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アイスキャンディー。極寒の八ヶ岳にて、熱く滾る氷瀑への想い

(2015.02.09)

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アックス2本にアイゼン履いて、氷瀑に取り付く!! 究極の冬のアクティビティ、アイスクライミングが体験できる赤岳鉱泉のアイスキャンディー

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安全第一、アイゼンとヘルメットは絶対着用。登録をしていない人は、ロープの内側に入るべからず。でもちゃんと、外からも見学できます

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外気温は氷点下10度。この厳冬期でも、土日となれば多くのアイスクライマーたちが集う。赤岳鉱泉のアイスキャンディーは、真冬でもとにかくアツい!!

 アイスキャンディーといえば、ふつうの人が思い出すのは、やっぱり「ガリガリ君」だったり、「ガツンとみかん」だったりしますよね。暑い夏のギラギラ太陽のもと、かぶりつくアイスキャンディーのあの清涼感といったら、たまりません。

 でも、そのアイスキャンディーとは真っ向から対峙するのが、こちらのアイスキャンディーです。山好きな人にはもはや説明は不要のことと思いますが、コレ、八ヶ岳の赤岳鉱泉にある人工氷瀑なんです。

 いわゆるアイスクライミングの人工ゲレンデですね。人工とは言っても、アイスキャンディーがそびえ立っているのは、ときに氷点下10度にも20度にもなる極寒の地、赤岳鉱泉。目の前に、横岳の大同心・小同心の岩壁が迫りくる、これぞ山岳!!といったズバリのロケーションが広がったところです。

 毎年雪の降る前に人工の足場を組んで、山小屋のスタッフたちが日夜、水を掛けつつ、巨大な氷の壁を造り上げているんですね。その誕生から早10年も経ちますが、アイスキャンディーはいまや冬の八ヶ岳の「顔」ともいえるほどにメジャーなポイントになっています。

 もともと赤岳鉱泉は、南八ヶ岳を代表する山小屋のひとつで、主峰の赤岳や岩峰連なる横岳、大爆裂火口の硫黄岳などへのアプローチに最適な、ハブ的な山小屋です。通年小屋なので、週末ともなればいつでも多くの登山客で賑わっているのですが、アイスキャンディーが出現して以来、冬場の人数は夏場にも増しての大賑わいに。
 
 アイスクライミングはハードルが高過ぎて、山好きにも入り込みにくい世界だったのですが、アイスキャンディーのおかげかここ数年は話題にも上がりやすくなっています。人工氷瀑の存在は、初心者にとっても中級者にとっても、とても大きなものになっているようです。なぜなら、ここでは小屋のスタッフが初心者講習会も行なっていますし、毎年のクライミングコンペなども行なわれていますから。

 なんといっても心強いのは、アイスキャンディーの利用のしやすさにあります。山小屋の宿泊利用者であれば、必要なのは初回の登録料1,000円のみ。誓約書へのサインを済ませておけば、1シーズン中、あとは何回来ても料金は掛からない仕組みになっています。アイスクライミングの腕を上げたい人には、なんともステキな練習の場ですよね。もちろん初心者のみでの利用は不可ですが……。

 また、ヘルメット、アックス、アイゼン、ハーネス、ロープ、スリング、カラビナなど必要なギアは基本的には持参すること、とはなっていますが、ヘルメット、アックス、アイゼンのみは各500円でのレンタルもできちゃいます(貸出し数には限りアリ)。

 なるほど、冬場に赤岳鉱泉通いをする人が多いのも、うなずける話ですよね。

 アイスクライミングはある意味で究極のアクティビティですが、究極であればこそ、身に付く知識も研ぎすまされていくものです。ここでクライミングの技術をみっちりと身に付けることは、間違いなく、雪山登山の安心安全にもつながっていくはず。ともすると、赤岳鉱泉がアイスキャンディーを手掛けた意味は、こんなところにあるのかもしれません。

 アイスクライミングの世界は、意外に身近にあるようです。興味があるなら、迷わずアイスキャンディーへ!!! とはいえ、かなり寒いのでご注意を。また、この時期の赤岳鉱泉へのアプローチはそれなりに大変です。雪山装備をバッチリと決めて、美濃戸口から徒歩3時間。このハードルを無理なく越えられるひとには、新たなる山の世界が広がっています!!

 
■赤岳鉱泉 アイスキャンディー
場所:八ヶ岳/赤岳鉱泉 tel.090-4824-9986
期間:12月中旬〜3月末(氷の状況次第)
料金:赤岳鉱泉に宿泊の場合/登録料(初回のみ)1,000円/使用料(1シーズン)無料
   テント泊、日帰りの場合/使用料(1日)1,000円
必要なギア類:ハーネス、ロープ(シングルで9.5mm、40m以上のもの)、支点用スリング、カラビナ、ヘルメット、アックス、アイゼン
  
 

 
 
ライター
tetsu

山岳•アウトドア関連の出版社勤務を経て、フリーランスの編集者に。著書に『テントで山に登ってみよう』『ヤマケイ入門&ガイド テント山行』(ともに山と溪谷社)がある。

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