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東京駅を徒歩でスタートした子どもたち。ついに富士山頂へ!(最終レポート)

(2013.08.18)

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東京駅から富士山頂まで160kmついに完歩!

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子どもたちは初めて見るご来光に興味津々。それぞれ何を思ったのだろう

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雲の中から顔を出した太陽に、子どもたちから歓声があがる

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9合目。あと少しで山頂!!!もう自分との闘いだ

 北極冒険家の荻田泰永さんと歩く「100miles Adventure 2013」。7月31日に東京駅をスタートした子どもたちは、迎えた11日目の最終日ついに富士山頂アタックを試みた(前回の記事はコチラ)。

 子どもたちの疲労と高山病を考え、体を慣らすためにも本7合目で一泊。この旅最後の夜となるこの日、子どもたちはご来光を見るため4時半に起きた。山小屋の外に出ると、ひんやりと冷たい風が吹き、空は快晴だ。地平線は地面に張り付くような薄い雲で覆われ、空が紫色に染まりはじめた。子どもたちは初めて見るご来光に歓声を上げた。

 朝食後、支度をして6時半に山小屋を出発。富士山頂を目指す。この時間に出発することで、頂上でご来光を見た人たちが次々と下山してくる行列と逆行するかたちとなり、8合目以降の渋滞がおきない。登山道にある山小屋で休憩しながらゆっくりと高度を上げていく。休憩中など、子どもたちが「何年生?」「どこから来たの?」と聞かれることも。まさか歩いてきたとは誰も思わないのだろう(笑)

 最後は苦しくなった子も出てきたが、酸素を吸わせながらなんとか全員無事に山頂へ到着。長かった160kmの歩き旅のゴールを迎えたが、子どもたちは疲れた様子でゴールの実感がわかないのか淡々とした感じだった。けれど、まだ下山が待っている。山頂では、みんなで食べる最後の昼食を噛みしめながら食べ、親御さんの待つ5合目まで下りていく。5合目に到着する手前でスタッフがなにげなく「もう終わっちゃうんだなー」と呟いたとき、ひとりの子が「そんな事言わないでよ!」と涙声で叫んだ。旅の終わりが近づいていることを一人ひとりが感じていた。

 須走口5合目の山道に出ると、山小屋の前に居並ぶお迎えの親御さんたちの姿が。一列に歩いていこうと決めて列を整えたのに、遠くにその姿を見た一行は、気持ちが先行してしまい最後はみんなで猛ダッシュ。11日ぶりの親子の再会の様子と、もうこれで終わってしまうのかという実感で、荻田さんもおもわず涙ぐんでしまったほどだった。

 今回の100 miles Adventureは、東京駅から富士山頂という、チャレンジングなルートを真夏の暑い最中に歩くという厳しい企画だったが、不安はなかったのだろうか。

ー荻田さん
「2日目にいきなり24kmを歩いた時には、本当に暑く、子どもたちも最後まで歩くのがやっとの様子で『今回はゴールできるのだろうか』という不安も覚えました。しかし、歩くことに体が慣れ、仲間たちとの連帯感も生まれ、チームとして確実に成長しているのが分かり、これなら富士山まで行けるだろうと途中で確信しました。100 miles Adventureのもっとも大切にしている部分は『シンプルさ』だと私は思っています。160kmという距離をただ歩く。夜は仲間たちと生活をする。そんな日常からの延長線でありながらも、日常とは明らかに違う世界につかることで磨かれる感受性や好奇心。そこに気付いてほしいなと。また、我々大人たちが子どもたちを引率するなかで、ひとりひとりの子と向き合うにはそれなりの時間が必要です。2、3日では子供たちの性格を知るのは難しいですが、10日間という期間をかけることで、ひとりひとりの子に合った形での『成功体験』『思い出作り』ができるのではと思っています」

 10日間もあればもっと色々なことができそうな気もしますが。

ー荻田さん
「ここに盛りだくさんのプログラムを用意し、様々なアクティビティやらワークショップを詰め込むことは、『これをやれば子どもは楽しいはずだ』という、大人からの押しつけのような気がします。子どもが感じる『楽しさ』『面白さ』『大変さ』は、一人ひとりが違っていて当たり前で、ひとつのプログラムを楽しめる子もいれば楽しめない子もいるはずです。だからこそ、100 miles Adventureのプログラムは『歩くこと』『生活すること』という、普遍的な極めてシンプルなものにして、一定期間を設けることでそれぞれの子と対峙していこうというのが、私の狙いです」

 今回の冒険はいかがでしたか?

ー荻田さん
「5合目での親御さんたちとの再会の時、涙をこらえる子、涙を流す子、平静を装っている子、様々でした。5年生が11日間も親元を離れて、いきなり初めて会った大人たち子どもたちと共同生活をするというのは、子どもなりに我慢をしたり、寂しかったりしたのでしょう。再会の時の涙はグッと抑えていた感情が爆発したものかもしれません。子どもたちの涙を見たとき、今回の旅の成功を実感しました。応援してくださった皆さま、どうもありがとうございました。また、大事なお子さんを思い切って11日間の長旅に送り出していただいた親御さんに感謝いたします」

 今年の100 miles Adventure、これにて終了。参加した子どもたちは、それぞれ今までにないものを得たに違いない。さぁ、来年はどんな冒険が待っているのか、いまから楽しみだ。

(100 miles Adventureスタッフ)

>>「100miles Adventure」オフィシャルサイト

 
 
ライター
Akimama編集部
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