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来冬はこのブーツで決まり! Headのスノーブーツ「THE OPERATOR」を試してきた
2018.03.16 Fri
渡辺信吾 アウトドア系野良ライター
2月中旬、横浜パシフィコで開催されていたJapan Snow Expoを視察していたら、スキー場関係者からかなり注目を集めていたブーツがHead Snowbaordsから展示されていました。その名も「THE OPERATOR(オペレーター)」。今シーズンは少量が先行販売されていたらしいですが、本格的な発売は来シーズンだそうです。
この「オペレーター」はスノーボードブーツではなくスノーブーツ。ジャンルとしてはソレルのカリブーやダナーのリッジトップ、ザ・ノースフェイスのヌプシなどと同様に雪山で使うブーツですね。しかしこのヘッドのオペレーターがなぜ注目されていたかというと、靴紐の代わりにBoaシステム(The Boa® System)を搭載していることでしょう。
ちなみにBoaシステムとは、ダイヤル操作でワイヤーレースを巻き取り靴をフィットさせ、緩める時はダイヤルを引き上げるだけで一気に解放できるというもの。2001年からスノーボードブーツに採用され市場に登場し、今ではサイクリングシューズやゴルフシューズ、ヘルメットや医療用装具にも使われているシステムです。
スノーボーダーにはお馴染みのBoaですから、脱ぎ履きが簡単なことはスキー場関係の人たちには直感的に理解できます。紐のスノーブーツを履いている人でも脱ぎ履きが面倒なので、だいたいの人が上部はゆるゆるにして履いています。かくいう私もそう。
そんなゆるゆるに履いているスノーブーツも、いざ長時間歩いたり作業したりするとなると、しっかり上まで締め上げなければなりませんし、アクセル操作が必要なクルマや重機の運転では足首が動かせるように紐を緩めなければなりません。これがBoaになると締めるも緩めるも瞬時にできるのですから、雪山作業従事者が目をキラキラさせて注目するのもわかります。オペレーターという商品名もそんな雪山作業従事者を対象につけられたのだろうと想像していました。
ところが、Headの方に聞いてみたところ「確かにそういう側面もありますが、実は“Operate Everything”つまり『すべてを操作する』というネーミングなんですよ」とのこと。
The Operator - Probably the first Multisport Snowboard Boot from head snowboards on Vimeo.
公開されている動画を見ると、“あいうえお作文”風にネーミングしたような体ですが、最後にちゃんと“OPERATE THE COLD, OPERATE EVERYTHING”と語ってますね。
業界にどっぷりの私たちからするとついつい雪山の現場作業にぴったりと思ってしまいましたが、実際は雪山でのあらゆるアクティビティ、つまりスノーシュー、スノースケート、雪板、スノーモービル、ソリ遊びなどなど、なんでも対応できるということらしいです。「単なるスノーブーツというより、ウインタースポーツ・ユーティリティ・ブーツと表現してます」ともおっしゃってました。
なるほど、簡単にしっかりと締め付けられるソフトブーツだからこそ、スポーツアクティビティから作業、雪国での普段履きまであらゆるものに対応できるんですね。これはぜひぜひ試してみたいと思い、サンプルをお借りして先日雪山で試しに履いてきてみました。
まずは足入れ。ダイヤルを解放している状態ならタンを引っ張るだけで開口部が大きく開くのですんなり足入れできます。あとはダイヤルをポンと押し込んで回すだけでしっかり締められます。インナーのタンが外側にくる形状なので、いちいちタンの位置を気にしないで締められるのも楽です。
ソールの形状ですが、スタッドレスタイヤに似たようなトレッドが付いています。実際に履いて雪道を歩いてみましたが、大体のところは安心して歩けました。
この日は朝のうち雨が降っていたので、雨で濡れたアイスバーンも歩いてみましたが、これはさすがに滑りました。比較のためにスノーボードブーツやトレッキングシューズ、スニーカーでも歩いてみましたが、すべて滑りました。まぁ駐車したクルマさえズルズル動くぐらいの状況ですからこんなところはどんなブーツでも歩いちゃダメですね。
このブーツのもうひとつ大きなな特徴が、インナーの保温性です。メーカーの説明によるとインナーに使われているファイヤーテックという素材は-40℃でのテストにも耐え、さらにソールに埋め込まれたアルミニウムヒートシールドにより足からの熱を反射し保温するそうです。実際に履いていてつま先が冷えるような感覚は一切ありませんでした。
あと、ブーツ自体の硬さですが、しっかり締めた状態でもかなりフレックスがあります。スノーボードもできなくはないですが、少し心もとないですね。でもそれ以外のアクティビティなら、なんでもいけそう。ワイヤーレースを緩めればクルマのアクセルワークも問題ないですから、もうこれだけで家から山まで履き換えずに行けそうです。もちろん、個人的に購入決定です!
ちなみに、これを試し履きして撮影していたら、ここでもスキー場の社長さんや、パークのディガーさん、レンタルの人、ガイドさんなどなど「これどこで買えるの?」「いくら?」「マジ買うわ」とぐいぐい食いついてきました。まるでオペレーター(作業員)ホイホイw。やはり雪山で作業する人たちにはこれのメリットがすぐに理解できるようです。
来年の冬はこのブーツが一気に雪山でヒートアップするかもですよ。
【製品情報】
HEAD THE OPERATOR BOA
参考価格:20,000円+税
カラー :MEN=GREY, BROWN / WOMEN=GREY
発売時期:2018年9月予定
(取材協力:USP JAPAN)