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アウトドアライター村石太郎が 友人たちを訪ね歩く「旅する地球」 ニュージーランド編 その3

(2017.10.02)

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アウトドアライター、
村石太郎が友人たちを訪ね歩く、旅する地球。
ニュージーランド編最終回は、ニュージーランド経済の中心地オークランドで
雑誌製作に関わる友人のレベッカ・ホワイトさんとハイキングに出掛けてきました。

レベッカ・ホワイトさん
出身地/ニュージーランド・オークランド
ワナカ在住歴/生まれてからずっと
職業/雑誌編集者
休日の過ごし方/海でのスイミング、バディボード、ハイキングなど
好きな音楽/ブロック・パーティ『ア・ウィークエンド・イン・ザ・シティ』
好きな映画/宮崎駿・監督『千と千尋の神隠し』

 ニュージーランドから日本への帰国前、最後に立ち寄ったのが、同国最大の街オークランドだ。ニュージーランドは、北島と南島のふたつの主要な島からなるが、この街はその北島のほぼ中央に位置している。

 この街に立ち寄った理由は、友達のレベッカを訪ねるためだった。彼女との出会いは、いまから5年程前のこと。米国のオレゴン州ポートランドで開催された、とあるアウトドア・メーカーが開催した記念パーティでのことだ。この会社が10周年を迎えるとあって世界各国のジャーナリストが招かれていた。アジアからは韓国や中国、欧州からイギリス、フランス、ドイツ、さらに南米ペルーからなどメディア関係者が招待され、そうしたなかで彼女はニュージーランドから、僕は日本からの代表として現地へ飛んだ。

 このときに集まった人数は約10名と、比較的小さなグループだった。そのため、僕たちは一気に仲良くなり、連日連夜と街に繰り出し、夜遅くまでバーで過ごすうちに親しくなっていった。そのうちの数人とは、イベントが終了したあとも一緒に行動して国立公園にハイキングへ出掛けたりもした。そのため、いまも彼らとはフェイスブックなどを通じて頻繁なやりとりを繰り返している。これまで、世界中のさまざまな場所でメディア関係者と関わりをもってきたけれど、このときに会った人たちほど交流を続けている人たちはいないくらいだ。

約1年半ぶりの再会

 約1週間を過ごした南島のクイーンズタウンを飛び立ったニュージーランド航空630便は、約2時間後オークランド空港へと着陸した。荷物を受け取りゲートへ向かうと、そこでレベッカ満面の笑顔とともに待っていてくれていた。時刻は、16時を少しまわった頃だった。
「夕食には、まだ少し早いから一度荷物を置きに自宅によって、それから少し散歩にいきましょう」

 彼女に連れられて向かったのは、オークランドの街を一望できる「エデン公園」だった。この一帯には火山の噴火口跡がたくさんあって、その周囲を自然公園として保護している。この公園もエデン山の噴火口のまわりをぐるりと一周できるように散策路が整備されていて、標高196mの山頂にはちょっとした休憩施設がある。
 「オークランドのいいところは、なんといっても街と自然の近さというところに魅力があると思うわ。夏には、15分も車で走ると仕事終わりにビーチで海水浴を楽しむことができる。しかも、毎日違うビーチに行くことができるほどたくさんあるのよ」

 編集者というだけあって本が大好きな彼女は、海岸に出掛けてそこで本を読んだり、週末には少し離れた海岸へと向かいボディボードをする時間が何よりだと話す。
「ここから見るオークランドが一番好きなの」
 エデン山の頂上に立った僕たちは、まもなく夕闇に覆われようとする街に見とれていた。高層ビルが建ち並ぶ中心部のなかで、街のシンボルであるスカイタワーが一際高くそびえている。

 「明日は、車で1時間ほど移動して西海岸のオマナワヌイ海岸を歩きにいくか、それともフェリーに乗ってランギトトという火山島に行くかって考えているの。そろそろ、街に戻って夕食に行きましょうか」

火山島でのハイキング
ランギトト山へ

 その翌日は、ベイエリアからフェリーに乗ってランギトト島でのハイキングに出掛けることになった。周囲5.5kmほどの島全体が保護区に指定されて、独立峰リンギトト山の山頂までのハイキング・トレイルが整備されている。住人はなく、かつてこの島を管理していた家族の住居跡が保存されているのみである。島へのアクセスは、フェリーでわずか25分ほどだ。
 トレイルを歩きながら、レベッカが島の成り立ちや樹木のこと、草原を歩く鳥類についてなどを説明してくれる。山頂へといたる途中には鍾乳洞のようなところもあり、ヘッドライトを取り出してトンネルのなかをくぐり抜けていく。標高250mの山頂までは約1時間で辿りつた。

 この島を始め、オークランド周辺にはどこかジャングルを感じさせるような森に囲まれている。いっぽうの南島は、19世紀にヨーロッパからやってきた移民が始めた牧羊活動などによってほとんどの高木が失われてしまっている。一見すると人の住む街が少ないので南島のほうが自然も保護されているようにも思うのだけれども、実はそうではないようだ。

