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【A&F ALL STORIES】100年の積み重ねから生まれた「バスク」のフィット感

(2018.11.02)

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長く、なだらかなトレイルを歩くハイキングやバックパッキングは、広大な国土を持つアメリカを代表するアウトドア・アクティビティのひとつ。多くのブランド同様、バスクもまた、こうしたトレイルから生まれた。
「アメリカの国立公園に行くと、レンジャーがみんなサンダウナーを履いているんですよね。それがカッコよくて、自分でも手に入れて履いていました。個人的にも好きなブランドだったので、じつは何度かアプローチしたんですよ。でも、なかなかウンと言ってくれなくてね」

 バスク(VASQUE)との出会いをたずねると、A&Fの赤津孝夫会長はそんな風に話しはじめた。

 サンダウナーは、バスクが1984年に発表したオールレザーのバックパッキングブーツ。のちにアメリカの国立公園で働くパークレンジャーのオフィシャルブーツとなる、バスクを代表する名作だ。
放浪者を意味するサンダウナー(SUNDOWNER)は、1984年にデビューした。アッパーには2.4mmレッドウイングレザーとゴアテックスを使用。レッドウイングは革自体のメーカーでもあり、その製品は業界内で高く評価されている。赤津会長曰く「革にはとても誇りをもっていますね。ビーフは日常的な食べ物でもあるし、革を取った後の肉も食べます。無駄を出さないし、こだわりも強い。“靴に使うなら何歳の牛のこの部分”というように、用途もすべて決まっています」。ちなみに、アウトドアで使用する靴には、加工しやすく丈夫な2歳から3歳の若い牛の背中の革を使っている。「サンダウナーGTX」¥34,800+税
 ブランドがスタートしたのは1964年。ワークブーツ&シューズのメーカーとして知られる「レッドウイングシューカンパニー」のアウトドアフットウェア部門として立ち上がった。スタート時は旅人を意味する「ボイジャー」と名乗っていたが、商標の問題でこの名前が使えなくなり、'71年にコロラド州の山「Fort Vasques(フォート・バスケス)」にちなんだ「VASQUE(バスク)」へと名前を変えた。

「レッドウイングはミネソタ州の田舎町で、町の名前がそのままメーカーの名前になったんですね。他には何もないような小さな町です。100年以上の長い歴史があるメーカーで、革のなめしから自分たちのところでやっています。昔ながらのレンガ造りの工場がいまも動いていて、親子3代で働いているなんていう人もいます。バスクも、アメリカでアウトドアをやる人は誰もが知っていますが、そういう伝統があるブランドだからか、つきあってみるとけっこう保守的なところがありました」

 なかなか首を縦に振ってくれなかったのは、長い歴史をもつ堅物だったから? 何がきっかけで流れが変わったのか。

「古くからの知り合いで、ジョージ・ブラウンさんというアメリカの靴業界では神様みたいな人がいるんですが、あるときジョージさんがバスクのグローバルセールスマネージャーになったんです。それで、“お前のところでやらないか”って声をかけてくれた。渡りに船と飛びつきましたよ(笑)」

 ジョージ・ブラウンは、トレイルランニングシューズで知られる「モントレイル」の前身「ワンスポーツ」を創設したメンバーのひとり。いわば、トレイルランニングシューズの生みの親のような人物で、モントレイルで長く最高責任者を務めたのちにバスクに移ってきた。赤津会長とはワンスポーツ時代からの知り合いだという。A&Fは多くのブランドを扱っているが、会長の交友関係から仕事に発展していったというケースが少なくない。話を聞いていると、毎回のように、その顔の広さに驚かされる。

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ライター
Akimama編集部
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