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新潟県南魚沼市で体験した、仕事とアクティビティとを瞬時に切り替えるワーケーション

2024.01.16 Tue

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林 拓郎 アウトドアライター、フォトグラファー、編集者

過去の経験から言って、ワーケーションをうまく進めるコツとは「仕事の間のちょっとした時間を集めて、空いた時間にうまいことはめ込む」ことだ。ここで10分、ここで20分と仕事密度の薄い時間を上手にかき集めてくれば、昼間に1〜2時間程度の自由時間を作ることはじゅうぶん可能、というのが実感だ。が、実際に現地で仕事をしながらアウトドアアクティビティを楽しんでいると、もうひとつ効率化しなければならない時間があった。それが「移動」だ。

 

クィックにスイッチする超効率ワーケーション

 何しろこの冬は雪が少ない。仕事の休みを基準に予定を立てていると雪のコンディションとマッチせず、降ったという喜びの声が聞こえてくるのは仕事の日ばかり。それなら! と、企んだのが移動時間をグッと短縮しながら、仕事と遊びを超クィックなモードチェンジでこなしてしまおうというプランだ。

 つまりゲレンデ脇のホテルにステイして、いい感じのゲレンデコンディションならこれ幸いとばかりに滑り、リフトの上で仕事状況を確認したら必要に応じてスッと仕事に戻るのだ。となればホテルとゲレンデが隣接しており、ゲレンデもいろんな遊びができることが重要になってくる。加えて、ホテルにゆっくりできる温泉なんかがあるとサイコーだ。そんな宿ないかね〜と言っていたら、あった。しかも、おなじみの六日町に。というわけで、六日町でのワーケーションDaysが始まったのだ。

 

仕事しながらも、当たりの日を逃さない

 ムイカスノーリゾートは関越自動車道 六日町I.C.から車で5分。南魚沼市街地を見下ろすスキー場は、幅200mというどれだけ横に走っても余裕のあるスーパーワイドな緩斜面と上級者向けの急斜面を併せ持った斜度変化が楽しいゲレンデだ。

ムイカスノーリゾートのベース部に建つ「むいか温泉ホテル」

リニューアルされて数年の客室は清潔感にあふれる居心地のいい空間

国民保養温泉地に指定される六日町温泉は、無色透明でクセがない

 嬉しいのはゲレンデを運営する人たちが雪の遊びをわかっていること。圧雪はつなぎ目がほとんどないスムースさを誇り、ちょっとしたパークやウェーブなどの遊びが整い、斜度20度をこえる斜度があるかと思えば、ハイクアップでアクセスするオフピステフィールドが用意され、申請をすれば管理区域外も滑走可能なのだ。

ムイカスノーリゾートといえば、このスーパーワイドな斜面。斜度が緩やかなのでビギナーにもやさしく、上級者は深いカーヴィングでスロースピードのシビアなバランス感を楽しむことができる

しっかり締まった斜面にエッジを入れていく感覚が心地よい

リフト券販売所で申請用紙に署名して指定の腕章を受け取ることで、管理区域外申請山岳コースに入ることができる。もちろん管理区域外なのでアバランチセーフティーの装備は必要。とはいえ、インターから5分のゲレンデでライトなバックカントリーを楽しむことができるのはおどろき

 もちろん、もっと滑りたいと思えば六日町八海山スキー場や上越国際スキー場、舞子スノーリゾートや石打丸山スキー場などスキー場はいくらでも選び放題。ただ今回は、移動時間ゼロで効率よく滑り、効率よく仕事もこなすのがコンセプトだ。飽きるまでムイカスノーリゾートを滑り込んでやるぞ! と、隣接の「むいか温泉ホテル」にチェックインしたのだった。

 仕事の前の一本が一本で終わらなかった。なにしろ夜の間に50㎝近くも雪が降り、ゲレンデコンディションは一晩で完成。しかも圧雪はびっちり整っている。おまけに、眩しいほどの青空なのだ。こんなコンディションを逃さないのが、移動ゼロワーケーションの強みだ。朝イチのリフトに乗り込めば、背後には南魚沼の平野がどんと広がり、その向こうには雪をかぶった八海山や巻機山がそびえる。リフトの上から見渡す風景には独特の立体感がうまれ、いつも以上に景色に奥行きを感じる。

リフトの後ろに広がるのは六日町の市街地。ゲレンデと街とが本当に近い。滑ることと生活とが、密接に関連しているのだ

 滑り始めれば、エッジが適度に雪をとらえ、ターン毎に加速度は増していく。アタマの芯がキーンと冷えるほどの冷気のなか、重力に引かれながら身体を倒し込んでいく気持ちよさ。これこれ、これだよ〜〜と思っているうちに1時間が経つが、ポケットの中のスマートフォンはおとなしいままだ。

 リフトに乗るごとに着信をチェックしながらターンを重ね、コース脇の新雪に当て込む。そのうちにどうしても我慢できなくなって、いよいよオフピステフィールドへ。降った翌日の晴れの日に新雪を当て込む。その一本の余韻があれば、たとえ今日一日がデスクワークで潰れたとしても悔いはない。

コース脇でも十分な積雪を楽しめる。今シーズンの降雪量を考えれば、じゅうぶんに当たりの日と言っていい

ゲレンデ最上部に至るにはハイクアップが必要。だが、歩くだけの価値はある

 と言いながら、結局この日はほぼ午前中いっぱいを滑走に充てることができたのだ。現地にいるからこそ、逃さなかった「ザ・デイ」。その価値は計り知れない。

 

たった一本、を無理なく楽しむ

 曇天の2日目はメロウスタート。軽くゲレンデを流しながらパークで遊び、ウェーブを踏んでいく。が、初日の疲れが脚に残っている。それなら今日は早めに切り上げようと、滑走は午前中のみ。町で昼食をとったらホテルに戻って仕事して、と仕事モードのはずだったけれど、やっぱり目の前に雪があると滑りたくなるのだ。

南魚沼市内の飲食店では、極上コシヒカリの旨さをさらに引き立てるべく、店舗独自の丼を創作。本気で作っているから「本気丼(マジどん)」。写真は尾道熟成赤酢を使った特性赤シャリにいくら、とびっこ、海老、かに、蒸し鮑などを乗せたLittle 北海道の「KURENAI 海老ざんまい重(2,880円税込)」

 というわけで一本だけのために着替えて、クローズ間近のゲレンデに再びドロップイン。思い立ったらすぐ滑り、仕事となったらすぐ帰る。これって最高! と思っていたけれど、よく考えたらこれって雪国の生活じゃんね、と気づいてしまった。

 やっぱりアレだな、最終的には移住だな〜と認識を新たにしつつ、残った仕事を片付けるべくホテルの部屋にダッシュで戻るのだった。

 


■オンラインセミナーのお知らせ
 南魚沼市では2024年1月19日(金)20:00〜21:00までテレワーク・ワーケーションに関するオンラインセミナーを行います。オンラインセミナーに参加された方から抽選で1/27-28(土日)と2/3-4(土日)バックカントリーツアーを楽しみながら行う現地交流会を実施いたします。特に2/3-4の現地交流会はお子様を預けてバックカントリーに参加されてもよし、お子様も一緒に参加も可能な親子体験となっております。詳細はオンラインセミナー中にご説明いたします。

日時:2024年1月19日(金) 20:00〜21:00
申し込みフォームはこちら

主催:南魚沼市

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