line_box_head

【アクションカムで自然観察】Misson:1 ユリカモメの羽ばたきに肉薄!

(2020.03.11)

道具のTOP

icon

 いまやアウトドアシーンで日常的になったアクションカム(もしくはウエアラブルカメラ)。でもその使い道って、登山やスノボやカヤックで「俺カッコイイ!」を撮ることだけ?
使用機材はSONYアクションカムHDR-AS50。今回はフルハイビジョン/60p撮影と、1秒間隔で静止画が撮れるタイムラプス撮影を利用した。

 私が目をつけたのはアクションカムのサイズ。これなら気軽に、野生動物にプレッシャーをあたえず、あるがままの姿を記録できそうだ。身近でありふれた生き物であっても驚きの生態を見せてくれるかもしれない。第一回は、冬の水辺でおなじみのユリカモメを追った。

君は、羽ばたきの真実を見たか?

 四国の香川県西部を流れる財田川。その、瀬戸内海まであと400mという河口域では、冬から春にかけて北国から水鳥が飛来し、越冬する。なかでも多いのがユリカモメだ。

 その白き衣はとても美しく、近所の方や子どもたちが、パンくずで餌づけをしているのか、この河口域では人影があるとユリカモメが群がってくる。そこにアクションカムを設置し、無人撮影すれば、おもしろいものが見られそうだ。

 まずは、橋の欄干にセットしてみた。上の写真のようにユリカモメが密集して並ぶので、接近撮影は簡単そうだったのだが……。

 これ以上は近寄ってくれない。欄干に着地するとき、邪魔だなあとカメラを避けているのか。では、スペースに余裕のあるコンクリート堤防の上ならどうだろう。
段ボール紙と結束バンドを使って簡易のカメラ台をつくった。アクションカムが風で飛ばされないようにレンガを置いた。
 が、これにも近寄ってこない。「あの見慣れぬ物体は何?」と警戒しているようだ。たしかに、猫が待ち構えているように見えなくもない。
三脚にアクションカムをセットして堤防に放置。
 シンプルに、「なにげに棒を堤防に立てかけた」風にしてみるとこれが正解。1秒間隔で撮影すると、ユリカモメの羽ばたきに肉薄できた。
人影があるだけで、「なにかもらえるかも!」と殺到する財田川河口のユリカモメ。多様な表情を見せる翼の形状。自由自在な飛翔の秘密は、驚くべき翼の柔軟性にあるようだ。右手前のユリカモメは今まさに空中に浮かぼうとしている。

 動画に切り替えて撮影していると、近所の人がパンくずを投げながら登場。ユリカモメ、ちょっと狂気を感じさせる騒ぎに。

 ところで、野鳥の餌づけは賛否のある行為です。けれども、否であっても、ユリカモメに餌づけする人はいなくならないでしょう。今回撮影した財田川河口(じつはわが家の目の前)では、1〜3月のあいだ、一週間に一回ぐらいユリカモメにパンくずをあげる人がいるようです。
ユリカモメの衣替え。別の鳥に見えますね。

 春をすぎるとユリカモメの顔は黒色に変わり、そしていつの間にか財田川から姿を消す。渡った先の北国では夏を満喫しているらしい。昨年の初夏、私はヘルシンキ(フィンランド)の港市場でこんな盗み食いを見た。
 
 フリッターに比べると、小さなパンくずなどはずっとヘルシーですよね。

(文・写真=大村嘉正)

 
 
ライター
大村嘉正

四国の瀬戸内海暮らし。仕事は自然・旅系ライター&フォトグラファーで、生きかたはバックパッカーでリバーランナー。著書はラフティングガイドたちの1年を追った『彼らの激流』(築地書館)。

line_box_foot