレー

 
 
ライター
Akimama編集部
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