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カスケードデザインを支える2人のアメリカ人がやって来た!!! その②

(2016.11.07)

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企業としての社会的、地球的な貢献も

A……では、アウトドアジャンルを充実させていく、という意味ではいまは過渡期に? 10年先のカスケードは?
C……5つブランドがあるので、どのブランドかにもよって答えがちがうのだけど。じゃ、会社として。まず、アメリカでの製造は必ず続けていく。

T……これには、ジョン・バローズの哲学もあって。Made in UASにこだわるにはいくつかの理由がある。国内のマーケットを盛り上げる。シアトルでは雇用が生まれ、そして経済が発展する。国のことを考えれば当たり前なのだけど。

C……たとえば、他社では他の国で製造させたりという率は高いと思う。でも、現体制のままでは、自分たちの目の行き届いたものがつくれなくなる可能性があるなと。ゴミ処理の問題もあるし、どんな環境で従業員が雇われているのかもわからない。ならば、目の届く範囲で、地球のこと、従業員のことを考える会社として、アメリカでつくる。それがいまの考え方。

T……もうひとつ言うなら、設備もエンジニアも全部アメリカでつくることは、製品クオリティの保持にもつながっている。また、製品を出したあとのメンテナンスについても、体制が整っているのですぐに対応ができるから。

A……なるほど、まさに地球規模での考え方ですね。では、人に対してはどうですか? 具体的にブランドとして社会に対して取り組んでいることなどはある?

C……サーマレストに関していえば、「寝心地がいい」というキーワードをベースにして、家庭用のベッドのほか、病院のベッドにも使われている技術がある。サーマレストが培ってきたテクノロジーを適用させれば、アウトドア以外のジャンルでも活躍できる場は多い。
T……飛行機のシートもやってるんだよ。そのほか、乗馬用のシートとか。マットレスというところでは、いわゆる難民が地ベタで寝なくともいいようにとリリーフベッドを送っている。気持ちよく眠れるようにと。

C……日本の東日本大震災のときにもたくさんのマットレスを使ってもらった。細々としたところでは、そんな活動も続けている。

T……あと別の話としては、カスケードデザインが社として取り組んでいることのひとつに、「きれいな水を供給する」というテーマがある。
C……安全な水は、人間が最低限必要とするもの。生きる上で。それは、アフリカでも軍事の面でも。

T……シアトルに、自社のウォーターラボがある。そこでは、浄水器の開発やら試験をするための設備を整えているのだけれど、微生物関連のバイオロジストが常時7名働いている。水に関わるラボとして、他社製品を密かにテストしてみたり(笑)、第三者機関に使ってもらうこともある。
シアトルにあるウォーターラボ。このラボでの日々の研究が、MSRやプラティパスの浄水器やボトル誕生につながっている

C……いまのMSRとプラティパスの浄水器があるのは、このラボのおかげ。ガーディアンのテクノロジーなどは、ここで生まれたもの。
T……ガーディアンはいま、世界中の市場で出ている浄水器のなかでも最良のモデルだと思うよ。2.5ℓの水を1分間で浄水できる。これこそ、まさに「きれいな水を供給する」ことにつながっていることだよね。
ガーディアンはMSRを代表する浄水器。トーマス曰く、世界ナンバー1の名品。1分間に約2.5ℓもの水を浄水できるので、アウトドアはもちろんのこと災害時にも非常に役に立つアイテムだ

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ライター
tetsu

山岳•アウトドア関連の出版社勤務を経て、フリーランスの編集者に。著書に『テントで山に登ってみよう』『ヤマケイ入門&ガイド テント山行』(ともに山と溪谷社)がある。

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