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一度は渡ってみたかった!! 開通一年、伊良部で噂のあの橋を渡ってみた。

2016.02.27 Sat

宮川 哲

宮川 哲 アウトドアライター、編集者

 沖縄県宮古島地方にある「噂のあの橋」といえば、昨年1月31日に全線開通となった伊良部大橋のこと。取り付け部まで含めると橋の全長は6.5km、海のど真ん中を渡る本橋部分だけでも3.54kmもあり、しかも通行料はナシ。県道252号の一部に指定されたいわゆる一般道路であり、車はもちろん、自転車もOK、徒歩でだって渡ることができる。

 橋梁の幅は8.5mで、片側一車線の道路の両サイドには幅1.25mの路肩が設けられている。島と島をつなぐ海峡の大橋なので、当然ながら橋の下には航路が設けられ、貨物船用の長山水路と漁船を対象とした久松水路がある。長山水路のほうの橋の高さは海面から27mもあり、橋のてっぺんからは今までにない目線で宮古の海を眺めることができる。車窓から眺めているだけなのに、なぜだか海上すれすれの空を飛んでいるような気分にもなり、これがまた、ハイテンションにならずにはいられない。摩訶不思議な海上散歩が楽しめるだけに、新名所として注目されているのも理解できる。


伊良部大橋のいちばん高いポイントは海上から27m。写真は伊良部島から宮古島へと向かっているところ。自転車で走ったら、さぞかし気持ちのいいことでしょう!!

 ところで、架橋の要請活動が始められたのは1974年だというから、もう42年も前のこと。半世紀とは言わないが、それに近い年月を経ての架橋実現だけに、橋に対しての地元での期待は高い。当然ながら、島民にとってはそれこそ生活の根本から変わっていく話で、流通も観光も人の流れもなにもかもが架橋前とはちがったものになっていく。この架橋によって、宮古島の平良港と伊良部島の佐良浜港を結んでいたフェリー航路は廃止されている。

 いままでの伊良部の玄関口だった佐良浜の港にも立ち寄ってみたが、やはり、ひっそりと静まり返っている。真冬の2月だっただけに観光客が少ないのは織り込み済みとはいえ、島内の他の観光ポイントにはそれなりに人は多く、なんと大型の観光バスまでも行き交っている。これは、フェリーしかなかった時代には考えられなかったことだ。また、橋に近い島の南東エリアには、新しい南国の雰囲気満載の宿泊施設が何棟も完成していた。

 交通の便がよくなっただけに、島自体が新たな観光資源となるのは当たり前で、島自体が今後どんどん変わっていくだろうことは容易に想像がつく。ゆったりと流れていた島の時間が、徐々に早くなっていくのだろうなぁ、と思うと複雑な気持ちにもなる。ただ、これは島外の人間が思うことであり、まったく別の話なり。


伊良部島の牧山展望台からは、伊良部大橋の全貌が手に取るようにわかる。こちらの展望台は島のもっとも高い場所にあり、宮古本島はもちろん、来間島や池間島などが見渡せる絶好の場所

 さて、伊良部大橋自体も魅力的なれど、伊良部の自然の濃さ、美しさには目をみはるばかり。伊良部島と抱き合うようにしてある下地島には、民間パイロットの訓練空港として有名な下地島空港もある。また、伊良部島の北西エリアにある佐和田の浜には、キャンプ指定地も。ここは江戸時代の明和の大津波によって運ばれてきた奇岩が海中にポコポコと浮かび、独特の海の景色が楽しめる場所。しかも夕日の名所なので、テントを張って過ごすにはもってこいなのである。

 また、泳ぐにはまだ季節が早いけれど、伊良部周辺の海には、日本随一のサンゴ礁が広がっており、ダイビングもシュノーケリングも存分に楽しめるポイントがたくさんある。この夏、海派の遊びに没頭したいのなら、伊良部島でまちがいはない。伊良部大橋を自転車で渡り、海辺にテントを張って、素潜りで魚を突いて……もう考えるだけでも楽しすぎます。あぁ、夏が待ち遠しィ。春を飛び越えて、太陽のもとで遊びたい!!

 ということで、伊良部島のお勧めスポット、編集部の独断で勝手にベスト4。

No.4 ふなうさぎバナタ

絶海の伊良部島を肌身に感じられる場所。ふなうさぎバナタとは、宮古の言葉で「船を見送る岬」という意味。その昔、島の人たちはこの断崖から海を見て、島を旅立つ人たちを見送ってきたのだそうです。それにしても、なんだ、この鳥は!? と、思う人もいるかと。こちら、伊良部島の町鳥にもなっている「サシバ」です。この迫力たるや……眼下に広がる海も絶景なれど、巨大でリアルなサシバくんにもぜひ会いに行って欲しい!!

No.3 通り池の向こう側にある大穴

下地島の観光名所のひとつにもなっている通り池(右)。海岸のカルスト地形にぽっかりと空いた大小ふたつの円形の穴が通り池。こちら、国の天然記念物にも指定されている由緒正しいポイントで、海側の池は海中で外海にもつながっていて、絶好のダイビングスポット。が、もっとお勧めしたいのは、この通り池のさらに奥。石灰岩の荒々しい岩場をたどった先にももうひとつホールがあり、ここの迫力は通り池以上。ちょっとゾクッとするくらいの洞窟感がステキです

No.2 佐和田の浜のキャンプ場

コバルトブルーの青い海を目の前にした浜辺に、ちゃんとしたキャンプ指定地があるのだから、たまらない。トイレもシャワーもBBQ用の炉も設置されており、のんびり過ごすには最高のロケーション。海は遠浅で素潜りには向かないけれど、奇岩がポコポコと波間に浮かび、風光明媚な地であることはまちがいない。夕日の美しさもご覧の通り。宮古の人たち曰く「あそこ、バスクリン流してるさぁ〜」なんて、言われるほどの青い海は、一見の価値あり

No.1 やっぱり、伊良部は海がイチバン!!

伊良部の海は、パラダイス。上から見ても、中に入ってみても、これだけの美にはなかなか出会えない。イヨッ、ニッポンの宝。ちなみに、シュノーケリング&素潜りのスポットは島の周りにグルリとあって、風向きによって波の静かな場所を選べるのも魅力的。お勧めは、白鳥崎手前の北側の海岸と、下地島の中の島

宮川 哲

宮川 哲 アウトドアライター、編集者

山岳•アウトドア関連の出版社勤務を経て、フリーランスの編集者に。著書に『テントで山に登ってみよう』『ヤマケイ入門&ガイド テント山行』(ともに山と溪谷社)がある。

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