- アクティビティ
【ママランナー フィールド復帰への道 ── 私らしいライフスタイル】④産後フルマラソンに挑戦!
2020.06.11 Thu
マリコ トレイルランナー
ランナーを名乗りつつ、トレイルランニングの大会には出場していたものの、じつはフルマラソンは未経験。42.195㎞の完走は、人生でいつかチャレンジしたいことのひとつでした。走るなら少しでも体力があるうちに! と思い、妊娠発覚前にエントリーをしていたのですが、レースが安定期前なこともあってDNS(*1)をしていました(妊娠中でも走っている人はいますよね。ですが、はじめての妊娠中にはじめてのフルマラソンを完走する勇気は私にはありませんでした)。
(*1) Do Not Start。スタート前に棄権すること。DoではなくDidを使う場合も。
DNSしたその大会をリベンジしようと再エントリー。いよいよその日が迫ってきました。大会は出産後約6ヶ月の出来事です。
題して “マリコ的フルマラソン完走プロジェクト!”
【練習】開催2ヶ月前〜当日まで
▶︎10~15㎞/週に1回程度
▶︎20㎞のジョグ/合計3回(長距離に慣れていないままのフルマラソンは不安だったため、夫に頼み込んで時間をもらいました)
▶︎パーソナルトレーニング/合計2回
▶︎整体/産後2ヶ月以降に月1回
フルマラソンを走るには圧倒的に少ない練習量です。しかし、これ以上の練習時間を確保=子どもを預けすぎ? という想いが「罪悪感」になると判断し、自分にとって心地いい練習時間の選択をしました。
【大会当日】
完走をめざすためのポイントは2点。
授乳は起床後すぐと帰宅後すぐの2回にしました。少し前から、ミルクの量(1回260㎖~300㎖程度)を増やしたところ、授乳回数が格段に減りました。母乳よりミルクのほうが好きだそうです。
お出かけセットや朝の離乳食(1回食)、ミルクなどはすべて準備しました。夫は応援に来ないだろうな、と諦めていたのですが、なんと応援に来る気満々ではないですか! こういうときの、夫のフットワークの軽さには頭が下がります。
【当日のおおよその行程】
6時00分:起床後、たっぷり授乳し、離乳食を準備(1回食)。
7時00分:再度授乳し、出発。
9時00分:マラソンスタート。夫は応援のため自宅を出発。
10時00分:夫がスタートから10㎞過ぎの河川敷に到着。
10時10分:子どもと夫の応援を見つける! 一気に笑顔へ(子はミルクの時間と重なり、ご機嫌斜め)。
11時45分:30㎞地点で再度応援パワーをもらう(往復コースのため、応援場所変更なし)。
12時50分:ゴール!!
14時00分:会場を出発し、帰路へ。
15時頃:帰宅し、即授乳(胸はかたかったですが、かたくなりすぎませんでした)。
家族を見つけて、思わず笑顔な私。
朝、たっぷりと授乳をしたので、胸が張らないことと何度もトイレに行きたくならないことを願って、準備は万端。
※授乳が滞ると、乳腺炎になる可能性があります。乳腺炎とは、母乳が乳腺内に溜まることで発症し、乳房の腫れや痛み、熱感を引き起こす事象です。初産婦に多くみられ、私も生後3ヶ月のころに一度なりかけたことがありました。胸の痛みと38.5度の高熱を伴い、母乳外来に駆け込み、マッサージを施してもらいました。乳腺炎の予防としては、乳房の中に乳汁が溜まりすぎないよう、適度な授乳、または搾乳をすることです)
一定のペースで坦々と走ることが得意なので、スタート後は黙々と走ります。事前に何回か20㎞を走っていたこともあり、そこまではすこぶる順調。10㎞ごとにジェルも摂取します。あつかったので、エイド毎に水分も摂取。友人いわく、紙コップで水を飲むポイントは「飲み口を折って飲む」とのこと。
25㎞~35㎞までは、少しペースが落ちたものの足に違和感もありません。走れる高揚感、フィールドに戻ってこれた嬉しさ。そして、苦しくなると応援してくれる家族や友人、お世話になっているシッターさんを思い出しました。
35㎞~40㎞は、足が前に出ていかない感覚を覚えました。気持ちは前を向いていても、足がついてこない。タイムに顕著に出てしまっています。
練習していなかった25km過ぎからがくんとタイムが落ちているのがわかります。
