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軽い!でかい!でもコンパクト。焚き火用フライパン作ろうぜ

(2019.11.14)

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 家族や仲間たちと釣りをしながら海辺をまわる旅では、大型のフライパンが活躍する。クッカーよりも幅広なフライパンは、魚の調理や炒め物がしやすく、底面が広いので熱効率が高い。熾火の上での安定感も良い。

 獲った魚を丸ごと海水で煮るマース煮。テナガエビを炒めたパスタ。巨大な甲殻類の塩茹で。こんな調理は広口で深さのあるフライパンだから楽しめる。

 オートキャンプなら家で使っているものをそのまま持ち出せばよいけれど、自分で荷物を担ぐ旅ではそうはいかない。なるべく軽く、仕舞い寸が小さいものが必要だ。しかし、アウトドア界には大容量で、魚が丸ごと入って、軽くて収納性の高いフライパンがない。

 なければ作ればいいじゃない! ということで、この数年使っているのが自作したフライパン。フライパンの自作と言っても、作業はパーツを3つ取り除くだけ。なにも難しいことはない。

 自作するならまずは近所でアルミ製の軽めのフライパンを入手しよう。直径は26〜28cm程度で、立ち上がりは深めのほうが使いやすい。なお、高級店より街のスーパーのキッチンコーナーのほうが、目指すペラペラフライパンが売られていることが多い。

今回白羽の矢が立ったのは698円のフライパン。ンまー、お安いですわね、奥さん!

 家に帰ったら柄を固定している3個のリベットをディスクグラインダーで飛ばし、パン部分と柄を分離する。リベットを取り去ると穴があいてしまうので、残ったリベットは叩いて潰して残しておく。「ディスクグラインダーなんて家にないよ!」という人はホームセンターの工作室を利用するか、金切鋸を使おう。金切鋸は数百円で購入でき、アルミは柔らかいので簡単に切断できる。

 作業すること10分。大口径軽量フライパンが完成! 本体重量は約360g。グループの食事を作ることを考えれば、重量に対して得られる効果は大きい。

「ハンドルが無くなっちゃったじゃんか!」今、あなたはそう思っているかもしれない。しかし案ずるな。あなたの道具箱には携帯できるハンドルが入っているはずだ。トランギアでもMSRでもいい。旅に出るときはどうせ他のクッカーも持っていくのだから、ハンドルは兼用で十分だ。

 蓋は薄手のアルミ製がおすすめだ。よりコンパクトになるようにツマミを自作しよう。蓋はベニヤ板を切り出したり、アルミ箔を使ってみたりもしたが、ベニヤ板からは怪しげな汁が染み出し、アルミ箔は調理のたびにゴミになった。昔っから使っているので汚いのはご容赦。ツマミは熱で溶出しない素材がいい。

 それでは、このフライパンでアクアパッツアを作ってみよう。ニンニクでオリーブオイルに香りをつけたら、魚を投入して両面を焼き付ける。そこにアサリと日本酒を入れて蒸し、頃合いを見てシメジとトマトとバターを投入。煮込んでスープを乳化させ、塩とコショウで調味すれば完成だ。アクアパッツアは白ワインより日本酒のほうがすっぱくなりすぎないぞ。

 魚を丸ごと使うこんな料理では、大口径のフライパンが使いやすい。柄がないからパッキング時の収まりもいい。海辺を長く歩く人やシーカヤッカー、探検部に有用な道具だと思う。

 
 
ライター
藤原祥弘

野生食材の採集と活用、生活技術につながる野外活動などを中心に執筆とワークショップを展開。twitterアカウントは@_fomalhaut

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