数多く野外フェスが開催されているけれど、海外からアーティストを招聘しているフェスは、あまり多くない。「子どもから大人まで家族連れでも楽しめる空間作りを提案するミドルサイズの野外音楽フェス」がsea of green。ここだけにしかないライナップが目を引くキャンプインフェスだ。

　sea of greenは2003年に大阪のクラブでパーティーとしてスタートした。その後、野外フェスへと移行。パーティーから進化したことが、国内外のアーティストをミックスしたラインナップに現れているに違いない。

「sea of greenのコンセプトとして、この数年は、『遊びやすいサイズ感』という言葉を使っています。わかりやすく言うと、すべてのセレクトおいて会場に適したバランスが保たれている、ということです」と語るのはオーガナイザーの中本勝己さん。

　兵庫や奈良、滋賀などのキャンプ場を会場としていたものの、去年から福井県の麻那姫湖青少年旅行村中島公園に移っている。

「キャンプがてらに開催場所を探していた時、道に迷ってたどり着いたのが麻那姫湖でした。見た瞬間ココだと思いましたね。お宝発見！した感じになりました。まず会場までの道が最後まで両側通行、そして極端な坂道がない。インターからのアクセスの説明が簡単。敷地が盆地のようになっており外部から入りにくい、そして会場内のアップダウンが少ない、会場の整備が常にされている。駐車場、フロア、テントサイトのレイアウトを作りやすく、大きくも小さくも使える。そして一番の決め手は民家までの距離で、1000〜2000人ぐらいにしっかりとした音圧で鳴らすことを想定したら十分な距離があります」

　オールナイトの野外フェスの開催が少なくなっているなかで、sea of greenが稀少で魅力的に感じるのは、かつてのパーティーの雰囲気を継承しつつ、ファミリーも楽しむという今日的なビジョンを共有しているからに違いない。

「いろいろなことで枠を作ってしまいがちな現実社会の中で、それが部分的にはあまり意味がないことをsea of greenを通して感じてくれればいいかなと思います。いろいろな個性があるから楽しい。そんな人たちが集まるから何か新しい物や感覚が生まれるのでは？その瞬間の集まりでしか生まれない予想できないグルーブ感や多幸感はフェスやパーティーの一番の楽しさだと思います」

　今年、このフェスに出演するrovoの勝井祐二さんは、sea of greenについてこう口にしていた。「かつてのメタモルフォーゼの雰囲気に近い」。参加する人にとって居心地がよくて遊びやすいオールナイトフェス。それがキャンプをしてダンスミュージックを楽しむ場としてのsea of greenなのだろう。

sea of green

開催日時：10月15日（土）12時〜16日（日）20時
会場：福井県・麻那姫湖青少年旅行村中島公園
出演：Dorian Paic（from Germany）、MINILOGUE（from Sweden）、Chris Coco（from UK）、MANDAR（from France）、Dana Ruh（from Germany）、Mungolian Jet Set（from Norway）、DBX aka Daniel Bell（from USA）、ROVO、Polaris、スチャダラパー、YOUR SONG IS GOOD、never young beach、D.A.N.、水曜日のカンパネラ、他