別の日に歩いた南島西海岸に広がるワイタケレ・レンジ公園。ここでは在来種の草木や鳥類を見ながら、美しい海岸線に伸びた散策路を歩いた。

 オークランドで生まれ育ったレベッカは、いくつかの編集仕事を経て、現在は「ニュージーランド・ジオグラフィック」という隔月誌の編集者を務めている。1989年に海洋学を専門にするケネディ・ウォーンによって創刊された同誌は、同国の動物や植物、地理などの自然環境、先住民や近代文化などについて発信している文化誌だ。
 2年前から関わり始めた現在の仕事について話していると、彼女は「さまざまなことを学べることが、この仕事の良いところね」と笑った。同業の僕は、彼女に 「非常に面白い仕事だよね」と応えた。

「本当よね。自分にとって、こんなに楽しい仕事をほかに知らないわ(笑) 誌面では、本当にさまざま事柄について扱っていて、それに従って知識が増えていく。通常、ひとつの記事にかける時間は半年以上、ときには1年間をかけて製作しているの。雑誌を製作するにあたり、より多くのことを学ばなくてはならないことが自分の仕事で一番やりがいのあるところね。最近のことだけに絞っても農業について、蜘蛛について、国の文化の違いによって異なる死への考え方など、本当に多種多様なテーマを扱うことができる。それに、いまどのような記事を人々に伝えなければならないかということを考えることも面白いわ」

 午後から行動を開始して、夕方にはオークランドのダウンタウンに戻ってくる。そして、帰りがけにリカーショップによってニュージーランドの地ビールを手に入れて、テイクアウトのインド料理屋ではカレーセットを持って自宅へと向かった。

 昨日は、エデン山での散歩のあと、わずか10分ほどでスカイタワーの足元に到着した僕たちは、地元のワインと牡蠣、それとラム肉料理に舌鼓を打った。近年のオークランドは国際都市化が進み、アジアから移民も多い。そのため、街のなかには中華料理店や寿司屋はもちろん、韓国料理やインド料理、それにアフリカ料理など、さまざまな国の料理が楽しめる店が並ぶ。かつてはイギリス連邦内の自治領国であったという歴史からイギリスとの結びつきが強かったが、近年はアジア圏の国として認識を強めており、欧州やその文化よりも繋がりを深めつつあるという。これは地理的に考えれば、自然のことのように思う。

 治安の良さも魅力で、街中を歩いていても東京と同じような安心感に包まれる。僕にとってなによりも嬉しいことは、こうして友人たちと再会して、街に繰り出して酒に酔うことだった。
 レベッカの自宅にあるテーブルのうえに広げたカレーの匂いを嗅ぎながら、瓶ビールの栓を抜く。そして、ニュージーランドでの最後の夜を語らうのであった。

☆☆☆

全4回にわたって掲載したしました「アウトドアライター村石太郎の”旅する地球”ニュージーランド編」は、ニュージーランド航空のご協力を得て取材いたしました。

ちょうど取材を行った7月下旬に羽田便の就航(週3便)がはじまり、さらに便利になったニュージーランド航空。Akimamaの取材ライター陣も年間を通じて頻繁に飛行機を利用し、海外渡航の機会もありますが、数ある航空会社のなかでもニュージーランド航空は、とくにユニークで魅力的、そしてなんといっても搭乗した瞬間からニュージーランド一色なのです!

少し前にニュースなどでも話題になりましたが、機内の安全ビデオがユニークで映画を見ているよう。随所にニュージーランドの自然や風景が盛り込まれているので、旅の期待感が、ますます高まります。ビデオの登場人物のように機内スタッフの方々もとてもフレンドリーです。

「夏のノースランドを満喫」編

そして、ニュージーランドといえばワイン。世界的に見ればその生産量は微々たるものなのですが、上質なワインは高い人気を誇っています。ニュージーランド航空はニュージーランドで有数のワイン専門家とともに、食事に合うワインをリストアップ!それが機内で楽しめるのです。

東京(成田/羽田)からオークランドまでは約10時間半のフライト。10時間を越えるとかなり長い時間に感じていましたが、充実したエンターテインメントと豊富なドリンクサービス、最新機器で整えられた快適な機内環境で、意外にもあっという間のフライトでした。

アウトドア好きには、よりワイルドな自然がある南島のほうが馴染み深いかもしれません。現在は成田・羽田ともにオークランド(北島)発着、そこから国内線でクライストチャーチやクイーンズタウンといった南島の主要な町へ向かうことになります。

乗った瞬間からもうそうこはニュージーランド。ニュージーランド航空なら、日本に着いて飛行機を降りるまで現地にいられる感覚です。

ニュージーランド航空

 
 
ライター
Taro Muraishi

アウトドアや登山専門誌を賑わすアウトドアライター。精力的に世界各地のアウトドア・ブランドへの取材へと出掛け、そこで得た登山装備と登山道具史についての知識は国内随一。過去20年にわたって、アラスカ北部に広がる原生自然帯での遠征活動を続ける冒険旅行家としての顔も持つ。

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