line_box_head

フィットの未来を再定義するBoaの挑戦 ─ パフォーマンス向上を科学的に検証

(2019.10.17)

道具のTOP

icon

 2001年にK2、VANSのスノーボードブーツに初めて採用されマーケットに登場し、今やサイクリングやトレイルラン、ゴルフ、バドミントン、卓球、安全靴などさまざまなジャンルで採用されているBoaフィットシステム。ダイヤルでレースを巻き取りフィットを調節するこのシステムは、「簡単で便利」という点が取り沙汰されがちだが、登場から20年近い時を経て改良改善を続けてきたBoaフィットシステムは、もはや簡単便利というメリットにとどまらず、ギアの性能を引き出し、ユーザーのパフォーマンスを向上させるための「ハイパフォーマンスフィットソリューション」へと進化しているのだ。

 先日リリースされた報道資料によると、Boa Technology社(本社:米国コロラド州デンバー 以下「Boa社」)は、パフォーマンスフィットラボという研究施設を設立し、デンバー大学とともに『Boaフィットシステムによるパフォーマンス向上を運動生体力学の観点から科学的に証明』しようとしている。

 初期の研究では「敏捷性とスピード」という点に重点を置きデータを集めたそうだ。従来の紐シューズとの比較のみならず、アッパー構造についても4パターンのサンプルを作り比較。しかもNCAA デヴィジョン1やクラブチームに所属する優秀な31名の学生アスリートを被験者とすることで、より高レベルなテストを行なったという。この結果、トライパネル(三面ストラップ)構造のアッパーを用いたBoaフィットシステムのシューズで、アスリートの筋力、速度、およびパワー伝達が1.5~5%向上することが証明された。

AGILITY AND SPEED(敏捷性とスピード)の研究。すばやい方向転換やステップが求められるのトレイルランニングやコートスポーツのためのテスト

 この初期研究の成果は、Boa Technology社とパートナーシップを結ぶ各メーカーにも共有され、製品開発に生かされている。紐の置き換えではなく、パネル構造のアッパーとの組み合わせで実装した製品としては、ニューバランスのトレイルランニングシューズに、ヨネックスがバトミントンシューズに採用してすでに発売されている。これらのシューズを使うことでアスリートは自信を持って、より速く、よりパワフルに方向転換することが可能となるそうだ。

  • New Balance Fresh Foam Hierro M Y
    超長距離のトレイルランニングで直面する多彩なサーフェスにアジャストする最適なフィット性をスピーディに提供できるように、すばやい調節が可能なBoaフィットシステムを甲部と踵部にダブルで搭載。科学的に効果が証明されたトライパネル構造を採用。
  • YONEX Power Cushion Infinity
    すばやい切り返しが必要となる近代バドミントンに対応するねじれ剛性の高いシューズ。2つのダイヤルを配置し、パネル構造のストラップとの組み合わせで足首周辺はしっかりと、つま先部分は柔らかく締められる設計。

 日本支社であるBoa Technology Japan代表の和田氏にインタビューしてみたところ次のように語っていただいた。
「シューズを作るメーカーは、アウトソールやミッドソール、アッパーなどの構造や素材によりその競技や運動に適したパフォーマンスを引き出そうとしています。それはスタビリティであったり、トラクションであったり、パワー伝達であったりします。そのためには正しく精密なフィットが不可欠であり、Boaフィットシステムならそれができるということです。しかも従来の紐にはできないコンフィグレーションがBoaならできる。さらにそのベネフィットが科学的に検証できれば、メーカーのシューズ作りに対する概念も大きく変えられシューズというギアは革新的に進化するはずです。優れたパフォーマンスの製品の製造をサポートするためにデータを提供することで、パートナーと新しいカテゴリー、新しいレベルでのコラボレーションが可能になるのです」。

 Boa社のパフォーマンスフィットラボは、2,700平方フィート(約76坪)の面積を有し、デンバーのBoa本社社屋に隣接。この研究施設には950平方フィート(約27坪)のモーションキャプチャスペース、代謝測定器、床に設置されたフォースプレート(床半力センサー)、屋内のハイキングパス、計装自転車とトレッドミル、トラックマンなど、生体力学データを測定するための最新のツールが装備されている。これまでの「敏捷性とスピード」の研究に加え、新たに2つのカテゴリー、ゴルフなどに求められる「パワーと精度」、ランニングや登山などに求められる「持久力と健康」についても検証を進めているという。2020年以降は、これらの成果を元に、テニス、登山、安全靴などさまざまなジャンルで革新的なギアが登場することになるという。

POWER AND PRECISION(パワーと精度)の研究。パワーと同時に動作の再現性が求められるゴルフのようなスポーツのためのテスト

ENDURANCE AND HEALTH(持久力と健康)の研究。エネルギーの循環と効率を求められるランニングなどのためのテスト

 スノーボード、トレイルラン、登山、サイクリングなどを楽しまれるAkimama読者にとっても、ギアの進化はアクティビティの楽しみ方の幅を広げるひとつの要因となる。「Boa=簡単・便利」という認識の先にある、「Boa=自分のパフォーマンスを押し上げる」という視点から、Boa搭載製品をチョイスしてみてはどうだろうか?

 
 
ライター
Akimama編集部
line_box_foot