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夏の川遊び、河童に気をつけて! エディラインという魔物のお話し

(2016.07.17)

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 猛暑になると増えるのが、「川で泳いで溺れた」という哀しいニュース。さて突然ですが、ここで問題。

 遊泳中の水難事故は、川のどんな場所で多いと思いますか?

 じつは、見るからに危ない流れでの事故は少ない。わざわざ泳ごうという人はあまりいませんよね。逆に、一見穏やかな川面で溺れるというのが多いのです。

 たとえばここ。四万十川の勝間沈下橋の下流側。沈下橋からの飛び込みスポットとして知られていますが、川辺の地元民は「飛び込むなら必ず救命胴衣を着けて」と願っているのです。つまり水難事故が大変多い場所だということ。

 なぜ、こんな穏やかな川面で人は溺れるのか。そのキーワードが「エディライン」。リバーランナー(カヤックやカヌー、ラフトボートで川下りする人々)にはお馴染みのこの言葉、直訳すれば「反対方向の流れの境界線」なのですが、よくわからないでしょうから画像で説明しましょう。

 川の流れのなかに岩などの障害物があると、その岩の下流側には淀み(エディ)ができます。このエディと流れとの境界がエディライン(上、下写真の赤線)。

 エディラインでは水の動きが複雑で、川底へと沈んでいく流れも発生します。人がここに入ると、まるで「河童に足を掴まれて引きずり込まれるように」沈んでしまうのです。河童伝説の元はエディラインではないかと、私は常日頃から思っているのですが……。

彼女のようにカヤック用の救命胴衣着用なら、飛び込みもオッケー

 さて、このエディライン、有るのか無いのか判りにくいことも多々あります。四万十川の勝間沈下橋の下流(上の画像)もそのひとつ。大河の場合、水の流れのボリュームがあるので、エディラインがはっきり見えなくても、沈めようとする力は強い。とにかく、川の流れの速度が異なっていたら、その境界にエディラインは存在するのです。

では、目視しにくいエディラインで溺れないためには?

1カヤックやカヌー用のPFD.(パーソナルフローティングデバイス、救命胴衣ですな)を着用する。これでほぼエディラインでの水難事故は防げます。
2エディラインで沈められてもあわてない。.

地元の川ガキなどは、エディラインを利用して潜る子もいるぐらい。いったん潜って、エディラインから外れたら大丈夫。とはいえ、これは川に慣れた人向けの技ですね

 ともあれ、川にエディラインという魔物がいることを知っているだけでも、水難防止に役立つはず。川遊びに出かけったら、まずその水面をよく観察することをお勧めします。

 
 
ライター
大村嘉正

四国の瀬戸内海暮らし。仕事は自然・旅系ライター&フォトグラファーで、生きかたはバックパッカーでリバーランナー。著書はラフティングガイドたちの1年を追った『彼らの激流』(築地書館)。

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