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絵・GOMAと詩人・谷川俊太郎の詩画集「モナド」刊行記念 GOMA展が開催中!

(2019.07.09)

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 なんとも、すばらしいコラボレーション作品のお知らせです!

 独特な配色や形を点描画で描く、ミュージシャン・ディジュリドゥ奏者のGOMAの絵に、日本を代表する詩人・谷川俊太郎が詩を書き下ろした詩画集「モナド (Monado)」が、7月9日(火)に刊行されます。

 現在、新宿高島屋10Fの美術画廊では、この詩画集刊行を記念してGOMA氏の個展が開催中です。7月6日(土)には、同会場でGOMA氏のディジュリドゥ ソロライブとトークショーが行われました。

 フェスやホールで聴くライブとは違い、今回の会場は、詩画集に掲載されている原画や、その作品に準じる絵画作品が会場の壁を所狭しと埋め尽くすギャラリーの中。

 会場全体を絵画で囲まれた、贅沢な空間の中で行われたライブには、たくさんの人が訪れ、その音に酔いしれました。

会場は、超満員! 「自分の絵に囲まれて、演奏するのが好き!」と、GOMA氏も言っておりました。

■詩画集「モナド」とは?

 この展示会のきっかけとなった詩画集「モナド」は、GOMA氏が不慮の交通事故に遭った2009年以降、9年間描き続けた500点以上の作品の中から、詩画集のために24点を厳選。谷川俊太郎氏が、この絵画を見たインスピレーションから23篇の詩を書き下ろしたというもの。

日本語の詩は、谷川氏が信頼をおく翻訳家による英訳が併記されています。そして、装丁・レイアウトは、装幀デザイナーの名久井直子という、豪華メンバーによる1冊です。

 ライブの途中で行われたトークショーでは、GOMA氏が、展示会場の作品についての解説や来場者からの質疑応答を行いました。

 質問で最初に上がったのは、「詩を谷川氏が書き下ろした経緯は?」 というもの。そもそも、この詩画集の企画自体が、出版社の方からの提案だったそうです。編集担当者に 「絵に合わせる詩は、どなたに書いていただきたいですか?」 という問いに、GOMA氏が谷川氏をリクエストしたのだそうです。

 なんと、この担当者の方が、もともと谷川氏の担当をしていたことがあったという縁があり 「期待はせずに、まずは絵を送ってみましょう」 ということになったそうです。せっかく谷川氏にみていただくならと、たくさん絵を送ったところ 「2〜3日後に詩が届いて、とても驚いた!」 という、ステキなエピソードも披露されました。

質疑応答で、丁寧に質問に返答するGOMA氏。

■脳裏に浮かびあがる幻想の世界を描く

 「モナド」の表紙になっている、青と白の円形の世界「ひかり」。ライブの際に、GOMA氏の背面に展示されていた、白くキラキラと輝く世界「珊瑚」。正面奥に6点並んでいた、青と白が滝のように流れる世界「Water fall」。そして、今回初めて発表したというカラフルなドットの世界「羽衣」。

初披露となったカラフルな作品「羽衣」は、「モナド」の中でも登場します。

 これらは、GOMA氏が時折意識を失ってしまうとき、「脳裏に浮かびあがる幻想の世界であり、描かずにはいられない衝動に駆られ、無我夢中で描き続けてきたもの」なんだそうです。

(上)「モナド」の表紙にもなっている作品「ひかり」100x100cm (下)圧巻の迫力!滝のように流れ落ちる世界感を描いた「Water fall」。作品1つの大きさが、72.8×103cm! 6点並べると、横幅は約4.3mにもなる。

■こだわった原画との「色の再現性」

 会場を訪れる際にひとつ、お知らせしたいことがあります。この詩画集の特筆すべきところが、原画との「色の再現性」です。

 実は、筆者は過去にGOMA氏の作品を何度か使用させていただいて、ポスターや冊子を作ったことがあり、原画との「色の再現性」に関して、大変苦労するということをよく知っています。

 GOMA氏が描く作品は、サイズが大きなものが多く、通常よく見かけるポスターのサイズ、だいたいA2(42×59.4cm)よりも、さらにひと回り大きなA1(59.4×84.1cm)サイズくらいの作品や、それ以上大きなものも多数あります。