40km以降は、もう気持ちだけだなと思って走りきった感じです。ゴールをくぐる達成感は、やはり母になっても変わらずに嬉しいもの。そして、応援してくれた人たちに完走報告をできる安心感もありました。すっかり忘れていましたが、胸は特に異変ありませんでした。
記録は3:52:53! 運動量の割に、4時間を切ることができて、まずまずの結果ではないでしょうか。
※裏話
このフルマラソン、夕方から急用が入ってしまい5時間以内に走り切らないと間に合わない、という切羽詰まったものでした。DNF(*2)は絶対にしたくなかったので、かなり必死でした。何かに追われるとがんばれるタイプです。
(*2) Do Not Finish。競技の途中で棄権すること。DoではなくDidを使う場合も。ちなみに、DQ/DSQ(Disqualified:競技失格になること)というのもあります。
応援風景。6ヶ月のわが子も応援してくれました。
フルマラソンを完走してみて感じたことは、まずは「諦めなくてよかった、やればできる」です。
これは出産する、しないに関わらずですが、日々の生活のなかで「走るぞ」という決意がないとつい疎かになってしまいます。気持ちと時間をつくれず、負けそうになったこともありましたが、なんとか気持ちを保てたことが完走に繋がったと思います。
ママはみな、出産した途端に子ども優先の生活となりますよね? いきなりギア100%で子育てがスタートし、いままでの「自分だけ」の時間はなくなります。
私は子どもが大好きなので、子育てはとても楽しめていると思います。ですが、ここで無理やり時間をつくることは「子育てをがんばりすぎない」ためにも「今後の自分」のためにもあっていいと思うのです。
とくに男の子だと、小学校高学年くらいになったら、もう母とは遊んでくれなくなるかもしれませんし、数年後には恥ずかしがって手を繋いでもらえないかもしれません。そうしたら「いま」母とべったり過ごすことが大切かもしれない。
しかし、子育てだけをしていると「してあげた」気持ちばかり残ってしまいそうで、ちょっと重たいかなという想いも……。
いま、私にはランニングという趣味があります。その趣味を細くとも長く続けることで、子どもに、子育てしながらも自分の時間を楽しんでいる親を見てもらい、「人生ってこんなに楽しいんだ!」と感じて育ってくれたらうれしいなと思いました。
とはいっても、まだ生後半年。ママ歴も半年。これからお喋りもはじまり、もっともっとかわいくなる時期がくるはずなので、ころっと気持ちが変わるかもしれませんけどね。たくさんのママがいるなかで、私の個人的な意見として捉えていただければと思います。
読者のみなさん、趣味はありますか?
気力と体力は必要ですが、私といっしょに自分の趣味を続けてみませんか?
ランニングするとき、子どもを誰かに託す必要があります。私は仕事復帰も見据え、子どもに「保育体験」をさせたかったので、生後6ヶ月以降は区の一時保育へ積極的に預けました。
出産直後:区の産後産前支援ヘルパー事業の活用。1,500円/1時間。休日は夫へ(子育てにもかなり積極的なタイプです)。
6ヶ月以降:区の一時保育の活用。800円/1時間
※地域の子育て支援団体(NPO、社会福祉法人等)が1時間単位で子どもを預かり、保育する事業。
子どもの個性に合った預かり先を、何ヵ所か試しました。幸い、近隣の保育施設が母と子に合ったので、定期的に預けました。
預けることに抵抗がある人もいらっしゃるかもしれません。わが子は、いい刺激を受けたのか、帰宅すると一時保育で習った仕草をするようになりました。私だけではしてあげられない刺激を受け、覚えた動きをする姿は微笑ましく、気持ちよく送り出していました。後追いの時期は、後ろ髪引かれる想いもしましたが、母の姿が見えなくなるとコロッと切り替えて遊びにハマるその姿は、成長を感じることもできました。一時保育では、先生に育児の相談もできるので、子どもの成長を客観的に判断でき、情報交換の場としてもかなり良かったですよ。積極的に出かける母に足並みを合わせてくれたのか、わが子には人見知り・場所見知りがなかったことも一時保育を後押しさせました。