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【毎日コフラン】「コフラン的な、あまりにコフラン的な」。藤原祥弘のコフラン第2位は……テレスコーピング フォーク

(2019.06.11)

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リーズナブルかつ実用的なものを生み出してきたコフランだが、その膨大なアイテムのなかには意表をつくものも潜んでいる。そしてその道具が真面目に開発されたものか、シャレで作ってみたのかつかめないところがコフランのすごいところである。

 アウトドアブランドは、その発するメッセージや生み出す商品群、売り方などによって、「人がら」のようなイメージを帯びる。

 若々しい野心的なビジネスマン、妥協を許さない職人、バランス感覚のよいベテラン……。

 そして、私がコフランに対して抱くイメージは「ものづくりが好きな、昔気質のアウトドアおじさん」だ。

 無いものは作る。欲しいものは作る。思いついたら即作る。ベテランのコフランおじさんは、王道を行く機能的なものも作るが、なにぶんおじさんなので、ちょっとストライクゾーンを外しちゃったりもする。それも、豪速球で。

 その「ちょっと外れた豪速球」のなかでもコフランらしいのが「テレスコーピング フォーク」だ。

 この道具の機能は「食材を刺して焼く」というただ一点。先端は鈍角だから刺せるものは限られる。ほぼ、ウインナーとマシュマロの専用フォークと言っていい。

 単機能かつ用途が限定的なくせして、ぐいぐい伸ばせる伸縮機構が付いている。そしてハンドルの赤いダイヤルを回せば、先端に刺した食材がクルクル回転する。なんだよ、それ!!

 しかも、この回転機能のせいで、動きがスムーズすぎる個体では食材の重みで勝手に回ってしまう。焼きが甘い側を向けてもクルリン。もう一回まわしてもクルリン。

 そんなわけで、このフォークを手にした人はハンドルを握りつつ親指で赤いダイヤルをぎゅっと押さえたままウインナーやらマシュマロやらを焼くことになる。

 その反面、食材につきっきりになるから上手に焼ける。手間をかけたぶん食材への思い入れも生まれる。素朴な焚き火料理がちょっとしたイベントになる。

 このフォークを初めて手にした小学生の息子は「木の枝でよくねぇ!?」と言いつつ、ゲラゲラ笑いながらウインナーをグリングリン回して焼いた。

 そう、焼くだけなら木の枝でもいい。でも、木の枝ならその笑いは出なかった。

 この道具は、機能そのものより込められた「遊び心」に価値がある。ビヨ〜ンと伸びて、グルグル回るから楽しいのだ。食材を美味しくする道具はたくさんあっても、楽しくする道具はそうはない。

「面白そうなものを思いついたらひとまず作ってみる(売れるかどうかは作ってみてから考える)」

 テレスコーピング フォークは、そんなコフラン・マインドを体現する道具のひとつである。

 


 

◼︎コフラン テレスコーピングフォーク9670
価格:820円(税込)
サイズ:315〜860mm

 
 
ライター
藤原祥弘

野生食材の採集と活用、生活技術につながる野外活動などを中心に執筆とワークショップを展開。twitterアカウントは@_fomalhaut

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