 これらの作品をスキャナーやカメラによる撮影によってデータ化し、原画に限りなく近づけて印刷物を作成するのですが、これが非常に難しいのです。この詩画集でも、その壁に直面したそうですが、何度となく繰り返した色校正の結果、仕上がりは、かなり原画に近い色で印刷がされています。

 この印刷色については、本の製作当初から、担当の編集者さんのこだわりでもあったそうです。GOMA氏は、個展の開催日や発売予定日が近づき、残念ながら、間に合わないのではないかと思っていたそうです。

 しかし、印刷所の技術者たちのガンバリによって、すばらしいクオリティーのものが完成し、個展のオープニングにもギリギリ間に合ったそうです。

ぜひとも、この本の「色」へのこだわり、谷川氏の詩の世界を感じていただきたい。
 

■GOMA展は、7/15(月・祝)海の日まで!

 この個展は、詩画集「モナド」の世界観に浸りながら、GOMA氏の原画と直接向き合うことで、より多くのインスピレーションを感じることができると思います。

 会場では、展示されている原画作品の購入も可能です。また、タイミングしだいでは、GOMA氏と直接話す機会があるというのも、大変うれしいところです。

 個展は、7月15日(月・祝)午後4時まで! 新宿高島屋10階 美術画廊で開催中です。ぜひとも、画家GOMAによる点描画の世界を堪能してみてください。

■詩画集刊行記念 GOMA展


期間:2019年7月3日(水)-7月15日(月・祝)

会場:新宿髙島屋10階 美術画廊

住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2

時間:午前10時から午後8時まで開催。ただし金・土曜日は、午後8時30分まで、最終日は午後4時閉場。

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■モナド Monad



絵・GOMA

詩・谷川俊太郎

装丁,レイアウト・名久井直子

発売日・7月9日

発売元・講談社

仕様・B12取版48ページ
価格・2,000円(税別)

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■ 作家プロフィール

GOMA
1973年大阪生まれ。オーストラリア先住民族アボリジナルの伝統楽器ディジュリドゥの奏者・画家。
1998年 オーストラリアアーネムランドで開催されたバルンガ・ディジュリドゥコンペティションにて準優勝。ノンアボリジナルとして初受賞をいう快挙を果たす。
2009年 海外にも活動の幅を拡げ勢いに乗っていたが交通事故に遭い外傷性脳損傷と診断され、高次脳機能障害の症状が後遺し活動を休止。一方退院2日後、突然緻密な点描画を描き始める。
2010年 脳損傷の後遺症で過敏に受取るひかりの世界を描き、プリミティブな衝動に突き動かされた自由な発想と独特な色彩感覚が特徴的な絵画により画家として活動を開始
2011年 再起不能と言われた事故から苦難を乗り越え活動を再開
2012年 GOMAを主人公とする映画「フラッシュバックメモリーズ」が東京国際映画祭にて観客賞を受賞
2018年 2月 NHK ETV特集「Reborn〜再生を描く〜」で取りあげられ、サヴァン症候群の世界的権威の精神科医、ダレルト・トレファート博士から「後天的サヴァン症候群」と診断される。
ディジュリドゥ奏者・画家としてのみならず、講演会など多岐にわたり活動中。
GOMA web
 

谷川俊太郎
1931年東京生まれ。詩人。1952年第一詩集「二十億光年の孤独」を発表。1962年「月火水木金土日の歌」で第4回日本レコード大賞作詞賞、1975年「マザー・グースのうた」で日本翻訳文化賞、1982年「日々の地図」で第34回読売文学賞、2005年「シャガールと木の葉」「谷川俊太郎詩集1〜3」で第47回毎日芸術賞、2010年鮎川信夫賞など、受賞、著書多数
谷川俊太郎.com

 
 
ライター
北村 哲

登山、スノーボード、キャンプ、フェス、旅好きのフリーライター。プランナー/ディレクターとして、アウトドアやスポーツ関連のカタログ、映像、イベント、アーティストコラボ商品などの企画制作も行う。富士山好きで、吉田口の歴史や登山道に詳しい。

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