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「夏山用バックパック」ってどれくらい涼しいの!? 双子ちゃんが「ふたごやま」でテスト!(その1)

2015.08.11 Tue

 ここ数年で、バックパックの世界に一大勢力を築いたのが背中と接触する部分に大きな空間を設けた「夏山用バックパック」。

 背面がメッシュパネルのパックはいかにも涼しそうですが、普通のパックに比べていったいどれくらい涼しいのでしょうか? 

 しかし、試してみようにも全く同じ条件下でふたつのパックを比べてみるのは難しい……。

 そこで協力を頼んだのは、一卵性双生児の双子ちゃん! 日差しはカンカン、空気はムシムシの夏の低山で「普通のパック」と「夏山用パック」を背負い比べてもらいました!

 今回白羽の矢のたった夏山用パックは、いち早く夏山用パックを手がけたドイターの「FUTURAフューチュラ 30 SL」。はたして、結果はどうなるでしょうか?

アスリート姉妹が挑戦! 二子山登山
 協力してくれたのは、マラソンもたしなむ「ひうら姉妹」。一卵性双生児なら暮らす家も普段食べているものも一緒、という誠に実験向きのおふたりに、神奈川県の知られざる展望の山「二子山(ふたごやま)」に登っていただきました!
「舞花でーす!」「結花でーす!」「ふたり合わせて、ひうら姉妹でーす!」。

 姿も一緒なら、声も一緒のおふたり。「私のほうがちょっとまる顔で」(舞)、「私のほうがちょっとシュッとしています」(結)とのことですが、全く見分けはつきません。

 ということで、おふたりの見分けポイントはバックパック。夏山向けの「FUTURAフューチュラ 30 SL」(青)を背負っているのが姉の舞花さん、フィット感を重視した冬用モデル「CRUISEクルーズ 28 SL」(赤)を背負っているのが妹の結花さんです!

背面に大きなスペースが空いた「FUTURAフューチュラ 30 SL」と、背中にぴたりと合う「CRUISEクルーズ 28 SL」。はたして、使用感の差は出るのか?

使用感の違いは体温とシャツでチェック!

 今回、使用感の違いを確かめるために用意したのは、コットンのTシャツとサーモグラフィー。出発前に映像を撮ってみると……、正面、背面ともにばっちり同じ体温! さすが双子!

さすが双子。姿、声、体温まで一緒! サーモグラフィーでは体温の高い部分が赤く、次に黄色、緑と低くなる。ちなみに、この日同行した女性カメラマンはスタートの時点で全身が真っ赤っか。代謝の高さをサーモグラフィーごしに見せつけていました。

 二子山はその名の通り、ふたつのピークが緩やかな鞍部でつながる低山。常緑樹を中心とした、三浦半島らしい植生が広がっています。深い森に囲まれているため、林内はほぼ無風。山腹にある電波塔までは管理道がついており、電波塔から先がいよいよハイキングコース。

タイワンリスや野鳥も多く、なかなか賑やかな林内。最近はなんとイノシシまで出るのだとか!

ここから先が散策路。まだまだ涼しげなふたりですが……。
サーモグラフィーの前ではその火照りは隠せないぜ! と撮ってみると、アレ? あんまり違いがない。

しかし、パックを下ろしてみると……その差は歴然。夏山用を背負っていた舞花さんが、ショルダーストラップが当たっている場所だけが汗ばんでいるのに対し、結花さんは背面パッドが当たる部分がびっしょり。

 おふたりに今の使用感を聞いてみると、「じわっと汗ばんだくらい」という夏山用の舞花さんに対し、「背中がムレて、ベタベタしてます」と結花さん。

 続けて背中をサーモグラフィーで見てみると……、おお、舞花さんはストラップとベルトが当たる部分だけが赤くなっているのに対し、結花さんの背中は全体的に赤くなっている!

比較的温度が低い舞花さんに対し、結花さんは背面全体が熱をもっている。

 夏山用パックは背中のムレを抑えつつ、背中の温度も低く保てるよう。しかし、パックをおろすと結花さんの背中も急速に冷えて、数分で同じ温度に。シャツが濡れていると高山だと汗冷えの原因になりそうです。

 この先はいよいよ登頂。登頂から下山までは「その2」に続きます!
 

FUTURAフューチュラ 30 SL
価格:¥15,500(+税)
カラー:ターコイズ×アークティック、スプリング×シルバー、ファイヤー×オーベルジン
容量:30+3ℓ 
重量:1,550g 
サイズ:H66×W30×D21cm

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