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気が付けば、シリばかり追ってた2014、夏。

(2014.09.15)

登山のTOP

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画像01
シリ01

上・左下=樺戸の神居尻山。札幌から近く、歩きやすいことから山ガールやファミリーにも人気。山頂直下には無人小屋も 下中・右下=ピンネシリ。山頂にレーダーがあるだけあって展望は抜群。親切なんだけれどイマイチ判りにくい道標に苦笑

シリ02

左上・左下=ウェンシリ岳。地形が険しく雪崩が多いため、稜線付近はほとんど木が生えていない。展望を期待して登ったのに濃いガスに包まれガックリ 右上・右下=ピヤシリ山。山頂からは道北ならではの穏やかな山並み、さらに大雪山や利尻山まで見渡せる。が、この登山口に立ったときは、一瞬入山を躊躇した

シリ03

幌尻岳は日高山脈の最高峰。写真の七ツ沼カールをはじめとする3つのカールを従えた堂々とした山容が魅力。山頂から戸蔦別岳へと向かう稜線にて

 北海道にはアイヌ語に由来する地名がたくさんあります。山もしかり。代表的なのは「ヌプリ」が付く山で、ニセコアンヌプリ、チセヌプリ、アトサヌプリなどが有名なところ。そもそも、ヌプリが山という意味なので、多くて当然ですね。

 同じように山を意味するのが「シリ」という地名。探してみるとこれもたくさんあります。ただし、「○○シリ山」「×尻岳」など、後ろに山や岳が付くことが多い。言葉としては「Edo-gawa river」的に重複していて、ちょっとヘンといえばヘンかも。

 そんなシリの付く山に、この夏、いくつか登る機会がありました。誰もが知っている著名な山もありますが、マイナーながらなかなかいい山もあります。というわけで、魅惑のシリをいくつかご紹介。

●ピンネシリ(1100m):
札幌の北方、いわゆる樺戸山塊の最高峰。滝川あたりから目立って見える丸く大きな山で、頂上には真っ白いレーダードームが建っています。ピンネシリは「男の山」の意味で、すぐ隣の待根尻山(地形図は待根山)が女の山だとか。登山口から山頂往復まで、誰にも会うことのない静かな山でありました。
○参考コースタイム:登り3時間、下り2時間(砂金沢コース)

●神居尻山(かむいしりやま、947m):
上記ピンネシリの西、約3.7kmのところにあります。道民の森という凄まじく広い野外体験施設に隣接し、道内の山としてはコース整備は第一級。宝塚の大階段より急で狭いんじゃないかと思うような木の階段が延々と続きます。かつてピンネシリまで続いていたという縦走路は、残念ながらすっかり廃道化。
○参考コースタイム:登り2時間40分(Aコース)、下り1時間40分(Cコース)

●ウェンシリ岳(1142m):
田中澄江さんの「花の百名山」にも選ばれている知る人ぞ知る名山。道北オホーツク海側の奥深いところにあります。登山口近くには雪渓が作る「氷のトンネル」があり、西興部村の唯一無二ともいえる観光名所でしたが、数年前に崩落事故が起きて以来、見学禁止に。稜線、山麓問わずいたるところにクマの糞や掘り起しが見られ、またダニの襲撃も侮れず。標高の割にはダイナミックで野趣に溢れる山であります。
○参考コースタイム:登り2時間40分(氷のトンネルコース)、下り3時間20分(北尾根コース)

●ピヤシリ山(987m):
広くなだらかな台地状の山にボコボコと奇岩が屹立し、大きな開放感と好展望が広がっています。全日本級のスキー大会で有名なピヤシリスキー場があるのは隣の九度山。名寄側から山頂近くまで車道が延びているものの、山ヤはこれを使わず下川側から歩いて登ります。登山口までの長い林道が判りにくく、私は1時間半ほどさまよったあげく、クルマの顎下ガリガリに(泣)。
○参考コースタイム:登り3時間30分、下り2時間20分(下川サンルコース)

●幌尻岳(ぽろしりだけ、2053m):
日本百名山最難とも言われる日高山脈の雄。標高こそ2000mそこそこですが、峻険な山稜と雄大なカールを抱いた景観は、北アルプスに負けず劣らずのもの。昨年は片道20kmの林道歩きが待つ新冠町側から、今夏は約20回の徒渉を伴う平取町側から登ってみました。それなりにハードではありますが、他の日高の山に比べれば道があるだけで御の字というもの。その先に待つ感動は、単に百名山の一座という位置づけをはるかに超えたものがあります。
○参考コースタイム:登り8時間40分、下り8時間50分(平取町側糠平川コース、戸蔦別岳経由)

——————と、いくつものシリとの出会いがあったわけですが、これ以外にもまだ魅力的なシリがたくさんあります。ちょっと指を折っただけでも、道北の利尻山(りしりざん)や敏音知岳(ぴんねしりだけ)、ピッシリ山、隈根尻山(くまねしりやま)、さらには別名オッパイ山とも呼ばれる西クマネシリ山……。さらなるシリの探求は来シーズンへと続くのであります。

(文・写真=長谷川哲)

 
 
ライター
Akimama編集部
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