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【短期集中企画】MERRELL アークティック・グリップ インプレッション 〜その3 北海道車泊放浪の旅 編〜

2017.02.05 Sun

濡れた氷の上でも滑りにくいと評判のMERRELL「MOAB FST ICE+ THERMO(モアブ FST アイスプラス サーモ)」と「AURORA 6 ICE+ WATERPROOF(オーロラ 6 アイスプラス ウォータープルーフ)」。このシューズをアウトドアライターたちが取材の現場に持ち込み、リアルな感想をお届けする短期集中連載。最終回となる第3回は、全天候型フリーライター・ホーボージュンさんが北海道でインプレッション。今年は痛い思いをしないですんだようです。

 

【ARCTIC GRIP IMPRESSION 3】
——雪国実地インプレッション——
滑らない。そしてドライビングに最適。これぞ真冬の放浪旅シューズ

 おいっすホーボーっす。
 去年はアジアをあちこち旅して回っていたけど、今年もやっぱりほーぼー行ってる。毎年僕は冬になるとワンボックスカーに犬とスノーボードを積み込み、低気圧とパウダースノーを追いかけて雪山を旅する。今年は正月明けから北海道に渡っていて、いまこの原稿を書いているのは大雪山系の麓にある道の駅だ。

暖かい寝袋があれば、車を留めたところがその日の家だ。夏は海を旅して、冬は雪山を漂うのだ

犬の散歩を兼ねて北海道の里山を歩く。200メートルほど標高を稼げば、遙か彼方まで平地が広がる様子を見渡すことができる。なだらかな丘からでも、この大地の広さがよく分かる

 この時期の北海道は最高気温が氷点下なんて当たり前。昨夜はなんとマイナス28度まで冷え込み、鼻毛がマチ針みたいに凍り付いて、息をするたび痛かった。夜中に立ちションをしようと思ってジッパー開けたら、シベリア寒気団が流れ込んでおもわず貞操の危機を感じたほどだ。

大雪山の麓・東川町の道の駅で。夜中にトイレに起きたら、温度計はマイナス19.1℃。街を散歩すると、製材所の屋根からはつららが所狭しと伸びていた。ここでは、すべてのものがガッチガチに凍りつくのだ

 さっき抜けてきた国道40号の電光掲示板には「路面温度マイナス15度」の表示が出ていた。凍り付いてツルツルに光る峠道のドライブはいつも冷や汗ものだが、それは歩いている時も同じ。ちょっと油断をしてると派手にすっころぶ。そんな旅の暮らしを支えてくれているのがメレルの新作だ。

 この「モアブ FST アイスプラス サーモ」がアウトソールに採用している「アークティック・グリップ」という特殊素材はアイシーな路面で強大なグリップ力を発揮する。僕も「氷の上でやたらグリップするシューズがある」という噂を聞いてメーカーの氷上デモンストレーション動画なんかを見ていたのでその性能は知っていたが、実際に現場で使ってものすごくビックリした。なにしろ「ほんとうに」滑らないのだ。


 雪国の風景は僕ら都会人には一見同じようにみえるけど、じつは路面は千差万別で、「絶対に滑る場所」「なにがなんでも滑る場所」というのがある。スタッドレスタイヤに磨かれた交差点や横断歩道、風の強い橋の上、コンビニの出入り口、大型スーパーの立体駐車場、日中陽が当たる南斜面などはピカピカのツルツルで、まるでスケートリンクだ。

信号も街灯も、車のライトも全部照り返す。それほどつるっつるのびっかびかだ。クルマは四足だから走れるけれど、二足の人間は身動きがとれない。故にクルマと同様のスタッドレス的なシューズが必要になる

 特にミラーバーンの上にうっすらと雪が乗った様な状況はヤバイ。僕は毎年派手にすっころんでヒジやおしりを(涙が出るほど)打ちつけるんだけど、今年はまるでちがう。凍った歩道を歩いても、小走りに走っても、ほろ酔いで裏町を徘徊しても、まるで普通の圧雪路を歩くようにスタスタと歩けてしまったのだ。
なにしろ滑らない。とにかく滑らない。まるで滑らない。どこかのお笑い芸人に履かせてやりたいぐらいだ。

クルマでの放浪旅にとって、ドライビング性能を無視することはできない。ビーサンでもスニーカーでも、運転しやすい靴に履きかえれば良いと思うだろうが、北海道の寒さをなめてはいけない。足元ヒーターを全開にしても床下から強力な寒さが這い上がってくる。防寒性は、快適なドライビングに直結しているのだ

 もうひとつ嬉しかったのが「外観はふつうの靴だ」ということ。クルマを運転する時も、繁華街を歩くときも、ホテルやレストランに入るときも存在を気にせずにすむ。これは通勤や通学で使う人、お客さん相手の商売の人にはうれしいんじゃないかな。僕は真っ黒のモデルを履いていたけど、これなんかはオフィスビルやレストランで履いていてもまったく違和感がなかった。“雪国の普段暮らし”にジャストフィットなのである。
また旅人目線で見てもこのデザインは嬉しい。現地へのアプローチには飛行機や列車を使うことも多く、そんな時にはボア付のスノーブーツではゴツ過ぎる。颯爽と動く旅人の足元にもコイツはよく似合う。

 そして個人的に高く評価したいのが、ドライビングシューズとしても優秀なこと。僕のスノートリップはクルマでの移動と車中泊が大きな柱なんだけどミドルカットのこのモデルは運転にまったく支障がない。パウダースノーの中を歩く時や雪かきをする時には「やっぱりハイカットが欲しいなあ」と思ったけど、それは歩きやすさとのバーターだ。カジュアルさと汎用性を考えるとこのミドルカットはなかなか秀逸である。

 雪山の危険はスティープな大斜面にだけあるのではない。じつはコンビニを出たすぐ足元に潜んでいたりする。アークティックグリップで足元を固め、安全で快適なスノートリップを楽しみたい。

 

文/ホーボージュン
全天候型フリーライター。6,000mの高所登山からシーカヤックの外洋航海まで、フィールドとスタイルを問わない自由な旅を続けている。『山と渓谷』『ビーパル』『PEAKS』『Field Life』などアウトドア各誌で連載中。

Twitter https://twitter.com/hobojun

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