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ものを長く使うことの素晴らしさを改めて考える パタゴニア「Worn Wear」

2013.12.04 Wed

林 拓郎 アウトドアライター、フォトグラファー、編集者

 現代社会では大量生産・大量消費が当たり前。どこもかしこも、買って買っての宣伝合戦です。僕らはまさに、その潮流のまっただ中にいることは否定できません。

 その一方で、こんな考え方もあります。決して物質文明や現代の便利なものごとに背を向けるのではなく、適度な消費と便利な生活の良いバランスを探すことができるのではないか。たとえばムービーの中で、こんな発言が出てきます。
「衣類を買うときにできる最も責任ある方法は、第一にユーズドを買うことだ。それが製造されたとき、環境に影響が与えられてしまっているのだから」

 衣類を長く使うこと。修理しながら、お下がりを廻しながら、本当に新しいものが必要になるまで使い続ける。ムダに消費しないことも、今や消費者の責任として考えるべきなのではないか。便利なものを捨てるのではなく、それがそこにあるなら大事にすることを考える。使える限り、ものの寿命をまっとうする。

 15年も修理されながら愛用されたサーフショーツ、6年も一緒に旅をしている帽子、人生のイベントの目撃者としてそばにあり続けるジャケット、お下がりとしてたくさんの子どもの身体を包んできたビブパンツなどなど。

「Worn Wear」、つまり「着古されたものたち」と題されたムービーは、パタゴニアがリリースしたもの。サブタイトルは「着ることについてのストーリー」。ひとつのものを長く、大事に使うことに豊かさを感じる。そんな映像に仕上がっています。

 自然や外遊びが好きな僕達としては、衝動のままに新しいものを買うのではなく、ちょっとだけ立ち止まることも意識したい。そしてもう一度手元に何があって何が必要なのかを考え直してみたい。そんなことを思わせてくれるムービーでした。

 クリスマスや年末年始を控えて、ついつい物欲のとりこになってしまいそうなこの時期。是非とも。

 

Worn Wear:着ることについてのストーリー

詳しくはこちらへ。
パタゴニア製品にまつわる 色あせないストーリー
http://wornwearjapan.patagonia.com/

林 拓郎 アウトドアライター、フォトグラファー、編集者

スノーボード、スキー、アウトドアの雑誌を中心に活動するフリーライター&フォトグラファー。滑ることが好きすぎて、2014年には北海道に移住。旭岳の麓で爽やかな夏と、深いパウダーの冬を堪能中。

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