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区民の知らない世界。世田谷区に遺された古民家で江戸時代にタイムスリップ!

(2014.01.25)

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岡本公園民家園

旧長崎家の土間には、世田谷で使われてきた鍬などの農具や藁草履などを展示

岡本公園

旧長崎家外観。元の所在地は世田谷区瀬田。十八世紀末に建てられ、1828年に改築されたことが墨書や建築様式からわかるという

岡本公園

座敷から土間を見る。囲炉裏は今でも火が焚かれている

岡本公園

(左)台所に置かれた生活用具も旧長崎家や区内で使われていたもの。(右)柱に貼られた武蔵御嶽神社のお札。絵は火ぶせの力などがあると考えられたニホンオオカミが神格化されたもの

唐箕

唐箕などの民具も収蔵。教科書で知っていても、実物を見たことがある人はすくないのでは

 東京の高級住宅地・世田谷区。開発され尽くした感のあるこの地域で、かつての世田谷の空気をとどめているのが砧公園から岡本にかけての一帯だ。

 さて、ここでGoogleの検索窓に「世田谷区岡本」と入れて検索してみよう。地図が表示されたら衛星画像に変換。すると、東名自動車道の用賀インターチェンジを挟んで、北側に砧公園の緑地、南側に少し離れて岡本公園という緑地を見つけられるはずだ。

 そして今度は、縮尺を調整して地上からぐいぐい離れてみる。自然への感性が高い人なら、岡本公園が立川から大田区にかけて連なる緑のベルトの一部であることに気づくだろう。

 この緑のベルトが「国分寺崖線」。多摩川が10万年の時間をかけて削りだしたといわれる、長大な河岸段丘だ。傾斜が大きく開発には不向きだったため、今でもその一部が緑地帯として現在に遺されている。この緑地帯には多くの生き物たちも隠れ住み、岡本公園の周辺には今でもタヌキが生息している。

 そんな岡本公園に遺されたもう一つの財産が、区指定有形文化財の古民家・「旧長崎家主屋」。昭和55年に区内から移築されたこの民家が建てられたのは、十八世紀末。ということは、築年数はなんと200年以上!

 岡本公園の雑木林を背にしたこの古民家は、世田谷区内で使われていた古民具も収蔵。雑木林とそれとつながる田畑を利用していたころの世田谷区の暮らしをイメージすることができる。

 東急二子玉川駅徒歩で20分の場所にありながら、古民家の縁側に座ってみればそこに流れる時間は江戸時代のもの。世田谷界隈に出かける機会があれば、ちょっと足をのばして江戸時代をのぞきに出かけてみてはどうだろう?

(写真・文=藤原祥弘)

                                                                  

岡本公園民家園

所在地:東京都世田谷区岡本2–19–1
問い合せ:03–3709–6959
開園時間:9:30〜16:40
休園日:毎週月曜、年末年始など
アクセス:東急二子玉川駅徒歩20分
駐車場:12台・無料

 
 
ライター
藤原祥弘

野生食材の採集と活用、生活技術につながる野外活動などを中心に執筆とワークショップを展開。twitterアカウントは@_fomalhaut

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