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親子登山にピッタリの山、もひとつみっけ! 浅間隠山、狙い目ですよ。

(2013.08.18)

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樹林の木陰を気持ちよく! 酷暑の今年でも、森のなかには心地よい風がそよいでいました。浅間隠山へと続く登山道にて

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こちらが、二度上峠下にある浅間隠山の登山口です。標識には。山頂まで約90分、2.1kmとあります。たしかに1時間半で山頂に到達しましたよ〜

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目の前には浅間山がドドーンのはずが、あいにくのどんより雲に……。大展望とはなりませんでしたが、子どもたちの背中はどこかしら誇らしげ。自分の足で登ったんだもんね。エライ!

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登山道で出会った山の花々。左上から時計回りに、アカバナシモツケソウ、ヤマジノホトトギス、フシグロセンノウ、マツムシソウ

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われこそは強者ナリという方は、迷わず急登ラインを選びましょう。緩やかラインでゆっくりと楽しむのもアリですね。時間短縮を図るなら、下りに強者ラインを選ぶといいでしょう

 浅間隠山。これは「あさまかくしやま」と読みます。

 なんとも、不可思議な響きのある山ですが、名前の由来は、ご想像のとおり、浅間山を隠してしまうから。群馬の中之条あたりから浅間山方面を眺めると、たしかに目の前にはこの山がドシリと鎮座しておりまして。

 ということは、この山の山頂からは、浅間山がドドーンと見えるはずですよね。今回は、浅間山の大パノラマを想像しつつ、浅間隠山へと子連れ登山に挑戦してきました。
 
 登山の起点となるのは、北軽井沢から車で高崎方面へと下っていく県道54号線上にある二度上峠です。正確には、二度上峠から高崎側へと少し下った先にある駐車場に車を止めて、登山口まで3、4分ほど歩きます。

 それにしても、この二度上峠という名もおもしろいですよね。地元の人の話によれば、二度上とは、大正期から戦後にかけてこのあたりを走っていた草軽電気鉄道の駅があったところで、この付近でいわゆるスイッチバックが行なわれていた場所だったそう。

 そんな経緯もあって、二度上峠と呼ばれるようになったとのこと。たしかに、名前のとおり、ヘアピンカーブの続くかなり激しい山道でした。閑話休題。

 さて、話を浅間隠山へと戻したいと思います。この山、標高は1756,7mと、低山としてはそこそこの高さを誇ります。日本二百名山にも選ばれているほどの山で、しかも花を楽しめる山としても知られており、シブいながらもなかなかに人気のある山なのです。

 登山口の標高が1330mほどなので、標高差は420m強。子連れ登山の山としては、登り甲斐のあるいい山ですね。とはいえ、標準のコースタイムでは片道で1時間半。子どもも、弱音を吐く前には山頂にたどり着いていることでしょう。

 往復でも3時間は掛かりませんので、日帰り登山にも最適です。

 登山口からしばらくは、カラマツの樹林帯のなかを登って行きます。かなり急な道が続きますが、それもほんの20分ほどのこと。背の低い笹の林床には、いくつもの細かな道が付いていますが、どれもこれも登山道になっています。

 道標の設置は最低限で、道案内は、カラマツの幹に黄色いペンキで書かれていました。それも「←山頂 急坂 強者ライン 若者、プロ級」などといった具合で、クスッと笑えるコメントもありました。

 細かく分岐する道は、つまり、強者ラインと緩やかラインが交差しているということですので、どちらを選ぶかはお好みで。

 子どもたちは、意気揚々と強者ラインを選びたがるのですが、そこはグッと手綱を抑えて、緩やかラインを選びます。始めから飛ばすと、あとでイタイ目にあわないとも限らないので。

 最初の急登を越えれば、道は一度、等高線に沿うようにして平坦になります。ここで北軽井沢方面へと下って行く分岐がありますが、間違えて踏み入らないように注意してください。こちらの道はあまり人通りがないようで、ヤブに隠れてしまっていました。

 やがて道は、またしても急な登りへと差し掛かります。周囲には背の高いネマガリタケが覆い被さっています。子どもの背丈は優に越えているので、彼らはもう冒険者気分です。タケの根元をつかんで、ヨイショと身体を持ち上げていました。

 じつはこの日は、猛暑も猛暑。軽井沢でも32℃を記録するくらいの暑い夏の一日でしたが、終止樹林帯にある登山道のおかげか、山の風もソヨソヨと吹きつけ、さほどの苦行とはならずに済みました。

 さて、標高も1650mを越えると、山頂へと続く最後の分岐点に到着です。ここも間違えて直進しないように要注意です。尾根線をたどる踏み跡が北東方面に延びていますが、山頂は左。ひと踏ん張りすれば、突然、視界が拓けてきます。左右が低くなっているので、山頂へと続く主稜線を歩いていることが分かるでしょう。

 分岐からほんの10分ちょっとで山頂に到着。そこには……! と、目の前にあるはずの浅間山は、雲隠れ。広い裾野は大きく見えていましたが、残念ながらドドーンとまでは見えませんでした。

 それでも、山頂からは荒船山やら草津白根山やら、上州に連なるたくさんの山並みが手に取るように見ることができました。

 三角点のある山頂も手ごろな広さで、ランチには最適。下りは1時間なので、思う存分、雲の上のランチタイムを楽しみました。

 そうそう、花のことに触れていませんでした。樹林帯の続く登山道ですが、道々には、 たくさんの高山植物が咲いていました。8月も半ばだというのに、こんなにも花が楽しめるなんて。

 ちなみに途中で確認できたのは、レンゲショウマ、マツムシソウ、アカバナシモツケソウ、フシグロセンノウ、ヤマジノホトトギスなどの花々でした。

 よく調べてみたら、この山はレンゲツツジの山でもあるんですよね。レンゲツツジは6月なので、さぞかしキレイなんだろうなと想像しつつ。今度は、その季節にも来てみたいですね。

 子どもたちはといえば、もう山のプロ気分で、山頂でも下山後も余裕の表情でした。

 登山道もしっかりとしているし、2ヶ所の分岐さえ間違えなければ、けっしてむずかしい山ではありません。地図をよくみて、この夏の大冒険に子どもたちを連れていってあげてください!

                                                                                                                       

■浅間隠山/登山情報
日帰り:歩行時間計約2時間30分
参考コースタイム:登山口[二度上峠下](20分)1450m付近の分岐(1時間)1650m付近の分岐(10分)浅間隠山(5分)1650m付近の分岐(40分)1450m付近の分岐(15分)登山口
アクセス:マイカーかタクシーを利用/二度上峠のほど近くに、約30台分ほどの駐車場あり。トイレあり。
地図:『山と高原地図19 浅間山 軽井沢』/2万5000分の1地形図「浅間隠山」

 
 
ライター
tetsu

山岳•アウトドア関連の出版社勤務を経て、フリーランスの編集者に。著書に『テントで山に登ってみよう』『ヤマケイ入門&ガイド テント山行』(ともに山と溪谷社)がある。

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