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【どんなクルマでもキャンプにいける】インド製バレーノは個人的にも感慨深いクルマなのだ

2016.07.15 Fri

沖田雅生 アウトドアライター、編集者

どんなクルマでもキャンプにいける! vol.007 スズキ バレーノ

 まあボクが20歳の頃、とある理由でインドにひとり行くことになり、デリーの街に降り立つと、多くのインド人がボクを歓待してくれた。
「そうか、おまえは日本人か、マルチ イズ グウーーッドだよな!」
 ってなかんじ。マルチ? 何のことかわからないでいると、
「おまえ知らないのか? ホント日本人か、あれだよあれ!」といって指さす方向を見ると、スズキのアルトがとまっている。もう一度インド人の方を見ると(リキシャーワーカーなんだけど)、ほれぼれとした羨望のまなざしで目がうるうるしている(ホント)。

 インドは社会主義というか、共産主義というか、民族主義であって、外資の参入を当時はほとんど受け付けなかった。だからクルマといえば、すんごく重そうな鉄の塊タタという国産車がブイブイいわせていたのだが、ちょうどボクがインドに来る前の年あたりにスズキが日印双国の国策のもと「MULTI SUZUKI」という名前でたちあげ(この辺の話を鈴木勲会長がスピーチでポロッとしゃべったのだが面白すぎるが書けない)、アルトをマルチという名前で売り出したら、タタにあきていた富裕層が挙って飛びつき、インド中にマルチ旋風を巻き起こしたのだった。made in JAPAN はとにかくすばらしい! そんな日本人大歓待だ! といった感じ(ボクを歓待したというわけではないことがおわかりかと)。


2008年のデリー。マルチからスイフトにスイッチしていた。写真探していてもう8年も行ってないことに驚く

 で、2016年。ボクはとてもとても驚いてしまった。今年は驚くニュースが多い。
 インドでスズキはめざましい成功をおさめ、インドの国内販売シェア50%以上をしめている。インド国内工場のラインは広い大地を活かして真っ直ぐ豪快だ。そのインドで作られたクルマが日本に輸入され販売されるというのだ。

 そのクルマが「バレーノ」。このクルマ、インド市場のみを狙ったわけではなく、前回のフォード フィエスタとおなじくヨーロッパ市場を視野に入れたスズキの世界戦略車だ。



シャープでスタイリッシュなデザイン。まわりが田舎すぎるな……

 特筆すべきは、1000kgを切る軽い車体と新開発1リッターエンジン。走っていて、こりゃ軽いと口走ってしまった。そして1.6リッターNAエンジンの出力、トルクに相当するブースタージェットエンジン3気筒直噴ターボのきびきびとしたこと。スイフトと同じセグメントながら、会長曰く、スイフトのお兄さんのような存在といわれるだけ車内も広々、トランク(荷室)も想像以上に広く、スイフトとは比べものにならない。


左)シートも本当に広々サイズ 右)荷室は2段構造になっていて、クーラーボックスやテントも縦に余裕で納めることができる


インパネのマルチインフォメーションパネルの切り替えで様々な情報を確認できる

 インドではすでにバカ売れとのこと。インド製のクルマをスズキが入れたのははじめてのことだ。インドで作られたクルマを乗りながらリキシャーワーカーの熱い「マルチ イズ グウーーッド」よろしく「バレーノ イズ グウーーッド」ってつぶやいちゃったよ。

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